図読のススメ:(・_・)

http://www.bk1.jp/product/03295280

 最近何かと話題のドラッカーですが、期せずして? 来年度はドラッカーの理論などをテーマにした「現代マネジメント学部」などが、世界各地で同時開講されて、今後の世界を乗り切るために「マネジメント」の知識のある人材育成が推進されていくようです。……という時事話はさておき、「誰も、ドラッカーのマネジメントの理論を理解してないからこそ注目されるのでは」というのが、TRPG関連の記事でたびたび注目されることがあるのと似てるなあと思い……というのをちゃんと整理すると

・時流に乗った注目キーワードを話題にしている
・何だか革新的な提言をしているかのように見えるが、実は全体として何を言ってるのかよくわからない

という時に、いろいろ話題に上るようになるという現象が発生し、そういった興味深い話題がせっかく出たところで「書き方が悪い」とか、あほな潰し方をするのは実にもったいないし、読み方が良くない。じゃあ、どういう読み方をするのが良いのであろうか? という懸案について、上記本が非常に参考になったので、参考になったポイントを書き出してみます。

 また、

「コミュニケーションで、まず、最も重要なのは『聞き方』」

という話があったりしますが、各種コンテンツなどを出してWeb2.0的にネット上でのコミュニケーションをする場合も

「Web2.0的コミュニケーションで、まず、最も重要なのは『コンテンツの読み方』」

と言えるかなあってことで、『コンテンツの読み方』の参考にでもなれば。



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1.図読をすれば理解が深まる
 http://d.hatena.ne.jp/koutyalemon/20100826
 http://blog.talerpg.net/rpg/archives/1798

 この辺なんか非常に良い感じですねえ~。素晴らしい。
 図解するメリットとしては

・図を作ろうとすることで作成者当人の思考が整理される

・理解が深まる(図解した当人の)
 →図を使って考えることが出来るようになる
  →疑問点や、反論が出てくる

・思考がクリアになる(図解した当人の)
 →現状の自分の理解の度合いを測れる
  ・疑問 まだ何かわからない部分がある
  ・理解 一通り図が繋がって筋が通った
  ・反論 相手の論を踏まえた上で、自分なら、ここはこうするという別の案が出てくる

ほかに

・他の人に思考を伝えやすい(図のルールが分かれば)

というところもあると思います。

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2.理解しようとするときの心構え
・「私はこう理解した」でOK

引用)
「著者が書いている通りの論理や順序に忠実に従って、本を読まなければならないという強迫観念は捨て去りましょう。」


 非常に重要と思います。
 他の人に講習とかで「***の理論について」解説する場合は、ある程度厳密にやる必要がありますが、Web上のコンテンツ間のコミュニケーションとして、紹介する場合は

・厳密にはどうなの?
・本文を見ませう。→リンクを張って、元のコンテンツを参照

で、十分ですので。自分のところの文書は「自分はこう理解した」で十分。

 でまあ、こうやって知識が伝播するところでだんだん認識のずれが発生して行きますが、そうやって蓄積された「集合知」全体としては「大体正しくなる」のが経験剣的に実証されてきてるので、大体信頼して良いかと思います(数値とかは別ですが)。

 例えば、馬場理論の話でも、あれは「TRPGシステムの持つ本来のゲーム的面白さをTRPGという活動の中に復興しよう」という主張としては非常に良かったと思うのですが、キャラプレイに対する否定的見解についてはどうだかという反応が良くあって、結果としてTRPG界全体としては、キャラプレイや演技について

・ルール処理とキャラプレイの共存を図る(テクニック)
・演技自体をルールで評価する(ロールプレイ支援システムとか)
・ロールプレイする場面と、厳密にルール処理する場面をルール上明確に区別するようにする(エンブリオマシンとかKAMUIとかバトルギアみたいなシミュレーション系TRPGで顕著)

……という感じに上手く消化されたのは、「集合知」による適正な補正が叶った結果かなあと思ったりなんかします。で、その結果は元の論の主張と違ったものになっていますが、それで良い。

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3.理解の段階について
 この本に書いてあった話か忘れたのですが、段階があるのでメモっておきます。

1)全体をざっと見て、何となくわかったような気になる段階
2)理解したものを実際にどこかに適用してみて、より理解が深まる段階
3)適用した結果、別の問題点を発見し、それに対する改善などを考える段階

 3)まで行って、やっと本当にちゃんと理解したと言えるかなあと。わしはいつもやってますよね(えらそう(笑))。

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4.ドラッカーの提言等で参考になったところ
 ドラッカーの理論や提言自体も非常に深い洞察に基づいたものでとても参考になったのであげておきます。

・全会一致のときは、決議しない
・決議しやすい案が、良い案とは限らない

 反論がない「案」というのは「選択肢がない」「問題点の検証がしっかり行われない」という問題があり、危険であるという提言です。「決議しやすい案」を出すと、全会一致になりやすいんですけど、それは必ずしも良い案とは限らない。多数決で投票する場合、2番目に人気がある候補が圧倒的多数の票を得て当選することがありますが、これは必ずしも良い案とは限らない。

 先日、体験した仮講義だと

課題:商店街に1店舗スペースを譲渡されて、そこに出店したいという要望が来たが、あなたならどの店にスペースを貸しますか?

