オレ、深淵が終わったら、次はWローズをやるんだ(死にフラグ)。
--
1.オンセ(チャット)の向き不向き
昔は、オンセサークルで「雑談用チャット」というものがあって、チャットで延々だべってから、さあやりましょうかって感じになってたせいか、チャットで会話してて意思疎通の齟齬に戸惑うことってほとんどなかったように思います。
問題があるとすれば、チャットでキャラプレイにはまり過ぎてPLが人格崩壊するくらい(シャレにならない(笑))。
んが、最近、野良で募集してプレイすると、凄い齟齬を感じる人に遭遇することがしばしばあって、最初にキャラメイクで集まって会話するだけで
「この人とはうまくやってけそうだ!」
「この人とはいまいちかも知れんのう」
というのが、ものの3分くらいで識別できたりします。
この差は、「チャットでも、口語で会話する延長の感覚ですらすら会話できる」という訓練(というか慣れ)が出来てるかどうかによる部分が大きいと思うのですが、オンセサークルの場合は雑談でチャットでしゃべりまくってて、それが自然に出来てたのかなあと。最近はネットゲーでチャットしまくってる人も多いので、そういう人もしゃべれますけど。野良で募集すると、そういう経験が全くない人も来るので、そこでチャットの基本レベルで齟齬が出るのかなあと思ってたりなんかもします。
さて、この、合わなさそうな人と遭遇した場合、その場で参加を断った方が良いのかなあ?とかちょっと思ったり。現状は、どんな人でも受け入れますけど。応募してくれるだけでありがたいので。
どこら辺のポイントで「ダメそう」と感じるかというと
・レスポンスが極度に遅い
・レスポンス自体が無い
・レスポンスの内容が見当はずれで何も考えてなさそう
・戦闘データの会話しかできない
・寝る(笑
という辺りでしょうか。
レスポンスが遅くても、返ってくる内容が生き生きしてればいいんですよ。見当違いの回答が多くても、反応が早くてフォローしてくれればいいんですよ。
問題が一つくらいあっても、それを補う何かがあれば良いんですけど、何にもないと厳しいかなあと。
あともうひとつ重要だと思うのは
「オフセでは、発言しなくても、その場にいるだけで存在感を示すことが出来るが
オンセでは、発言しなければ存在しないものと見なされる」
というところでしょうか。
とにかく、何でも良いのでしゃべれ!っていう感じ。
--
2.(PCではなく)PLの配役と向き不向き
PCの配役ではなくて、PLの配役というのが重要かなあと思うんですけど、で、PCのハンドアウトとかの役割がPLの配役に影響をしていることがある。
・背景世界解説者
例えば深淵の場合、夢占い師、魔法使い系PCって、深淵世界の秘密の情報を獲得できる唯一の立ち位置なので、他のPC&PLに深淵の世界観を語って指針を示すサブマスター的役割もあるんですよね。
・リーダー
まとめ役。
最近プレイさせてもらってるところだと、毎回ダイスでリーダーを決めてたりします。パーティー制の場合、とりあえず何でも良いのでリーダーを決めておくのは良いと思う。
・アタッカー?
