深淵の遊び方(12):(-_-)

今回は、深淵でやりやすい「葛藤」のプレイの仕方について。



--



1.深淵における「葛藤」表現
 深淵では、PLはPCの「目的」が複数提示され、その中から好きなものを選んでプレイする、という話を前に書きました。

http://simizuna.exblog.jp/12441988/

 深淵では、それら、PLに対して提示される目的が相反し合うようにすれば、それだけでシステム上「葛藤」を作りだすことができます。例えば

・運命:借金で借金を返したい
・借金を返すためには、自分の愛する娘を売り飛ばす必要がある

とか、そんな感じね(ベタですみません)。

 「PLが目的を選ぶ」と言いましたが、深淵ではプレイ中、何度も何度も夢歩きとかで「本当のその道で良いのか?」と問い直されるのですよ。なので、一度決めても、また揺らいで別方向に転ぶとか、またまた元に戻るとか、よたよたふらふらしながら道を進んでいくのが深淵的展開かと思います。なので、相反する目的があった方がむしろ面白いと思います。一方に寄って行ったら、他方がPCの行動を咎め始め、逆に行くと、前の派閥が叩き始め……という揺らぎが深淵のセッションのだいご味の一つと思います。

 ということで、深淵では適当に作っても相反しそうな要素というものができるのですが(とりあえずポイントの高い縁故が2つ以上あればすぐできます)、GMは各PCごとに、そういう相反しそうな要素というものを洗い出して、各個をそそのかすことによって、感情的に揺らぎを作りだせるので、主要な運命&縁故を全把握しておくと良いです。ホワイトボードが使えるなら、書いておけば非常に分かりやすいのですが。

--
2.PLが悩むかどうかについて
 昔は

「ここは、悩んでくれないとやりがいがないなあ」

とか思うこともありましたが、最近はどうでも良いですね(笑)。悩まないならサクサク先に進むだけだし、悩むならその分先の展開が時間的に減ってくだけかなあと。

・葛藤する→時間がかかり過ぎる→悪

という論調が昔ありましたが(最近は、表立っては余り聞かなくなりましたが)、僕のスタンスは

・悩みそうな状況があったらその分最初から時間確保してセッション計画しろ

です。なんていうか、そこら辺で文句を言いだす人のセッションに参加すると

・GMのやりたい場面やギミックばかり詰め込んであって、PLがやりたいことをやっている余裕がない

ということばかりだったので、結局のところ、葛藤は時間がかかってよろしくない論の本質というのは

・GMの詰め込み過ぎな自己中セッションを通すための方便である

というのがワシの認識です。

--
 それはさておき、PLが悩むというのは「PLがPCに共感して同一視しているから悩む」、というところがあって

・見えなくなるまで。
http://d.hatena.ne.jp/blue_jmn/20091215

の記事で、

>PCが誰かのために大きな決断をする時、NPCの非道に義憤を感じる時、PCとPLの気持ちは一つになっているはずです。ゲームによって、シナリオによって、GMによって、PLによって、その瞬間へと至る道筋は様々だし、一つの絶対的な正解なんてないし、誰かにとっての冴えたやり方が他の人にとっては役に立たないこともあるだろうけど、その中で他の人がどんな気持ちで、どんな工夫で歩いているのかな、と気になるし、それについて聞いてみたいと思うのである。

という話がありますが、「葛藤」というのはTRPGで比較的お手軽にPLがPCを同一視して、共有した感情を抱けるようにする手段の一つと言って良いです。でまあ、深淵なんかをやる人は多かれ少なかれ「マゾ」の気があると思うのですが(笑)、精神的に自縄自縛な状況にするのを結構楽しんでるところがあると思うので、安直に「葛藤は時間がかかってよろしくない」と言うのは


・楽しんでる人の楽しみを奪う行為である


という自覚はされた方がよろしいかと思います。

--
3.悩む時間の制御
 それはさておき、やはりセッション時間というのは有限なので、いくら悩むにしても限界がありますが、ワシが色々やった結果から言うと以下のような制御をすれば大体悩んでもOKかなあと思います。悩む時間には、上限というか、潮時というか、それ以上悩んでも時間の無駄になる境界がありまして、こんな感じです。

・一人で、脊髄反射的に決断する
 →30秒

・一人でじっくり考えて悩む
 →3~15分

・みんなで話し合って悩みを解消する
 →30分

 30秒カウントダウンは結構使えるので、緊迫した状況の演出に使ってみると面白いです。
 この辺をまともにルール化してるのはエンブリオマシーンくらいですかのう(やれやれ)。

--
4.悩む時間の換算
 ワシは、大体シナリオを作ってれば「ここで悩む人が出るかもしれないんじゃないかなあ」というポイントがわかるんで、それに合わせてセッション時間を換算するんですけど、オンセの場合そういう悩むかもしれないポイントは3時間セッションなら2~3個がいいところだと思います。戦闘するとすごい時間がかかるんですけど、悩むポイントの2倍くらいの時間換算にすると良さげでしょうか。

 1個悩むポイントがあると消費する時間を「1悩みポイント時間」とすると、戦闘は倍なので1回戦闘があるごとに「2悩みポイント時間」となります。ちなみにこれはりゅうたまという、ものすごく戦闘が軽量で早いシステムの場合なので、他の重量級システムだともっと時間がかかります。シノビガミはかなり軽量なのでクライマックスじゃなければ「2悩みポイント時間」くらいで済みますかねえ。

・1回悩む→1悩みポイント時間
・軽量な戦闘→2悩みポイント時間
・重量級な戦闘→3~6悩みポイント時間?