・託児所→レンタル料最低
・コンビニ
・キャバクラ→レンタル料最高
・塾
・政治事務所

という5つの候補があり、これに優先順位を付けるという課題があったんですけど、この場合

・コンビニ

が、一番「決議しやすい案」になりました。確かに当たり障りがない案で、可もなく不可もなく、合意を取りやすい。

 しかしこれが良い案とは限らなくて、僕の場合「託児所」が一番良いと思うんですけど、何でかというと、最近の大規模百貨店って、もう何でも揃ってて、ありとあらゆる買い物はもちろん、食事をするところも大量に各種揃っており、子供が遊べる託児スペースももちろんあり、映画や遊園地などのアミューズメントスペースまであって、「その日1日、その百貨店に遊びに行こうか」という規模のものになってたりします。「そこにいるだけで生きていける」生活空間を形成してしまっている。「買い物だけする場所」ではなく「生活できる、1日遊んで暮らせる場所」になってるんですよね。

 で、いまどきの「商店街」って、これに対抗しないといかんわけで、対抗できないところはそこらじゅうで閉店の憂き目に遭ってます。じゃあどうすればいいかというと「商店街全体を買い物だけじゃない、生活空間にする」というのが一つの案かなあと思っており、そのために必須で(特に主婦にとって)、かつ安くて誰も手を付けなさそうな「託児所」を入れれば「商店街全体を一つの生活空間にする」という理想に一歩近づくんじゃないかと。

 実際、地方都市の寂れた商店街なんかに行くとコンビニだけが煌々と明かりを灯してそれなりに客が入ってるのに、周りの店はシャッターを閉めてしまった店ばかり、という寂しい商店街を見ることが余りにも多くてだなあ。

 ……というような、人を説得できるような筋道に則った選択こそが「ベスト」となり得る、という話だと思います。

 TRPGのセッションで、何かいろいろ話し合う場面がありますが、そういう時も「賛同を得られやすい案」よりも「反論が出る可能性はあるが、“大義”のあるより良い案」を導けた時の方が達成感が得られるように感じます。例えば「PC同士がヒロインを取り合う」というシナリオで

・結局誰もヒロインとくっつかずに、うやむやに和やかに終わる

というエンドが、セッション参加者にとっては賛同を得られやすいですが

・PC1とPC2が熱いバトルをして、勝利したPC2がヒロインを勝ち取る(もちろん、PC1の方は負けに納得した上で)

という方が、熱くて充実感のあるエンドになるかと。なるなあ。

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・反論が出てくる案を敢えて提示する
 反論が出てくる案を(反論が出てくるとわかっていながら)敢えて提示する、というやり方もあるそうです……僕は、いつもやってる気がするぞ(笑)。その案が最終的に通るかどうかよりも

・問題点を提議し、議論を活性化する
・議論して問題点の対策も良く考慮した上で、よく吟味された適正な対策案を立てる

という「問題が起きた時にも耐性が高い案を確立する」ために有効と思います。

 TRPGでも、何か覚悟の要る強い案を通して確立するために、あえて反論する「憎まれ役」を議論上プレイすることがあります。昔やったプレイだと

・魔族の幼い子供(人間のように見える)をPCたちが助けるかどうか?

という課題で、

・助ければ、魔族に対する差別のとばっちりを受けることになる
・魔族としての力に目覚めた時に、助けたその子自身に自分らが酷い目にあわされる危険がある

という課題を「憎まれ役」があぶり出したところで

「それでも助けるんだ」

と、最終的に決意したときは

「そのプレイは超かっちょええ~~~」

と、思ったものです。


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などなど、いろいろためになる本でした。

TRPGって、仮想現実を扱うので、理論があっても実践って難しいんですけど、TRPGの仮想現実上ならいくらでも実践できるんで、そこが良いところだと思います。で、現実に同じようなことが起きた時の心構えも出来ますし。

んじゃま、JGCに行ってきますわ。
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by namizusi | 2010-09-03 12:50 | TRPG


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