深淵の遊び方(3):(-_-)

深淵布教計画第3弾。
こんな辛口記事で不況(時節柄にかけて)できるかはなはだ謎であるが(笑)。

りゅうたまの方は、長くアピールし続けたおかげか、“うちのサイトを見てりゅうたまやりましたよ!”という人がぼちぼちいて、ちょっと嬉しかったりすることがあります。

さて、今回は

<2>PCの目的設定をどうするか?

について解説をば。



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1.衝撃
 最近深淵関連の話で一番衝撃を受けたのは


「何をしたらいいのかわからない」


という話でした(爆笑)。大昔のあの酷い記事、何でも良いよと言われると何もできない病の猛威が深淵にまでやってきたか、実に阿呆らしい。としみじみ思ったものです。

 1年くらい前だと、某社の極悪な洗脳活動により何でも良いよと言われると何もできない病が蔓延したのだ。実にけしからん事だ、とか、調子に乗って日頃の恨みつらみなど書き殴った気がしますが、最近はシステム思考とか、あれこれ情報を得た結果

・そもそも日本の教育制度が受け身な人間を増産し続けているらしい

ということが分かったので、これからは日本の教育制度自体を叩くのが妥当かなあと、そんな風に考えております。

 いやしかし、いまどきのTRPG環境の問題もあると思うんだけど、昔、RPG一代男という漫画で、栗手軽くんの家にサンタがやって来て(一応季節がらを読んでみた)、TRPGをに参加させてくれと言い、プレイを始めたら「殺す!」「殺す!」「ぶっ殺す!!」と、殺戮の限りをつくして、気分すっきり帰って行ったという話がありました(笑)。

 まあ、ネタではありますが、そこまでひどいのは余りないと思いますが(実にそう思いたい(笑))TRPGというのは、多かれ少なかれ、日頃現実世界で出来ないことをTRPG上の仮想世界で解き放つという楽しみがあると思います。なので、常日頃引っ込み思案でわがままも言わず優等生的に良い人であっても、TRPG上では突然人格が解き放たれてはっちゃけたプレイを始める、という事態もありましたし、それもまあ、ある程度は仕方ないなと受け入れていた部分があったと思います。その分GMの負荷が上がっていたところではありますが。

 ところが最近ではTRPG上でもPLは、あれをやっちゃいけない、これをやっちゃいけないと抑制されることが多くなり(最近読んだブレカナのリプレイなんか、ここまで抑制しないと遊べないんだ!実に痛々しいなあと、しみじみ思ったものである)、日常で出る杭は打たれまくって我慢しまくっている上に、TRPGをやるときまで我慢することが求められ、もうあとは戦闘で派手に大ダメージを出して発散するしかない、それにしても最近は敵が強烈になって来て戦闘でもいまいち発散し切れない、というような抑圧された状況になっているように思います。

 あーすみません、かなり脱線しました(笑)。

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2.「物語上の登場人物になって好きに行動させることができる」
 TRPGってもともと

「物語上の登場人物になって好きに行動させることができる」

という説明をされることが多かったように思いますが、実情は、物語って何?と言うような穴倉(ダンジョン)に潜らされて泥水をすするような探索をさせられたり、なんかテキトーな奴を悪と決めてけてみんなで寄ってたかって叩きのめしたり、日常を守るためとかいう良くわからないお題目で戦わされたり、なぜか忍者になって宝物争奪戦をさせられたり、スタイリッシュに髪をかき上げさせられたりと、当初考えた「物語の登場人物」「好きに行動させることができる」とはほど遠い

「看板に偽りあり」

なTRPGが世の中にはあふれかえっていますが(笑)、深淵は違います。深淵は文字通り

「物語上の登場人物になって好きに行動させることができる」

TRPGです。「物語上の登場人物になって好きに行動させる」と、実際には様々な制約や、因果応報を受けることになるのが世の中のことわりという奴で、実際当事者になってプレイしてみるとすごい辛かったりすることがしばしばありますが、深淵ではそういう辛いところまで余すことなくプレイ出来る(させられる。はめられる(笑))TRPGです。

 なので、TRPG初心者から見るとTRPGというものに思い描いていたイメージ通りのプレイが出来るので、そういう点ではとっつきやすかったりします。ただ、PCは基本的にただの一般人であるとか、何かをなすには代償が必要であるとか、そういうヘビーな部分もあるので、ダークな系統な話が好きな人に向いているとか、少女漫画系のどろどろした因果関係の話が好きな人に向いているとか、そういうところはあります(その辺が女性プレイヤー率の高さに影響している部分かなあと思ったりなんかもしますが)。

 まあ、他のTRPGが悪いとか、ダメとかいうんじゃないんですけど、システムデザインの方向性として、他のシステムでは


・このシステムはこういうプレイが出来るんだぜー!やってみたいだろ?


