去年の年末くらいに個人的に遊びでやってたんですが、
ちょうど符合する記事が出てびっくりしました。
http://blog.talerpg.net/rpg/archives/1289
……何か電波が飛んでるんですかね(え”~)
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んでまあ、僕の場合はもっぱらシナリオ作成(整理?)でしか使ったことないんですが、以下の効能があると思います。(上の記事にも書かれてますが)
1)シナリオ中で「本当にやりたいこと」が何なのかを再認識できる
シナリオってあれこれいっぱいやりたいことを詰め込んでしまいがちだと思うんですが、「四行でまとめなければならない」という縛りを入れることで贅肉がそぎ落とされて、本当に最低限これだけはやりたいというストーリー上のキー要素を抽出できます。
わりと自由度の高いセッションをやろうとしたときに難しいのは、何を好き勝手やってもらってもOKで、何は最低限キッチリ押えないとストーリーとして破綻してしまうか、という見極めだと思うんですけど、自分のシナリオを四行に圧縮することで「何は最低限キッチリ押えないとストーリーとして破綻してしまうか」が明確になります。これが明確になれば、ほかの好き勝手やっていい部分もはっきりし、対応しやすくなります。
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2)何度もやり直しがしやすい
リメイクするだけでもやりたいことの再認識は可能なんですけど(GF誌のSRS製作漫画で、OP漫画を書き直してたら、そのシステムでやりたいことが突然はっきりした、というエピソードもありましたが)、四行にまとめる良さというのは繰り返し何度もリメイクできるという点かと思います。1日のちょっとした合間にちょちょっと考えるだけですぐ出来ます。
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3)批評や感想を貰いやすい
長いシナリオなり、作品を一通りざっと見てその感想や意見を貰うのはなかなか、批評者/感想者の少なくない時間を消費することになってしっかり内容を理解した上でのいけんなり感想を貰いづらいんですけど(長いと、読み込み不足による誤解も発生しやすいですし)、四行ならささっと読んですぐに感想を貰うことができます。
で、たった四行でもいろいろ誤解されたり記述が足りずに理解不能になることもありますが、それは「最低限話を回すのに必要な要素が足りていないということ」なので、最低限必要な要素を再考する助けにもなります。
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4)たった四行でも面白い話であれば、実際のセッションで適当にやっても面白くなる
話の面白さの主眼によって、四行プロットで面白さを出しやすい/出しにくいという話の向き不向きがあるので、各シナリオ制作者の作風で相性があるとは思うんですけど、四行プロットの段階で既に面白い話は実際のセッションでもほぼ、確実に面白くなると思います。多分。
四行プロットで面白い話⊂面白いシナリオ/セッション
て感じ?
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5)注意点
四行プロットを書く際には下記の注意点があります(実際書いてみた感じとしては)。
・「四行詩に陥りやすい」
四行詩にしちゃうと、それはそれでいいんですがTRPGのシナリオプロットとしては使いづらくなっちゃうので、割と説明的に事態の変遷をしっかり書いた方が有用性が高まると思います。
・「TRPGシナリオ的にはエンドをぼかした方がいいかも」
TRPGのストーリーってやっぱりエンドは実セッションで完成されるべきものだと思うんで、エンドまでしっかり書いちゃうと実プレイに対する縛りが強くなるかなあという嫌いがあるので落ちはぼかしておいた方がいいかもしれません。まあ、とりあえず自分のイメージする理想エンドを書いてそこからバリエーションをいろいろ考えていくのもいいかもしれませんが。
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6)実例
つーことで自分で書いてみた拙作を載せておきます。
すげー、はずかしーって感じw。
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【時の終わりのときに】
1.彼が10年ぶりに再会した幼馴染は、10年前そのままの少女の姿をしていた。
2.実は彼女はロボットだったのだ。そして、彼女はあと24時間で廃棄されると知る。
3.彼は彼女を海に連れ出し、さんざっぱら遊びほうける。
4.最期の時、彼女はこのまま何も見えなくなってしまうのが怖いと言う。彼は彼女との楽しかった思い出を延々と語り始める。そして「見えたか?」と問い、彼女は「見えた」と答え、楽しそうに微笑んだまま、永遠に停止する。
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【生命の樹】
1.黒の軍勢によって世界が滅びに瀕していたとき、主人公は世界を救うため、すべてを再生するという「生命の樹」探索の旅に出発する。
2.ところが、世界を滅ぼそうと望んでいるのはこの世界を創造した神自身であることが明らかになる。主人公は力では決して勝てないことを思い知る。
3.数多くの試練を潜り抜け、神と会う資格を得た主人公は儀式を執り行い、神を呼び出す。神は【読者であるあなた】に問いかける。『この世界を救いたいですか?』と。『世界を救う覚悟がありますか?』と。
4.【読者であるあなた】が『この世界を救いたい』と答えると、神は主人公に公正にゲームをしようと提案する。世界を滅ぼそうという陰謀が進行中であり、それが阻止できたら世界を滅ぼすことはやめようと言う。地上に戻った主人公は、人々の希望である「魂の歌い手(主人公の父親)」が(主人公と、主人公の母親を救うために)歌によって世界を滅ぼそうとしているのを知る。主人公は、その陰謀を阻止するため、やむを得ず国中の人々が見守る大劇場の中で彼を殺してしまう。事情を知らない人々は、主人公を「悪魔だ!」と言って罵り、八つ裂きにする。そうして「憎しみ」の心を知った人々は、全てを滅ぼしつつあった黒の軍勢を自ら打ち倒し、世界は救われる。
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【3つの願い】
1.魔法の失敗で猫になってしまった魔法使いの弟子は、師匠に、岬に住む爺さんの願いをかなえたらその呪いが解けると言われ、願いをかなえるため、爺さんの下にやってきました。
2.第1の願いは「私もあなたを愛しています」。爺さんが昔、言葉を話すことが出来ない女にプレゼントした指輪への回答の言葉を爺さんに伝えました。本当はこれで呪いは解けたのですが、世話になったし、あと2つくらい願いをかなえるのも面白いかも、と、魔法使いの弟子は、さらに爺さんの願いをかなえ続けることにしました。
3.第2の願いは「この子が幸せになりますように」。戦争で生き別れになった爺さんの娘の結婚式に爺さんを連れて行き、二人を再会させました。
4.第3の願いは「お前との、この楽しい日々がずっと続くこと」。そうして魔法使いの弟子は、猫生活もなかなか良いものだ、と爺さんの下で暮らすようになりました。
まあ、こんな感じで。