クトゥルフ神話TRPG導入前に、RHDを勧める10の理由:(・_・)

 最近「クトゥルフ神話TRPGをやってみたい」という人をよく見ますが、
 →ルールブックが高い!
 →シナリオを作るのが難しい
 →いきなり発狂とか死亡とか厳しい
 →そもそもTRPGってわからない
 ……という人向けに、とりあえず「TRPGって何?」を簡単に体験してもらうシステムとして

・「RHD(ラビットホール・ドロップス)」
 ラビットホール・ドロップス オフィシャルサポートページ

が、とても相性が良いと思っており(個人的に)。

そこんところの解説をば。



--


1.背景
 以前、クトゥルフ神話TRPGが流行りだした頃に(動画とかアニメとか)、いきなりクトゥルフ神話TRPGをやるのは難しげなので、代わりに導入に使える初心者向けTRPGはないですかと言われたときに

・「クトゥルフ神話TRPG」は初心者OKなのでそのままやるが良い
・紹介者が慣れたシステムで良いんじゃね?

 的結論になったという話がありました。要するに、ぶっちゃけ

・「クトゥルフ神話TRPG」の事前導入に使える初心者向けなシステムはなかった(当時)

 という、当時のTRPG業界の偏った状況を如実に反映していたわけです。

 そこで、その後現れた「RHD(ラビットホール・ドロップス)」が良いよ! と。

--
2.ノウハウの断絶
 なぜ、「クトゥルフ神話TRPG」の事前導入に使える初心者向けなシステムはなかった(当時)のかと言えば、「ノウハウの断絶」があったからです。

TRPGシステム関連図

 なんか見るとよくわかりますが、「クトゥルフ神話TRPG」って、昨今の流行ってるシステムと比べると関係性が独立しています。昨今主流のTRPGと根本的にプレイの思想が違うところがある。

 いちおうTRPG業界でも「クトゥルフ神話TRPG」的面白さを継承していこうとあがいてるシステムは、かつてありました。

・ゴーストハンターRPG(絶版)
・秘神大作戦(絶版)
・霊障都市新宿(マイナー)
・ブルー・ローズ・ネクサス(マイナー)

辺りでしょうか。……いちおうマイナーだけど細々ありますね(しくしく)。
「ゴーストハンターRPG」は近々刷新版が出る旨がアナウンスされておりました。本当に出ると良いですね!(迫真)

--
 話は変わりますが「クトゥルフ神話TRPG」的面白さには下記があると思います。

・『恐怖』(ドキドキする)
・『謎解き』(情報収集)

・『恐怖』
 ……演出としての『恐怖』を表現するためには

「キャラクターは弱くなくてはなりません」

。しかし、昨今の「俺強ぇぇぇぇぇ!」増長系システムだと、強いので、恐れるモノはないので、『恐怖』を疑似体験するのが困難になっている。(ハンタムとかのガチ戦闘系は多少できていて「ホラー」を謳ってます)

・『謎解き』
 ……PLが頭を使って情報を集め、謎を解き明かしていく、そこの面白さを残したシステムが減りました。情報収集はあくまで、GMの自己満足中二病的背景設定を垂れ流すだけの儀式と成り下がり、ただの演出となり、そこに謎を解くという知的楽しみは喪失された。まあ、人間ドラマを主にして、謎解きはサプライズをもたらすフレーバー扱いという楽しみ方もありだと思います。そういうのも好きです。
 しかし、そうではない楽しみ方も存在して、それもとても面白かったのです。しかし、プレイの難易度が高いという障害があって、廃れて行ってしまいました。そんなことがありました。
(それでも、粛々とサプリメントを提供し続けてこられたHJ社様には本当に頭が下がります)

--
3.そこでRHDの出番
 ……つーわけで、クトゥルフ神話TRPGと比較的思想が近く、初心者向けの軽いシステムとして「RHD(ラビットホール・ドロップス)」が良いかな、と考えるわけです。以下、お勧めするポイントを列挙していきます。

3-1.RHDとクトゥルフ神話TRPGの類似点
 ここが似てるので、同じような感覚で遊べるよんというポイントを示します。

理由1:非戦闘系TRPGである
 「戦わずに問題解決できるならその方が望ましい」
 「戦う必要があるかどうかを、まず考えてプレイする」
 「どうしようもなければやむを得ず戦闘することもある」
 ……という具合にシナリオ上の「障害(ミッション)」に対するスタンスが似ているので、同じような感覚で遊べます。

