「オブジェクト指向シナリオ」と「多様式主義」:(・_・)

「君といるセカイ」読了。
http://www.bk1.jp/product/03172676

構成としてはワシが以前書いたオブジェクト指向シナリオのパクリじゃね?と思います(またか(笑))。いーかげんどーでもよくなってきましたが。

一応ネタばれしてるので、今後読む予定の方は読まない方がよろしいかもしれません。



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1.参考記事
・シナリオ記載例:獣の城
 http://sun.endless.ne.jp/users/simizuna/scenario/Sin-en/beast_castle/beast_idx.htm
・シナリオ記載例:化神
 http://sun.endless.ne.jp/users/simizuna/scenario/Sin-en/Keshin/Ke-shin.htm
・ハンドアウトは一人分で十分である
 http://simizuna.exblog.jp/1617933
・オブジェクト指向シナリオ(1)
 http://simizuna.exblog.jp/1435516
・オブジェクト指向シナリオ(2)
 http://simizuna.exblog.jp/1459005
・オブジェクト指向シナリオ(3)
 http://simizuna.exblog.jp/1478433
・オブジェクト指向シナリオ(4)
 http://simizuna.exblog.jp/1592985
・オブジェクト指向シナリオ(5)最終回
 http://simizuna.exblog.jp/1600830
・オブジェクト指向シナリオ(6)「独立性」についての補足
 http://simizuna.exblog.jp/1603061

 この手のパターンで特許が取れるかどうかですが、「ビジネスパターン」を創出した場合には特許が取れます。ワンクリックパターン?とかいう、ネット上で、該当項目を1クリックして使用料とかを取るパターンはビジネスパターンとして特許が取得されております。まあこれは、(劇的に)「金が稼げるパターン」なので、影響力の大きさから特許料が認められたと思います。

 TRPGのシナリオ構成でそんなこと主張しても無駄だろうし、どっちかっつーと好き勝手上手く使ってくれた方がいいんじゃいない?という感じなのでどーする気も皆無ですがー。そういうことを言ってると漫画「エンゼルバンク」で言ってた特許意識の希薄さにかかってくるかもしれん。まあ良い。

 どちらかというと、個人的には、昔このパターンを説明しても理解できる人が少なくてげんなりした記憶があるので、


「このリプレイ見て勉強しておけ」


と言いたい気分ですかね。

 しかしまあ、この手の思想はどこかで同じようなことを考えていることが多いので、実はもっと先にどこかにあるかもしれんですな。調べてる時間はないので調べませんが。

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2.このパターンの問題点と「多様式主義」
 このパターンでは、繰り返しが3~4回目になる辺りで


「飽きてくる」


という問題があります、というかワシがPLだとそこら辺で暴れだすね(笑)。リプレイでも飽きてきている様子が描かれております。

 ということで、繰り返しが3~4回目辺りでパターンを崩し始めるとよりベターと思います。さらにパターンを崩して別パターンに再構成すると素晴らしい!と思います。

 1個のパターンを途中で崩して別パターンに移行する手法は、音楽の世界ではアルフレッド=シュニトケ

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%83%88%E3%82%B1

という作曲家が実践されていた「多様式主義」

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9A%E6%A7%98%E5%BC%8F%E4%B8%BB%E7%BE%A9

の概念を利用されるとよろしいかと。

 音楽だと「調が合っていればなだらかに移行しやすい」という法則があって、例えば「春が来た」という曲と「夏は来ぬ」という曲は調が同じなので、上手く連結するとそのままなだらかにあたかも1個の曲であるかのように歌うことができます。昔、合唱サークルの演奏会で実演したことがあります。

 で、物語構造(TRPG分岐ストーリー構造)で、「調が同じって何?」というところが難しいかなあと思いますが……シャマラン監督作品で「多様式主義」的作品が多い?ので参考になるかも。

・アンブレイカブル
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id162587/

・シックス・センス
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id85349/

 自分の作ったシナリオで、「多様式主義」的で比較的うまく行ったのはこれかなあ?