つーくらいの感じでしょうか。

 戦闘が重量級なシステムだと1セッション丸ごと戦闘とか、2セッション丸ごと戦闘とか大変なことになりますが、葛藤とかで悩むポイントを作ると1セッションで3か所イベントをプレイ出来る感じになります。

 個人的には、短時間オンセの場合、戦闘すると1セッションで1イベントしか体験できんけど、非戦闘イベントのみなセッションだと1セッションで3イベントも体験出来てお得じゃないすか?と思います。一応全PCがそれぞれ活躍できる場面が行き渡るかどうか考慮に入れる必要がありますが~。

--
5.情報が足りなくて悩む件
 「葛藤」で時間がかかるという誤解?について、いちばん大きいと思うのは

・判断材料が足りなくて決断できない

というところだと思います。要するに、悩む当人が悪いんじゃなくて、

・GMの情報の与え方が悪い

ってことね。

 というわけで、情報が足りなくて何をしたらいいかわからず止まってる感じな時は、なるべく情報をどんどんぶっちゃけ出してしまった方が良いと思います。PLが選択をするなら、選択をするのに必要そうな情報全部を。セッションの主題が「葛藤」であるのであれば、そうした方が良いです。主題が「葛藤」以外の場合には、ケースバイケースで対処法が変わります。

--
6.どこで悩むか?
 こんなところが悩みポイントとなると思います。

1)二律背反な状況
 あちらを立てればこちらが立たずというトレードオフな状況。

2)ハイリスクハイリターンな障害に挑む時
 ハイリスクハイリターンな選択があるということは、ローリスクローリターンな選択も同時発生するっていうことです。

3)秘密を明らかにするとき
 秘密を明らかにすることで知った相手に起きる影響について考え始めることがある。

4)被害を受けるのは、親しい自分以外の誰か(特にPCの場合)
 自分の中だけで解決できない場合はコミュニケーション不全に陥って停滞することがあります。

5)証拠がない時
 状況証拠だけだと納得しないことがあるので、決定的情報を出し辛い場合はぶっちゃけるがよろしいかと。

--
7.対処法
1)情報を全部公開する
 とりあえず対処法としては、とにかく判断するのに必要な情報を全部公開することです。GMがそういう情報を持ってるときはGMの判断だけでやればいいんですが、PC同士で隠しごとをしているときはちょっと難しいですかね。該当PLに了承を得て公開するか、別ラインから同じ情報が伝わってきたことにしてそっちから情報を流してしまうか。

 基本的に情報の流れはGMが全部把握してるはずなので、

「もう全部の情報は伝えたんで、これ以上の裏はないよ」

と、宣言して判断材料となる情報は出切った事を明確にすると良いです。

--
2)情報分析をしてPLが理解できてない状況をなくす
 情報が出ればそれだけで良いかというとそんなことはなくて、人によって出た情報の意味がわかってないことがあります。例えば

「このアイテムを使うと敵を倒せるが、代わりにヒロインが死ぬよ」

ということが、情報を分析するとわかるところで、「このアイテムを使うと敵を倒せる」までしか理解してなくて「代わりにヒロインが死ぬよ」という、分析した結果の情報が伝わらないことがあります。

 でまあ、そこまでちゃんと理解できているか、確認した方がよろしいです。理解できてなさそうだったら、わざと悲劇的情報を演出したいとか迷走したいとかそういう運営を目指しているのでなければ、ちゃんと理解できるよう、解説を入れる必要があります。やり方はいろいろあります。自分で考えませう。

--
3)制限時間を明確にする
 情報がすべて明らかになって、もう判断するだけな状況になったら、本当はその瞬間判断できると思うんですけど、悩む人もいます。悩む人がいたらいつまでに決断すべきか、制限時間を明示しましょう。

 ここで、早く決めろ~とせかす人がいるんですけど、基本的にプレッシャーかけてせかすとかえってよけいに時間がかかってしまうことが良くあるので、制限時間を明示したら、その時までは

「放っておく」

のが結局一番効率的かなあと思います。向こうから状況確認の質問とかが来たら、その時は答えて、後は放っておきましょう。

--
4)その間に他のPCの話を進める
 PCが比較敵ばらばらに動いているのであれば、該当PLが考えている間に他の話を進めておく手もあります。



以上、こんなところで。
んじゃまた?
[PR]
by namizusi | 2009-12-22 21:16 | 深淵


<< ぼちぼちTRPG:(・_・) 使わないに越したことはないルー... >>