とにかく積極的に前に前に話を進めていく人。人から指示されなくても、要件を自分で掘り起こし開拓する人。
・ルール解説者
戦闘などのルールを解説してくれる人。背景世界解説者と兼任になることが多いが、ウォーモンガーなPLの場合には戦闘に特化した情報しか把握してないことがある。あと、ルールはわかってるけど、戦略(ルールをどう実践で生かすか?)はさっぱりわかってない人も良くいる。
・参謀
作戦を考える人。
・情報整理役
情報を整理して、正規化、網羅などを考える人。
・プレイ場所の手配をする人
・キャラ絵を描く人
・お客さん
上記のどれもやらずに参加させていただいてる人。
1人で複数の役割を兼任してることも多いですが、あなたはセッションに参加する時には、どんな役割を担ってますでしょうか?個人的には「お客さん」は、初心者PLだけで勘弁して欲しいw。
--
3.TRPGと文学性
Wローズをプレイするにあたって、とりあえず、掲示板セッションが一番向いてるんじゃないかと思ってます。あと、障害が発生して判定ルールでクリアしてく、という考え方自体を根本的に見直す必要があると思っている。その場合
・いちゃもんをつける
→設定を継ぎ足して、解説し直したらそれで卓見解として成立
→それ以上のいちゃもんは不可
という感じで、基本ラインは
・言ったもん勝ち
そもそも「判定ルール」って、
・卓上のPLの主張を否定するために存在する
という機能があって、
・一切否定しない
という思考にパラダイムシフトする必要がある。昔掲示板セッションをやって、馴染めんなあ、と思ったところだが、そろそろそこにチャレンジしてみても良いかなと。否定を否定する、ブレーンストーミングの、どんどん継ぎ足すカオスな世界でセッションを構築しようとする試みっていうか。りゅうたまの「街づくり」をやってると、それはそれで回るんだよね。Wローズだと
・地図の抽象化マップ
・「混沌を駆除するという物語形式」
という雛型があって、その中身を埋めていくプレイになるんだけど、それは街づくりシートで、町の諸要素(町の名前とか特産品とか)を埋めていくプレイと同じと思っている。
--
あと、プレイ形式の文学性という観点で
メールセッション=掲示板セッション
>Twitter
>テキストチャット
>密書書きまくりセッション(トラブルエイリアンず)
>skype
>会話による普通のセッション
て感じかのう。
テキスト表現で特筆すべきポイントの一つとしては
「リフレインの明示化」
というのがある。例えば、アニメ版「時をかける少女」で、カラオケボックスを何ループも繰り返すプレイがあるんだけど、あれって、テキストチャットなら、コピペすれば一発で済む話なんだけど、口でしゃべって表現すると
「同じものが繰り返されている」
というのを認識させるのが難しい。
(同じ繰り返しを示す道標をいくつか配置すれば可能ではあるが)
--
それから、通常のセッションでのコミュニケーションでは
・発言全体を拾う
・ポイントとなるネタを拾う
というレベルで終わるが、Wローズでは
・発言を単語に解体して、単語の集まりとして拾う
・単語自体をさらに解体して別の単語に置換して拾う
という所まで穿つことが出来るのが面白いと思う。
--
日本の文化で
・ダジャレ
ってあるんだけど、化け物が出てくる話で
・口のない女
が出てきて何だろう?と突き詰めたら
・写経の文面で「如」の字を「女」に書き間違っていた
という落ちになるという話があって、そういうのはWローズで普通に遊べるなあと。
言葉遊び的ゲームを入れると良いんじゃないかと。門倉先生GMの「アヤカシ」のリプレイがR&Lで出てましたが、あれも言葉遊びしてました。
--
4.緩急の緩
というのがストーリ構成上必要だと思うのだが、先日分析したシナリオにはその要素が無くて、プレイングに頼ってるなあと。
で、起承転結の構成だと緩急の緩を入れてる余裕がないので、もう少し細かく分割する必要があるが、この話は某所で聞いた話でお金を取って解説する類のノウハウなので非公開とする(笑)。
とりあえず、何をやる場面かというと
・恋愛する
・自分語りする
・内省する
そういう場面が、視聴者の休憩のためにも、感情移入を深めるために必要。
システマチックに出来るが、しかし現状、それをどこでどう入れるかという指針がどこにも公開されてない(笑。
--
5.ストーリーのパターン
シナリオクラフトなんかが明示化してるんだけど、あれってまあ、パターンをわかってプレイしてる人から見ると
・ああ、こうやって明確化してあげないと、わからん人にはわからんのだ(超上から目線)
て感じだったりします。
だから、FEAR社のシステムって昔から
