ラビットホール・ドロップスでわかる非戦闘的問題解決技法(2):(・_・)

 「ラビットホール・ドロップス(以下RHD)」というシステムからわかる、TRPGにおける非戦闘的問題解決技法について解説します(第二回)。

 前回は下記のような話をしました。

・「ポイント積上げ方式」による非戦闘的問題解決は、非常にレアなケースを扱ったものであり、一般的な非戦闘的問題解決技法とは言いがたい
・対立する非戦闘的問題解決方式として「発想力方式」というものを提示する→RHDで提示されているものはこれである
・RHDで提示されている非戦闘的問題解決手段は下記の19個ある
 (以下、まとめて言うときは「RHDの19コマンド」と呼ぶことにする)
 1)戦わない(味方を守る)
 2)力を鼓舞する
 3)名人芸
 4)話を聞く
 5)はげます
 6)お願いする
 7)物持ち
 8)取引
 9)魔法
 10)師匠
 11)小さい
 12)魔女の使途と話ができる
 13)沈黙の言葉
 14)一刀両断
 15)変装
 16)幸運
 17)予言
 18)癒やし
 19)ぬくもり

 今回は、セッション全体として、上記19個の非戦闘的問題解決手段をどう使って問題解決していくかという、セッションの動かし方のモデルを解説したいのですが、その前に「脳内当てゲームの面白さ」の解説をする必要があるので、そこんところから説明して、RHDの非戦闘的問題解決によるセッションのモデルの提示をしたいと思います。




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1.「発想力方式」による非戦闘的問題解決ゲームは「脳内当てゲーム」である
 「発想力方式」による問題解決というのは「脳内当てゲーム」になります。

 適切な問題解決方式をPLが提示する
 →判定する
 →判定成功したら問題解決!

 ……というモデルですので、PLが「適切な問題解決方式」を思い付いたら、あっという間に終わるわけです。ということは、

・「適切な問題解決方式」を思い付くかどうか?

が、ゲームの主眼となります。結果、GMの脳内にある「適切な問題解決方式」を当てる、「脳内当てゲーム」になるというわけです。

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2.「脳内当てゲーム」は、なぜTRPGでは忌避されてきたか
 ところがTRPGでは「脳内当てゲーム」というだけで否定的見解に走りたがる馬鹿(失礼)が多いという現状があります。それはわからなくもなかったりするのですが、その原因としては

・TRPGという遊びの自由さ

が、大きな要因となっていると考えます。TRPGという遊びは、実はいろいろルール的制約や、空気を読むだとか、お約束とかもろもろの事情から「実は、結構、自由ではない」のですけれども、それでも、TRPG以外の、他のゲームと比べたら、まだまだずっと制約が緩くて、いろいろ好き勝手できる部分が多数ある。

 そうすると、TRPGにおける「脳内当てゲーム」というのは、無限の可能性の中から一欠片の正解を発見するという、砂漠の中で砂粒の中に隠された砂金の粒を発見するみたいな、途方もない気の遠くなるような当てゲーになってしまうのが厳しいわけです。GMとPLが、お互いコンテクストを共有し合ってて(同じ学校の学生同士とか)以心伝心伝わりやすい環境であれば、まだ何とかなるかも知れませんが、コンベンションや一般公募のオンセなんかでやった場合には、お互いの下地となる知識が全くかけ離れてしまってる可能性がありますので、通じにくい。

 なので、何も考えずTRPGで「脳内当てゲーム」をやろうとすると、かなり辛いことになってしまうことが多かったわけです。よって、忌避されてきた。

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3.「脳内当てゲーム」の最たるものである「脱出ゲーム」は、なぜ面白いのか
 「脱出ゲーム」というゲームが一時期流行ったことがあります。遊園地のイベントでレクリエーション的に「脱出ゲーム」が採用されたこともあります(リアル脱出ゲーム)。ので、「脱出ゲーム」というのはTRPGよりよっぽど一般の人でも知ってるゲームとなってしまいましたが(笑)、あれって力一杯「脳内当てゲーム」なんですよね。

 だから、「脳内当てゲーム」でも楽しむ方法があるわけですよ。
 で、「脱出ゲーム」から見た「脳内当てゲーム」の面白さのポイントは下記と考えます。

・ゲーム範囲の制限
 ゲームの範囲が明確に制限されている

・プレイヤーアクションの制限
 プレイヤーのできることが限られている(クリックする)

・リアクション
 リアクション(反応)によって、解決方法が推測できる
 →物語性のある、一貫した筋の通ったリアクションがあるとベター?

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4.RHDのセッションモデルによって、「発想力方式」による非戦闘的問題解決は、「脱出ゲーム」的ゲーム性を獲得することができる
 上記の「脱出ゲーム」のモデルをRHDのセッションモデルに当てはめることが出来ます。

・ゲーム範囲の制限
 「シナリオアート」というビジュアルなシナリオの絵によって、ゲームの範囲が明確に制限される

・プレイヤーアクションの制限
 「RHDの19コマンド」。

・リアクション
 シナリオで背景のストーリーとか考えますので、それに基づいて一貫した反応を返せば良い。

 ……という具合に、RHDのシナリオを「脱出ゲーム」と同じ、ゲーム性、面白さを持たせて遊ぶことが出来ます。

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5.「脱出ゲーム」のモデルに基づいたRHDのシナリオ/セッション運用の考え方
 逆算しますと、RHDのシナリオを考える際には下記のポイントに注意すれば良いことになります。

1)シナリオ中の問題は「RHDの19コマンド」のいずれかで必ず問題解決出来るように設計すること
 →何でそれで問題解決出来たかは、そこはGM and/or PLで考えて物語りましょう

2)PLから提示された問題解決手法が外れであっても、何らかのヒントが得られるようにすること
 →「話を聞く」で、直接問題解決出来るわけではなくても、正しい問題解決手法の手がかりが得られるようにする、とか。「それについては、川の畔の女の人が知ってるよ」とか、リアクションする。

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・RHDのセッションフロー
0)問題発生!

1)ある場所に行く
├2)「RHDの19コマンド」のいずれかを試す
│ ├3)正解&判定成功
│ │  └次の問題発生→0)へ
│ └4)外れ
│  ├5)別の「RHDの19コマンド」のいずれかを試す→2)へ
│  └6)別の場所に行く→1)へ
└7)別の場所に行く→1)へ
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 ……すごいシビアに19分の1でしか正解しないようにすると、場所の数が5カ所の場合

19×5=95アクション

実行すれば、最悪でも問題解決出来るようになりますが(期待値は50)、実際のセッションではそんなにやってられないと思われるので、「RHDの19コマンド」の3分の1の、6コマンドぐらいが判定に成功すれば、うまく行ったことにしてやれば良いかな~と思いますが。

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6.まとめ
 ……とまあ、こんな感じにRHDでは、非戦闘的問題解決を主眼としたセッションでも、機械的に、定量的にセッションを回していくことが出来るというわけです。

 これをRHD以外のシステムに応用する場合は、マップは抽象的でも具体的でもPLに見える形で提示するのがよろしいかと。コマンドについては「RHDの19コマンド」を、そのシステムに即した別のコマンドに置き換えれば良い。



そんなところで。
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by namizusi | 2012-08-20 04:16 | TRPG


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