「ロールプレイ支援システム」の経済学(1):(・_・)

 「経済学」というものをきちんと学んだことはこれっぽっちもないのですが、「ロールプレイ支援システム」の数値バランスを考えると、昨今の「量的緩和策」みたいになって経済学とかゲーム理論の均衡っぽくなるかなあ、ということでテケトーに、「経済学」とか付けてますので、そんなもんだとご了承くださいませ(しょせん素人のテケトー考察ですし)。




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0.背景
 「ロールプレイ支援システム」と言われる、悪名高きTRPGシステムの考え方があります。俗に

「ロールプレイ強要システム」
「ロールプレイ強制ギプス」

などと揶揄されるアレです。
 本稿では「ロールプレイ支援システム」というものを、

1)ロールプレイ(演技)する
2)ロールプレイ(演技)が評価される
3)評価結果がルール効果として使用される

というメカニズムのルール大系のことを指すこととします。

 いちおう、ワシの認識としましては、

・昔はいろいろ問題がいっぱいあった
・システムが改善されて最近はましになった

というような感じと思います。
 そこで「ロールプレイ支援システム」というものが、

・これまでどのようにして改善されてきたか
・どう遊んだら「ロールプレイ支援システム」をうまく活用して楽しく遊べるようになるか

について、分析してみたいと思います。

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1.用語・概念の定義
1)「チット」
 本稿では「ロールプレイ(演技)」によって得られるポイントのことを、統一して、

「チット」

と呼ぶことにします。「チット」は、システムの世界観を表す重要な概念なので、それぞれのシステムのイメージに沿った名称が付けられていて、それを分析するだけでも面白いのですが(「気合」「愛」「夢」「セガール・ポイント」などなど)、本論の主旨には関係ないので、一律、「チット」と呼びますので、ご了承くださいませ。

2)「チット」の価値
 いい演技をしたときに、得られる「チット」を「1」とした場合に、

・「1」で、失敗を成功に変えるくらいの効果がある
 →「チット」が高い

・「10」ためると、やっと失敗を成功に変えるくらいの効果がある
 →「チット」が安い

という具合の「チット」の価値、相場が各システムごとにあります。高・中・低の3段階で評価します(評価は感覚)。

3)「正負転換点」
 「ロールプレイ支援システム」では、うまく回るときはすごくうまく回るんだけど、回らないときはさっぱり回らないという現象がしばしば発生します。(地蔵化など)

・「ロールプレイ支援システム」の正のサイクル
場に受けるプレイをする
→「チット」をもらう
→「チット」をもらってさらに派手なプレイを
→さらに「チット」をもらう

・「ロールプレイ支援システム」の負のサイクル
場に受けるプレイができない
→「チット」をもらえない
→他の「チット」をもらったPLが「チット」を使ってさらに活躍する
→自分の出番が減ってますます活躍できなくなる

 この、正・負が切り替わるポイントを、本稿では「正負転換点」と呼ぶことにします。

4)「無双モード」「無双臨界点」
 造語ですが(たった今作ったw)、「ロールプレイ支援システム」では、PCが「チット」を一定ポイント以上得ると、どんな敵にでも一方的に勝て、ほぼ無敵(無双)状態になる状況があります。これを「無双モード」と呼ぶことにします。比較的新しいシステムでは「無双モード」をルールで規定している場合もあります。
 PCが「無双モード」に切り替わる分節点を本稿では「無双臨界点」と呼ぶことにします。「無双臨界点」が高いと「チット」の価値が下がります。低いと「チット」の価値が上がります。

5)「裁定者」
 「チット」を渡す権限を持った人のことを、システムに関係なく統一的に「裁定者」と呼ぶことにします。

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2.「ロールプレイ支援システム」の問題
 「ロールプレイ支援システム」の、大きな問題は下記の3つと考えます。

1)判定基準の問題
2)ルールバランスの問題
3)公平性の問題

・1)判定基準の問題
「どのようなプレイが『良いロールプレイ』なのか?」
という問題です。
 昔は、判定基準がありませんでした。あるいは、大ざっぱな基準はあるけれども、具体的にどうかは各卓にゆだねられました。
 最初はGM一人が判定することが多かったのですが、GMはえこひいきをします。あるいは、なるべく公平に判断しようとしても、どこかしら偏りが出てしまうものです。
 たとえGMが、同じ状況では常に同じ裁定を下せるくらいに熟達してPLに納得される公平な判断ができるようになっても、別のGMの卓では、また判定基準が変わってしまいます。
 判定基準が変わって「ロールプレイ支援システム」によって配布されるポイント(チット等)の流通量が変わると、その日のゲームバランスが変わってしまいます。

・2)ルールバランスの問題
 「ロールプレイ支援システム」によって配布されるポイントで、PCが強くなり過ぎると、敵(NPC、ラスボス)との対決が一方的な、茶番になります。

「PCが勝つならいいだろう」

という甘ったれた言い訳をよく聞きましたが(デザイナーの手抜き以外の何物でもない(きっぱり))、良いドラマには、強力な敵・切迫感のある危機が必要なのです。PCが強くなり過ぎてしまう問題によって、これらの楽しさが、しばしば「台なし」になりました。

・3)公平性の問題
 その卓で、受けのいいPLは、ポイントをたくさん得られます。ロールプレイ(演技)の下手な、引っ込み思案なPLは、ポイントがちょっぴりしか得られません。
 そして、ポイントをたくさん得られたPLは、ポイントをつぎ込むことでどんどん派手な場面を演出でき、それによってさらにポイントを稼ぐことができます。
 ロールプレイ(演技)が苦手なPLは、そうやって大活躍する他のPLのプレイに圧迫されて、ますます活躍の機会を奪われます。

 以上のような弊害が「ロールプレイ支援システム」にはありました。


次回に続く
(文字数が多すぎて蹴られたので(涙))
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by namizusi | 2013-06-14 02:05 | TRPG


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