PCにも休息をくれ!:(・_・)

 ストーリー志向の話の続きで中盤部の制御について解説します。序破急の破?三幕八場の第二幕、三~六場の管理について。

 中盤部はストーリー志向的には大まかに二つのポイントがありますが、本論の主張としてはそのポイントのうちの一つである

PCにも休息をくれ!

というところを強調しておきたい。



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1.中盤の構成(ハリウッド版)
 基本的な構成は

1)事件
2)事件
3)休息
4)事件

という感じになります。ポイントの一つは「3)休息」で、2時間映画だと

「開始して60分を超えた辺りで、唐突に主人公とヒロインがセックスを始める」

とか(マトリクス2とかターミネーターとか)そんな感じになります(笑)。スターウォーズ(エピソード4)の場合は、対象年齢が低いせいか

「ヨーダ先生と会って修行」

になってましたかね。あーマトリクス2は意味付けがちょっと違ったからタイミングも違ってたかね。

 まあ、必ずしもこの順番通りやらなくちゃならないとは思わないんですけど、体感的に

・序盤の元気なうちはガンガンイベントを叩き込む
・後半の疲れてきたところで休息を入れる

という感じがちょうどいいかなあと思います。3)か4)の辺りに休息を入れる感じ。

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2.休息の効果
 休息を入れる効果としては下記があります。

・主人公の「内面的物語」が進行する
・物語の視聴者もいい加減ここら辺で疲れてきてるので、ほっと一息を突くことが出来る。TRPGの場合はプレイしてるので、観てるだけよりもさらに疲労度は大きいから効果的。
・休息をとることでキャラクターの「人間らしさ」を感じることが出来る
・緊張した場面とは違うゆるいシチュエーションに置くことで、キャラクターの別の側面が見えることがある

 こんな感じに、休息を入れることでキャラクターに対する認識に「奥行き」が出るようになります。

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3.休息の例
 本論で言ってる「休息」というのは文字通り休むということだけを指すのではなくて、修行するとか、セックスするとか(しつこい(笑))その他さまざまな、内省的な、緩急の「緩」のシークエンスを指しています。場面の時間の長さも、1日休む、何週間、何カ月も休む~という長いものから「控室からでリングに上がるまでの30秒間」というようなごく短い時間でも構いません。

 前に何度か言っていた「モチベーションを再確認する場面」なんかをやると良いかと思います。

 シーン制とかのシステムだと「舞台裏」という概念がありますが、「舞台裏」を表に持ってきて、ふと気の抜いたプレイを入れるようなそんな感じですかね。

・時間の長さ
 ・一瞬から無限大までの適当な幅

・休息の例
 ・突然休暇が取れてしまった
 ・とりあえず海(山)に行くことになった
 ・控室からでリングに上がるまでの30秒間
 ・セックスする(しつこい(笑))
 ・デートする
 ・ピクニックに行く
 ・カラオケに行く
 ・食事をする
 ・目と目が見つめ合って視線を外すまでの間
 ・白昼夢
 ・久々に実家に帰ってきた
 ・田舎に帰ってきた
 ・キャラクター同士が身の上話をする
 ・将来の夢について語り合う
 etc...

 シリーズもののアニメだと、休息というかギャグな回というのを適度に混ぜてきますよね。とりあえず水着で海(プール)な回とか(定番)。そういうのもキャラクターへの親しみを強化するのに有効です。

 で、この局面て「舞台裏」っていう感じが強くて、だからDX3でこういう主旨のシーンを作って、PCが登場したら浸食率が上昇するのは、感覚的におかしい感じがします。何だろう。「舞台裏」って基本的に見せないんだけど、ちょっとだけちらっと見せることで親近感を沸かせるとか、「ああ、こいつも人間なんやなあ」と、ほっとさせるとか、演出としてそういう裏側をちょっと見せる感じでしょうか。

 同様にひたすら増加ばかりして回復しないリソースとしてクトゥルフ神話TRPGの「正気度」というものがありますが、あれって

・回復しない

・(主に)セッション終了時に回復する

・英雄的アクションとかで回復出来る

て感じに変遷しています。単調増加よりも多少、パラメータの揺り戻しがある方が展開のメリハリが出るというか。その分バランス調整が難しくなるかも知れんですけど。ハンターズムーンなんかも、ひたすらアクション・アクション続きで気が休まる暇がなかったりするんで、ちょっとくらいシステム的に「間」を入れる猶予があった方が、話のメリハリも付いて良いんじゃないかと思ってたりなんかしますが。

 そんな感じに、システム面でもパラメータを揺り戻す手番が出来るようになると、ストーリーのメリハリを付けやすくなるかと思います。

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4.昨今のセッションで起こりがちな問題
 旧来のシステムだとPCもルール的に疲労したので、システム上やむを得ずというか必然的に休息する局面が発生していました。セッションの高速化の波で「場面が変わると全快している」というルールなんかが採用されることが多くなって、いまどきは

「意識して休息の場面を作らないと
 PCは最初から最後まで出ずっぱりで休む暇もない」
 →話のメリハリが弱くなる

という問題?が発生しています。プレイして事件にいろいろ遭遇していると、PLの心情的にも、いろいろ降り積もってくるものがあるんですが(今回のミッションへの不満とか、強い想いとか、他のPC/PLに対する感情とかetc...)、そういうのを吐きだす場面が作れると、キャラクターのより人間らしい側面を見ることが出来て感情移入も深まります。しかし、そういう休息の局面が端折られるシステム/環境が多いなあと思います。

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5.システムを生かして休息を演出する
 休息場面をフォローしてゲーム上の世界の「リアリティ」を補足するルールは結構いっぱいあります。

・PCが疲労するシステム
 疲労するというか、回復し辛いシステムなんかの場合は自然に「この先に行くには、いったんここで休むしかないなあ」という局面が発生します。これを利用しましょう。

・余暇ルール
 休息が明示的にルール化されてるシステムもあります。ブルーローズネクサスの「余暇」とか。りゅうたまのランダムイベントのルールもランダムで振ると「***について会話する」という余暇的イベントが適当に入ってたりします。あとまあ、日常的イベントをランダム生成するチャートが付いてるシステムなんかも使えます。Fローズの経歴表とか、フレイムギアのNPCイベントとか。

・明確に休息する局面がルールになってるもの
 KAMUIなんかは中間部にアドベンチャーパートが入ってるので、そこが使えます。セイクリッドドラグーンのクライマックス戦闘前の休息のエリアなんかもそんな感じですか。

・夢歩き
 深淵の夢歩きは、いつでもどこでも時間を超越して休息場面を混ぜてメリハリをつけることが出来ます。



 中盤部の制御として「テンションのコントロール」についても書きたかったんですけど、長くなってしまったので今回はこれまでとします。

 個人的には、僕がプレイする時はキャラクターって、みんな

「ゲーム内世界の中で生きている」

と思ってプレイしてます。そうすると、たまには「疲れた。休みたい!」とか、これまでのことについていろいろ愚痴愚痴言い出すとか、そういうこともあると思います。というか、そういう局面もあって、やっと「キャラクターが生きてる感じがする」かなあと。



 そんな感じで、次は中盤部の「テンションのコントロール」について書く予定です。
 んでわ。
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by namizusi | 2010-09-17 22:03 | TRPG


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