というようにシステムの志向性にプレイする人間の志向性を合わせさせることで、結果として「やりたいことができる」という願望を実現させているTRPGシステムが多いと思うんですけど、深淵の場合にはその方向性が真逆で、


・何でも好きにやってみろ。それでもセッションはまとめてやるからさ


という方向性のデザインになってるということです。

 なので、他の多くのシステムでは、セッションをうまく制御するためにPLにある程度自重することを求めるんですけど、深淵の場合にはむしろ自重しないことを求めるシステムなので、方針がバッティングして、上の自重系システムで正しいことが深淵というシステムでは害悪にしかならないところがあったりします。

 そんなわけで、深淵をやる人間的には「それは、別のシステムでは全く正しくないどころか、害悪になることさえあるので、そういうスタンスが存在することは常に気に留めておいて欲しい」と言い続けないといかんところだったりします。ということで頑張ってずっと言ってました(笑)。

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3.「汝の為したいことをせよ」
 随分前置きが長くて申し訳ありませんでしたが、

「何をしたらいいのかわからない」

という問いに対して、深淵でどうすればいいかと言うと

「汝の為したいことをせよ」

ということになります。「汝の為したいことをせよ」と言って放り投げて、プレイ出来るかと言うと、出来る人は出来ます。出来ずに硬直する人もいます。自発的に自家発電してどんどん動ける人はどんどん好き勝手に動いてもらって構いません。

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4.深淵の行動指針
 自発的に動く案を発想できない人の場合には、一応、システム上、行動指針が示されてますので、それに従って何をしたいかを考えて行動してもらうことになります。行動指針には下記があります。

<1>「運命」を解決する
 深淵では「運命」という強烈な設定がPCに付いてきます。その多くは忌まわしい、一刻も早く解消したい内容だったりします。というわけで、とりあえず自分の解決したい運命を解決するために行動する、というのが1つの方針となります。それを目指して行動することを選んでもかまいません。(強制ではない)

<2>「縁故」のために行動する
 運命絡みや、自主的な設定で、高い縁故ポイントを割り振った縁故(知り合いとか、物品とか、ポリシーとか)がキャラクターにはついて来ます。その「縁故」を基準に

・「縁故」のために何か状況改善するようなアクションを起こす(友好的な対象の場合)
・「縁故」のために何か状況改悪するようなアクションを起こす(敵対的な対象の場合)

……というような行動をさせることを選ぶことができます。(強制ではない)

 キャラクターを作成した時点でPCにはいくつかの運命と、縁故が付加してきますので、どれをメインに据えて行動するかを選んで行動させれば良いです。

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5.誘導手法
 行動指針は上記のようにシステムでPLに対して提示されますが、それでもどう行動させれば良いか思い付かない人がいるかもしれません。その場合にはGMは、運命・縁故をシナリオ中に登場させてPCを誘導すれば良いです。迷っていたら、各運命・縁故を提示して、どれかを選んでもらうよう誘いましょう。

 話の舞台とか設定上、該当運命・縁故を出すのが難しい場合がありますが、深淵には「夢歩き」という強烈なセッション誘導ルールが存在します。夢の上だったら、そんな現実的な整合性など無視して無理やり運命・縁故を登場させ、誘導することができます。

 困ったら夢歩きしましょう。夢の中で、選択肢を提示し、選んでもらうのです。

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6.「目的」の終着点
 ただ、PCの“こうしたい”という「願望」が決まっても、それをどう実現するか不明なことがあります。深淵のPCは基本的に「ただの人」なので出来ることには限りがあります。

 しかし、深淵にはその限界を乗り越える方法が世界観的に提示されています。それは

・魔族/魔剣/龍/魔法の品

です。これらを手に入れ、適切に使うことができればPCはどんな願いもかなえることができます

 なので、やりたい目的は決まったけど、具体的に何したらいいかわからんというときは


「魔族に頼めば君の望みは叶うぞ」


と、囁きましょう(ただし、魔族の力を借りるというような行為は、世間一般的な認識として「悪」であるという認識が必要です)。PCがそれを求めて動き出せば(あるいは、そうしようとする他のPCを止めるために動き出せば)、深淵のセッションは回ります。あとは、具体的にどうやって魔族/魔剣/龍/魔法の品と遭遇できるか?あるいは既に誰かが持っている、ということを決めれば話は進みます。

 PCは願望を持っている。
 しかしそれを叶えるためには「悪」に手を染めなくてはならない。
 自分が自重したとしても、他の人(PC)は自重しないかもしれない。
 どうしよう?

 というジレンマが深淵の基本構造となります。

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7.行動の一貫性について
 深淵では基本的にPCの行動は規制しませんが、PCがあんまりにも支離滅裂な行動をするとGMや他のPLが対応できない(というか信用できない)ので、PLは好きにPCの目的を決める自由を得る代わりに、行動の一貫性を保つ義務(というか信頼関係)が発生します。そこんところを注意する必要があります。

・PCが何かこだわりを持って行動する場合は、必ず縁故との整合性を取ること。整合性が取れてない場合は、整合性が取れるように縁故を改変する事(GMに申告)

・PCの方針が豹変する場合(日和る場合)は、必ず物語的理由付けをすること。例えば、縁故に絡めて説得されて、考えが変わった、とか

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8.深淵の管理手法
 今時のPC=スーパーマンなシステムと対比させるとわかりやすいのですが

・PC=スーパーマンなシステム
 ・PCの願望は抑制する(PCは正義の味方であるとする、とか)
 ・PCの可能な行動は抑制しない(ほとんど万能な力を得ている)

・深淵
 ・PCの願望は抑制しない
 ・PCの可能な行動は世界観的に抑制する

という感じに正反対なセッションの管理の仕方をしますので、留意されるとよろしいと思います。深淵は第2世代的(世界観重視)というか、箱庭的というか、そんな感じのシステムだということです。

 第2世代的(世界観重視)なシステムの特徴としては

・相当品ルールは原則NG

という特徴があります。(仮想)現実に制限されて、やりたくても出来ないところがある、そういう世界観的感触を楽しむ。というのが第2世代的TRPGの特徴の一つで、深淵はその楽しさを継承してますので要注意。



以上、

<2>PCの目的設定をどうするか?

についての説明はこんなところです。



んじゃまた
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by namizusi | 2009-12-04 21:19 | 深淵


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