・時の終わりの時に
 http://sun.endless.ne.jp/users/simizuna/scenario/Cthulh/end_time/end.htm

・3つの願い
 http://sun.endless.ne.jp/users/simizuna/scenario/RtoL/3hope.htm

・浪漫の騎士
 http://sun.endless.ne.jp/users/simizuna/scenario/Other/romantic_warrior/rw_sin_en.htm

気が付いたら全然別の話になってるので、ベテランぽい人に「それは違う!」と言って怒られたことがありますが(笑)。事前に、典型的シナリオじゃないということをアナウンスしておきましょう。

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3.「君といるセカイ」のパターン
 最初PvPか!と見せかけて、結局いつもの黒幕を倒す話に移行するのですが(まあFEARゲーのパターンはいつもそうだし、予想通り(笑)))、何かいまいち「調」が合ってなくてガチャガチャするんですよね。

 何とか綺麗に「気が付いたら全然別のパターンの話になってた!」とかPLを驚愕させるような流れを作れないものだろうかと思います。僕が自サイトに載せてるシナリオとかリプレイも、最初フレーバーで、気が付くと全然違う構成の話になるというのが好きで、そういうのが多いんですけど、上手く行っているかどうかは謎ではあります。

 「君といるセカイ」で、中盤で情報収集してやっと複雑な構造が理解されたり、半端に情報制限してアタフタかなり苦労してますが(大変そうだった)、切り替わりを一言とか、二言とか、三言とか、極めてシンプルな説明で一目瞭然理解させられる構成にして欲しいかなあというところはありました。

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4.「君といるミライ」のパターン
 http://simizuna.exblog.jp/1603061
 ここに記載の「モノフォリック」の適用例と言ってよろしいかと思います。

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5.ハンドアウトを全員同一にすることについて
 PvPでやる場合は、「ハンドアウトを全員同一にする」のが


・全員の状況を公平に出来る
・展開をパターン化しやすい
 →PLが展開先読みして自発的にネタを入れやすくなる


ということで処理が楽になるし、PLの積極的参加を促せて二重にお得と思います。シノビガミの対立型シナリオって、基本的に全員同じ使命(表:ハンドアウト)で十分なんですよね。それぞれ違う使命にしてバランスが取れるよう調整する方が難しいというか。

 しかし、全くイコールだと全PCの行動パターンが重複して、読めちゃうと面白くなくなるかもなところがあるので、「君といるセカイ」のパターンでは「ヒロインの性格設定が違う」という差異でバリエーションを出しておりました。シノビガミの場合は「秘密(裏:ハンドアウト)」を個別に書き換えることで個性を出すことができます。

 ところでシノビガミの場合「使命で差異をどう匂わせるか?」が難しかったりします。完全同一だと識別できなくなって使命を選ぶ意義が消失しますので。まあ、「選ばなくて良い」という手もありますけど(笑)。他に、一応1個解決方法は考えたのですが、今はまだ企業秘密としておきます。

 まあ、シノビガミの実践例は、そのうちどこかで出すと思うのでそんときよろしく(3ヶ月後くらい?)。

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6.終わりは「好きな望みがかなう」にする
 「君といるセカイ」がそういう構成になってますが、今回紹介しているパターンでよく使用する手法で、このエンド方式が楽なのはPC/PLがどんな希望を抱いても対応可能という汎用性で、PCの個性に影響されず、シナリオ構造を変える必要がないという特性があります。

 オブジェクト志向的には

「目的達成をインタフェース化して、実装はPLに任せる」

という、目的達成をPL側に対してカプセル化する手法となります。




そんなところで。
以上、TRPGシナリオのストーリ構造構成パターンの話でした。
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by namizusi | 2009-12-13 13:16 | TRPG


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