--
理由2:情報が命
 クトゥルフ神話TRPGでは「未知の敵」と相対するのが基本となりますので、事前に情報を得るのが極めて重要となります(適切な対処方法を考えるためにも)。

 RHDでは、PC(騎士を除く)の特殊能力は

・適切な能力を使えば、基本的に一撃で問題解決することができる
・「適切な能力」が何かを把握するため、情報収集が極めて重要

という感じで、こちらも「情報収集」が重要となります。

--
理由3:最終決戦は一撃必殺
 『RHDでは和気藹々と会話するプレイなんて無理!?』

とかいう感想を見たことがありますが、それはRHDというシステムを全く理解していないという認識です。RHDのPCの特殊能力は、

・適切に使えば一撃で問題解決できる

という威力を持っています。

 例えば、「旅芸人」の「ズバリ質問」。これは質問したら相手に何でも正直に話をさせることができる特殊能力です。これ自体が情報収集能力として優秀ですけれども、

・何か悪いことをした犯人に、自白させる
・好きな人に告白できないという悩みを抱えた人に、告白をさせる

 ……というような状況であれば、「ズバリ質問」の能力で一発で問題解決できる。
 ただし「適切に使」う、ためには、情報が必要で、情報を引き出すためには「会話」が必要です。RHDでの会話というのは「一発で問題解決するにはどういう能力を、どんな風に使えば一発で解決できるか」を探り出すための極めて高度な情報戦なのです(マテw)。

 「クトゥルフ神話TRPG」も、神話生物とガチでやり合って勝つというのはわりと考えづらい(能力的に何とか勝てそうでも、事前のSANチェックで無力化される危険もあるので、かなり困難)。その代わりに

・封印する
・一撃で倒せる特殊アイテムを使う

というような手段を準備して(情報収集すればそれが判明するようにして)、直接対決するよりも、一撃無力化を狙うようなプレイが多いです。

 というわけで


・情報を集める
・弱点とか対処法を見つけて一撃解決


というプレイイメージが、「クトゥルフ神話TRPG」「RHD」で共通しているので、同じ感覚で遊べます。

※補足1:
 これに近いイメージとして

・「HP16のドラゴン

というものがあります。クトゥルフ神話TRPGや、RHDは、元々このプレイイメージのシステムなのです。

※補足2:
 TRPGというのは元々

・HPを削って積み上げていく処理系
・正解すれば1発クリアできる。情報重要

という二つのゲームを1個のパッケージにまとめて、メリハリを持たせた遊びかなあという(個人的感想)。

--
理由4:マップ基準で行動を考える
 クトゥルフ神話TRPGでは、

・マップ(街・建物・豪華客船・洞窟・世界地図etc...)

を提示して『どこを調査します?』と言って、マップ上の各地を訪れて探索するようなプレイが多いです。RHDの場合は「シナリオアート」=マップで、そのまんまですな。

--
理由5:下方判定
 クトゥルフ神話TRPGも、RHDも、サイコロを振って能力以下が出れば、判定成功という処理方式になっています。上方判定と下方判定のどちらが良いか、というのはどちらも一長一短あるのですが、下方判定の特徴としては

・成功確率が読み取りやすく、判定のバランスが非常に安定している
・キャラクターが「人間だけ」とか、スケールの差の少ない判定系に向いている
・対抗判定のフォローは薄め

 という感じですかね。

--
理由5.5:口プロレス的、状況による修正値の考え方が同じ
 上記の補足ですが、あと、クトゥルフ神話TRPGだと、

・状況による修正値 -40、-20、+20、+40くらい

というくらいな感じですが、RHDだと

・状況による修正値 -2、-1、+1、+2くらい

つー感じで、口プロレスで修正値を得る感覚は同じ。

--
理由6:ルール処理がアバウトである(笑)
 基本の処理は決まってるんですけど、戦闘中の移動とか距離感とか、修正とか、かなりどんぶり勘定で適当だったりします。基本判定システムがかっちりしてれば、それでもざっくばらんに回るのよw。
 例えば「距離」の概念であれば