・既存のテクニックを明示化しただけで、すでにわかってプレイしてる人にとっては新しい要素は何もない。
て感じなのですが、シナリオクラフトも一緒だなあってところはあります。
んが、そこらへんが見えん人ともイメージを共有して遊べるようになったのはそれはそれで良い。
--
それはさておき最近
・項羽と劉邦
の話を観たり、自分が昔作った「鬼」というシナリオを再プレイして思ったのは、いまどきストーリーと言ったら、ハリウッド映画的構成が主流で、やたらめったらなんでもハリウッド映画文法なんですけど、マトリックス3部作がしょぼいことになって、あのパターンの限界を見た気がしますが、項羽と劉邦とかストーリー構成のパターンが、かなり違ってて面白い、っていうところです。
群像劇で、悲劇……というか、一代記というか。
ジャンプの文法の
・少年が成長して大いなる偉業を成し遂げた
→そしてまた新たなる敵が現れる。俺たちの冒険はまだ始まったばかりだ!(完)
っていう、最盛期で物語をぶった切って終わる話がいまどきの主流なんですけど、アーサー王伝説とか、シェークスピアの悲劇ものとか、ギリシャ悲劇とか、日本人の大好きな悲劇系特攻系の話というのは、最盛期で話を終わらずに、その後没落していくところまで描く。いったんは英雄になった者が、ただの人間として滅びを迎えることを描くことで、自分とは異なる偉人も、結局自分と地続きの人間だったのだ、というのを再確認する物語形式なんですけど、これもパターンなので。いったん整理してみたいと。あと、上で書いた「緩急の緩」も、構成としてきちんと入れて見せてみようかと。
前のめりに最盛期の時点で終わる場合には、敗北しないのであれば、そういう部分を飛ばしても勢いで乗り越えられるときがありますが、最後に滅んで終わるような悲劇傾向の形式の話の場合には、内省する局面がないと話にならないところがあるんで、明確にしてみようと思います。
TRPG向けとしては、群像劇の方が本来向いてると思うんですけどね。
--
6.ストーリーの重点
FEAR社のシステムのシナリオとかで、PC1のストーリーをメインに考えるのでPC1のイベントは充実するけどPC2~PC5のイベントはおざなり(酷い時はPC5単独のシーンがオープニングしかなかったり)という状況があったりして、それはイケてないんじゃない?というところがあったりなんかしたのだが。
よくあるストーリー作成の解説本だと主人公(1人)の始点で話を作るやり方は書いてるけど、群像劇の書き方は難しいのでやらなかったりして、それに従うとPC1の話だけは立派だけど、ほかの人は投げっぱなしとかになっちゃうのかなあと。
僕の場合
・PC1はハンドアウトとかでものすごく強烈な動機付けをするので、ほうかっておいても勝手に動けるだろう、と考えて最終局面まで、基本は放置
・PC2~PC5(PC5なんて大勢のセッションはあんまりやらんけど)の方は、動機付けが弱いので、フォローのシーンとかイベントを充実させる
という作り方をするので、方向性が正反対だなあと。
んで思うにPC1のストーリーに集中して他PCはそこに茶々入れする形でストーリーを考えるのであれば、個別に導入する必要がないんじゃないかという。PC1の導入を見せれば、それだけで他PCの茶々入れの動機付けもできちゃうよね。
つーことで、PC1人のストーリーをメインにシナリオを組み立てるなら導入部もシーン数や時間を省力化できるんじゃないかと。構成としては
1)PC1の導入をやる
2)PC1の導入の最後で、「~というような事情があったのだが、君はこんな感じでアプローチするように」と言って他PCの回答を一言ずつ入れて終了、合計1シーンでやりきってしまう
とかいう感じで行けるかと。
シーンを減らせ減らせ言うのは、減らせば減らしただけGMの負担が楽になるのでしつこく言うのですが。とにかく20シーンもあるシナリオってもう、細部を考え出すと作るのが超めんどくさくてたまらんのよ。
--
7.シナリオクラフトの手間
最新のGF誌で、シナリオクラフトをやると手軽にセッションできるとか書いてあったけど
・全然手軽じゃねー!(笑
と、割と受けたのだが、結局ラスボスの設定とか、設定項目が結構いっぱいあって、手間隙かかるんすよ。それがセッション前の準備でやってたのが、セッション中に考えるようになっただけのことで。
そういうのを考えること自体が楽しいのは楽しいと思うんですが、「手軽」とはちょっと違うんじゃないかと。
何にも考えなくても、ランダマイザでダイスを振るだけでセッションに必要な設定が全部できちゃうのが「手軽」って言わんすかね。
そんなことを思ったり。
そんなところで。