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5分でできるシナリオの作り方・補足:(・_・)

・元記事
http://simizuna.exblog.jp/10369739/

補足。



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1.基本思想
 前回の記事の基本思想は要するに、四行プロットを書いたらそれだけで十分シナリオとして機能するでしょう、という話でした。そのために、いろいろ制限を加えたり、ありものを使ったりしているわけです。で、どんなシナリオでもそういうやり方でできるわけではないです。

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2.四行プロットで十分な形式/環境
 どういう形式や環境では四行プロットだけでシナリオとして十分機能するかを下記に解説します。

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1)オンラインセッション
 例えば、四行プロット=四シーンと考えた場合、オンラインセッションでPC全員が集まってあれやこれややる場面が四つもあったらそれだけで結構盛り上がれます。転がすネタさえ提供できればね。むしろセッションを細切れにシーンを分けるよりも、話として明確な節目を最小限提示することの方が重要だったりします(起承転結という区切りや、序破急という区切り)。

 というわけで、オンラインセッションの場合にはせいぜい四行プロットぐらいの内容を考えられればそれだけで十分遊べます。むしろ、それ以上あれやこれや詰め込みたくなった場合には一回のセッションで消化しきれない可能性が高くなるので、複数回セッションでたっぷりやることを考えた方がよろしいかと思います。そうすればPCに合わせてシナリオを調整する時間も増えますし、別に五分にこだわらなくてもよくなると思います。

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2)PL主導なセッション/シナリオ/システムの場合
 PL主導なセッションの場合、例えばセッション中盤に事件の調査とかをするシナリオを考えた場合、PLが自発的にどこどこを調べたいとか、だれと話をしたいとかを考えるので、それに合わせて情報を小出しにすればいい。

 ここでGMの方でいちいち

・この情報は、xxxという場所で、aaaという人からしか入手できない

というような制約を考えたり、そういう情報を出すためのシーンとかの枠組みとかを考え出すと、却ってそれがPLの発想を妨げることもあります。

 最悪、結局行けそうなところを総当たりするしかないジャン、とか、積極的に考えても無駄っぽいので、GMの提示されるシチュエーションにしたがってなんとなくダイスを振って得られた情報に一喜一憂するところに注力しよう、とかそんな感じ。

 まあ、それだったら情報をどこでどんな風に得られるかという演出はPLが考えて、GMはどういう順番で情報を小出しにしていくかという情報管理にのみ注力した方が、情報の整合性に注意しやすいし、情報の整合性がしっかりできると矛盾で足をすくわれてがっかりする状況の回避しやすくなるんじゃないんかと思います。

 あえてPL主導でありながら中盤の場面とか展開を細かく決めるとすれば、情報経路が論理的に類推出来つつミスディレクションも混じっててゲーム的に面白い構造が考えられるなら考えてもいいかと思うんですが。

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3)葛藤シナリオ、謎謎シナリオの場合
 葛藤するシナリオというのは基本的に

・敵は自分自身

なので、NPCはほとんど要らないし、葛藤する争点は1個のシチュエーションを提示するだけで説明可能です。というわけで、少ないリソースでも十分遊べるシナリオが作れます。謎謎シナリオというか、僕が良くやるシナリオで、仮の目的を作ってPC間やNPCの関係ができたところで、それにまつわる哲学的(?)問いとかセンスを問うシナリオをやることがよくあるんですけど、その場合にも特にいろんな場所や場面が必要なわけではなくて、NPCもそんなに大量に出す必要もないので少ないリソースでシナリオを構成しやすいように思います。

 あと、戦闘しようとするといろいろデータが大量に必要になるんですけど、葛藤シナリオ、謎謎シナリオの場合にはあんまり戦闘しないので敵データを準備する手間まで削減できます。

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4)「ゆうやけこやけ」の場合(笑)
 このシステムの場合、場面が5場面以上あってNPCが3人以上いるとあっという間にバランスがすっ飛びます(笑)。絞り込んだ最小限のリソース(シーン数、NPC数)で、それでも面白いシナリオを組むにはどうすれば良いか?の練習にはうってつけかと思いますね。

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5)自分だけがわかれば良い(笑)
 人に理解してもらえるようにあれこれ暗黙事項まで書き始めるとどんどん話が膨らんでいってしまいますが、自分がプレイする分にはそこまで書く必要はないし、多くの場合そんな必要があるケースはそんなにありません。というわけで、最初は自分がわかる最低限の要素だけを考えて、あとで公開する段階になって初めてしっかり細部まで書くとか、そんなもんで十分と思います。


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次に、シナリオ中で手間暇かかる各要素(ダンジョンを作らなくちゃならん!?とか)を
それぞれ端折ってすっ飛ばす方法について解説します。

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3.情報収集を端折る方法
 上に書きましたが、GMはどういう情報を渡すべきかだけを管理し、どういうシチュエーションでPCが情報を得るかはランダムで決めるとか、PLが考えるようにすれば、シナリオでいちいちそういう場面とかを考える手間が端折れます。

 まあ、そこに凝るシナリオの作り方もあるし、そういうのをやりたいなら手間暇かければいいだけですわ。

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4.ダンジョン探索を端折る方法
 そういう記事は前に書いた気がするんだが。

・旅歩き判定、作業判定、TRS、フォーカスシステム等で抽象化して一括処理する
・ランダムダンジョン生成システムを使う
・既成ダンジョンを使いまわす
 →毎回同じダンジョンをベースに細部を変えるだけでもいいと思うんですが
・四畳半ダンジョン
・抽象化ダンジョンの技法を使う
 http://simizuna.exblog.jp/6907783
 ダンジョンというのは煎じ詰めると、扉1個あれば十分だ(笑)。

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5.敵データを端折る方法
・ルールブックとかに載ってるデータをそのまま使う。
・ルールブックとかに載ってるデータをそのまま使いつつ、固有名詞のみ書き換える。
・PCのデータをコピーして使う
・戦闘しないなら敵データすら不要

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6.戦闘を端折る方法
・戦闘しない(笑)
・リソースを1判定に集約できるシステムであれば、互いに全部をつぎ込んで1判定で雌雄を決する
・戦闘=ダメージを分配するゲームと考えて、分配して終了
・とどめを刺すかどうかという葛藤に問題転嫁する
・面倒だったらじゃんけんで決める

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7.いろいろデータをストックしておく
 NPCとか、舞台とか、課題とか、各種ネタを何らかの形でストックして資産として残しておきます。
 で、必要になったら適宜いつでも引き出せるようにしておく。
 電子データにしておいた方が検索できるんであとあと再利用しやすいですかねえ。


まあ、こんなところで。
次は「15分でできるシナリオの作り方」というタイトルで、四行プロットで考えたシナリオを展開し、膨らませる技法について説明したいと思います。

んでわ
by namizusi | 2009-02-20 01:03 | TRPG


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