・クトゥルフ神話TRPG
 近接距離/近距離(射撃)/中距離(射撃)/遠距離(射撃)

・RHD
 近接距離/射撃距離

という感じに、非常にざっくばらんに処理します。「クトゥルフ神話TRPG」の方が「銃器」がメインになるためやや、細かいという程度。

--
3-2.RHDがクトゥルフ神話TRPGよりも易しい点
 RHDがクトゥルフ神話TRPGよりも、比較的気軽にプレイできて初心者に優しい点を挙げます。

--
理由7:「死亡」「発狂」がない
 初心者だとPCに過剰に感情移入しちゃって帰ってこれなくなる人もいるので、「死亡」「発狂」がない方が、とりあえず安心かなあと。

--
理由8:何度でもリトライできる
 「死亡」がないので時間が許す限り何度でもリトライできます。クトゥルフ神話TRPGは、死亡したら終わりだし、発狂したら半年帰ってこれないとかありますので。シビア。

--
理由9:六面ダイスで遊べる
 一〇面ダイスって、地方では入手困難で、しかも値段が高い。
 一〇面ダイスを10個や20個も使うシステムなんかだと、ダイスの値段だけでルールブックよりも高く付いてしまったりして、結構敷居が高い。
 六面ダイスなら、文房具屋やコンビニでも売ってる、麻雀の備品として入手できる、数も揃えやすいということで、オフで遊ぶ場合にTRPGに慣れ親しんでいない、片田舎の人間でもサクッと遊びやすい。

--
理由10:無料で遊べる
・公式サイト
 ラビットホール・ドロップス オフィシャルサポートページ

 RHDは公式サイトでルールが無料配布されてますので、お金を払わなくても遊べます。
 (6/21時点では修正のため公開停止)

 「クトゥルフ神話TRPG」は、買うとかなり高額なので、ちょっと入手に勇気が要りますかね。(資料本として面白いので、そう思って購入されるのであれば、それはそれで良いと思いますが)

 TRPGを初めて遊ぼうとするときに最も大きいリスクは

・つい買ってしまったけど、周りに遊んでくれる人がいなくて、本棚の肥やしになった

という事態です。いやまあ、ワシみたいに「まあ、コレクターですから。ははん(目をグルグルさせながら」つー人生踏み外した人には関係ない話ですが(シクシク)。

 これから新たに、TRPGという遊びに、わくわく胸を高鳴らせて挑戦したいという人が、のちのちTRPGを遊び続けられるように、最初の、そういう挫折やリスクを極力減らしたい。

 そのためには、とりあえずお試しで、無料で、遊べる環境が是非欲しいと思っています。

 RHDは、

・無料で公開されている
・データが少なくて取っつきやすい

 ……という点で初心者が、お試しで遊んでみるのにうってつけ。かつ、最近流行っている「クトゥルフ神話TRPG」とプレイイメージが近くて、感覚をつかみやすいという点でお勧めと思っております。

--
4.RHDをより「クトゥルフ神話TRPG」っぽくする
 RHDを「クトゥルフ神話TRPG」っぽくするためのアイデアメモです。
 やっぱり「怖い!」という体験をしたかったらRHDでは、物足りないので、そんなときはルール拡張しましょう。ルールが軽量だと改造もしやすいのが良いところです。そのうちローカルルールを公開するかも知れません(個人的に)。

・恐怖判定ルールを作る(「勇気」の判定?)
・恐怖判定失敗したら、HPかMPを減らして、0になったら気絶にする。
・通常の防御点は効かない。護符などを持つと、対恐怖判定用の防具扱い。
・「恐怖もの(旧オカルト系)」には、「ヒロインが恐怖の存在に遭遇して気絶すると、なぜか無事助かる」というお約束があるので、この運用がそのままHP0で気絶のルールと同じ扱いで行ける

--
・補足
 その他類似点。

・クトゥルフ神話TRPGの能力値判定系がRHDと似ている
 「幸運ロール」→「幸運」
 「アイデアロール」→「知恵」
 「SANチェック」→「勇気」
 「APP判定」「信用」→「優しさ」

・単発シナリオ系(キャンペーンとかあまりやらない感じ)



そんなところで。
[PR]
by namizusi | 2012-06-21 21:46 | TRPG


<< (私的)TRPGの情報収集の面... シナリオ形式継承関係分析:(・_・) >>