視点のズレと異界の現出:(・_・)

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月夜埜綺譚の新作サプリメントを買ったのですが、これがまた良い出来で、基本的に月夜埜綺譚というのは「日常的な街」という魔界を散策するシステムだと思うんですが。



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 サプリメントは、“街”にある「場所」とそれらが醸し出す「イメージ」についての解説および、その逆引き「イメージ」から対応する「場所」を引くという(例えば、「出会い」と言ったら「雨の軒先」何かが場所の演出として有効、とかそんなの)、そもそもサプリメントかどうかすら謎なのですが、とにかく、「街」のちょっとした何気ない場所であっても、ちょっと視点を変えて物語的意味を考えたりなんかすると、そこに突然ノスタルジーが発生したり、“逢魔が刻”というような魔の空間に見えたりという。

 物語的意味とか、アピールとか、最近はとにかくキャラの能力なり見た目を派手派手にして押し出す感じでメリハリを付けようとするシステムが多いかなあと思うんですけど、月夜埜綺譚というシステムは、そこから一歩引いて、そんなわざわざメリハリを付けて新たな表出なんかしなくても、ただそこにある普通の風景をちょっと見方を変えるだけで、そこにドラマなり色彩がある、という観点のシステムなんだなあというのがなかなか良いと思いました。すごい、今どき売れなさそうですが^^;。

 「ホームレス中学生」という小説/漫画で主人公が家から追い出されて公園に住みつくようになったとたん、我々にとってただのんべんだらりと過ごすだけの日常風景が、明日をも知れぬサバイバルワールドと変わった、という話があったりなんかしますが、そういう、一歩引いてあるがままのものをじっと見てみるとそこにはそれだけで十分冒険するだけの世界が広がっている。すぐそばに、スーパーマン的な能力なんてなくても十分冒険ができる。ていう価値観ですかね。京極夏彦系(妖怪ものは除く)もそれに近いと思います。

 あと、月夜埜綺譚で面白いのは、クリティカルや確率操作をできるシステムがあるんですけど、そういう「確率操作できる」こと自体が世界観の中で魔法とか、奇跡とか怪異とか、そういう扱いになっていてだからPC自身の方がむしろモンスターそのものと言えるてところでしょうか。

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 最近はりゅうたまで動物ものシナリオを良くやってるんですけど「動物もの」っていう視点はすごいと思ってて、現代社会そのまんまの世界でも、視点を「動物」に変えるだけでワンダフルワールドに変わるんですよね。わざわざ魔法とか、超常能力なんてのを何一つ出す必要もなくて、ただ「視点」を「動物」に変えるだけで、もう魔法的なものとか、モンスター的なものとか、大冒険とか、全部揃ってるんですよ。

 Mouse Guard Roleplaying Gameの場合には、2巻のWinterでフクロウと激闘を繰り広げますが、人間観点だと、ただちっこい鼠がいて、フクロウっていう鳥がいて、で終わってしまいますが、ネズミ視点だと、フクロウは狡猾で、夜空を駆け巡る強大な魔物に変化するわけです。

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 そんな感じで、今はあんまりないですけど、視点を変えることでそこにワンダーワールドが広がる!っていうようなイメージ重視なTRPGもいいなあっていう。

 小説の世界なんかの場合は、そういう「新しい視点」が花盛りで「チーム・バチスタの栄光」なんかの場合には、

「医療の世界に、そんな魑魅魍魎ワールドが広がってたのか!」

という話だったりするんですけど。今時だとラノベ的ワールド/描写のTRPGが多いかな?と思いますが、小説的世界観点で展開すると、むしろこっちの「新しい視点」の方が親和性が高いかなあと思います。教育的ソフトとしてTRPG的アプローチで「新しい視点を身に付ける」っていうのは市場としてありなんじゃないかと思うのだがどうだか。DSのゲームがゲームゲームしたゲームだけじゃなくて、教育的ソフト(脳トレとか)で、幅広い世代の支持を受けたみたいにTRPGでもそういう方向で広い世代に受け入れられるような何かができるかもしれんなあとか思ったり思わなかったり。


んじゃま
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by namizusi | 2009-08-25 00:37 | TRPG


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