第四世代TRPG:(・_・)

 ちょっと前にツイッターの方で第四世代TRPGって何? という疑問が出て、その回答がわりと定まっていた(それどころか、その次なる第五世代TRPGはどうなる? というところまで話は進んでいた)ので、その辺の所を独断と偏見でテケトーにまとめてみたいと思います。

※本論は、下記の「多摩豊の「RPG世代論」」をベースにした「世代」を考察しております。(昔見たときは「えー!?」って思ったけどさー)

※ここで言う「世代」というのは、発売されたシステムの世代(理念の傾向)を指しています(ユーザーの世代ではなく)

参考)
・「■[RPGs][@Tama Yutaka]多摩豊の「RPG世代論」を正しく把握する」
 http://d.hatena.ne.jp/gginc/touch/20070820/1187666679

・TRPG世代論(新たな第5世代について) - GMかんがえてみる♪ - Yahoo!ブログ
 http://blogs.yahoo.co.jp/bear05416/53026564.html

・第四世代型TRPG
 http://red.ap.teacup.com/mitsuryu/252.html

・TRPG世代論
 http://www2u.biglobe.ne.jp/~kousyou/rpgmeoto/200110.html

・2013/9/11 指摘等修正(ありがとうございます!)



1.TRPG世代論とは?
 その前に、第四世代と言うのであれば、第一~第三世代があったのか? という疑問が発生すると思いますので、ざっくり解説します。
 TRPG界隈では「TRPG世代論」と言われたものです。

第一世代:戦闘級SLGの延長としてのTRPG

・代表例:クラシックD&Dなど
・特徴
 ・戦闘ルールはあるが、それ以外のルールはほとんど何もない・整備されていない(*1)
 ・「世界観」は、基本的にユーザが考え出すもの、というスタンスだった

 TRPGは、そもそもの発祥が「チェインメイル」という戦闘級SLG(*2)(シミュレーションゲーム:模擬戦闘ゲーム)から派生して出来たものと言われており、その辺のルールは整備されておりましたが、それ以外のルールは突貫工事でその場で作って処理してたりなんかしてました。
 よってルール全体の統一性が取れておらず、トラベラーの、武器vs防具の組み合わせによって防御力が変わるとか、泣きそうだった(血涙)。一方で、独自世界を創作するシステムが充実したシステムもあり、トラベラーはダイス判定で惑星(世界)を作るルールが優秀で、がりがりワールドを作って遊べるのが面白かったでしょうか。

(*1)正確には、全くなかったわけではないですが、ルールの穴が大きく、即興で判定方式を思い付いて処理しないといけないとか、判定処理毎に処理系が全然違う(ある判定はd20なのに、別の判定は突然d100判定になったり)という感じでした(記憶では)
(*2)正確には、基本戦術級で、オプションルールで戦闘級ルールがあった模様(伝聞)

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第二世代:世界観重視のTRPG

・代表例:ルーン・クエスト(グローランサ)など
・特徴
 ・「世界観」は固定で、詳細な設定が付いてくる
 ・キャラクターは「『世界』の中の住人」として規定される(性格付け、文化等)

 この頃は、「世界」感の再現装置として、TRPGが積極的に活用されました。「キャラクター」は、「世界」に属する存在として表現されました。
 「異世界を疑似体験する(体感的に)」装置として非常に面白かったのですが、世界設定が膨大で付いていけないとか、「『エルリックサーガ』、と言ったらまずはエルリックをプレイしたいだろう? でも、『エルリックサーガ』の世界の住人はプレイ可能だけど、エルリック自身をプレイするのは困難」というような問題があったりなんかしました。

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第三世代:キャラクター重視のTRPG

・代表例:SRS系のTRPGなど、多数
・特徴
 ・キャラクター/PLは、物語の展開に影響を与え得る強い力を持っており、分かりやすい例では、最初からヒーローか、ヒーロークラスの力を発揮することが出来たりする
 ・キャラクターを活躍させるため、あるいはドラマチックなストーリー展開のために、世界観をねじ曲げることが可能なように、ルールが整備されている

 第三世代ではキャラクターの再現が重視されるようになり、アニメ・マンガ・ライトノベルやなんかのキャラクターを再現する、ルール・データが充実するようになりました。
 また、キャラクターがヒーロー的活躍が出来るように、明確な「悪」の存在がシステムで規定されるようになったりしました。

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2.では、第四世代TRPGとは?
 ……というような発展を経て、さて第四世代TRPGは、どうなったかと言いますと……

第四世代:ボードゲーム的TRPG

・代表例:迷宮キングダムなど
・特徴
 ・ゲーム境界が明確
 ・ゲームで扱う要素が明確
 ・キャラクターの行動がルールで規定されている

 ーー私見ですが、第四世代TRPGとして定着してきたのは、

・ボードゲーム的なTRPG

と考えます。「迷宮キングダム」なんかは、もろにボードゲームじゃねえの? というくらいに、純粋にボードゲームとして遊んで「も」楽しい。TRPG的に、キャラクター演技・ストーリー展開に着目して遊んで「も」、取っかかりとなる要素が各所に散りばめられていて、そうやって遊ぶことも出来る。

 ボードゲーム的な最低限の面白さを担保しつつ、+αとしてTRPG独特の要素も付け加えて遊ぶことも出来るようにしている、というのが第四世代TRPGの特徴かと考えます。

 必ずしも目に見える、明確なボードゲーム的外観を持ってるとは限らず、

・PLのゲームの手番がシステムで明確に決まっている
・各場面(手番)でPCが何が出来るかルール化されており、そこから行動を選ぶだけで良くなってる
・ゲームとして枠組みがかっちり出来ている、その中で遊ぶようになっている、

というようなものと考えます。

 一方で、近年、ボードゲームのTRPG化も積極的に行われるようになりました(その辺についてはTRPG雑誌のR&Rで、安田均氏の記事「ゲームを斬る NEXT」で言及され続けています)。具体的には、最近流行のクトゥルフ神話を題材にした「マンション・オブ・マッドネス」、ドミニオン風カードゲームをTRPG的にした「サンダーストーン」、まもなく発売されるという「アンドールの伝説」などがあります。

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3.第四世代TRPGの特徴
 第四世代TRPGの細かい特徴について解説します。必ずしも一個のシステムで全部の要素が網羅されているわけではありませんが、下記のような要素を明確にすることで、ゲーム的なリソースとして活用できるようになる仕組みが作られています。

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3ー1.ゲーム境界が明確
 以前のTRPGでは、多くの場合ゲーム境界が不明でした。旧来「GMは、無限のリソースが利用可能」という考え方で、GMが、いざというときにはいくらでもリソース投入可能ということにして、GM主導でセッションの流れを調整することが出来るようにしていました。
 しかしこれには問題がありました。

<問題点>
・PLがセッションの先を読んで計画を立てることが困難なため、GMの言いなりになるしかない
・何らかの決定を下す場合、全部GMが決めなくてはならず、GMの負荷が莫大である
・悪意のあるGMに弱い

 第四世代TRPGでは、GMに全部判断をゆだねることは、やめて、システムでフォロー・明確化し、明確化する事によってPLが判断・決定も可能なようになりました。(とか偉そうに言ってますが、この辺りは今まさに発展途上だったりします)

 具体的に明確化された項目としては下記があります。

1)手番の数:時間境界(ターン・サイクル)
 セッション開始前に、PLが行動宣言できる手番の数が明確になるようになりました。これによってPLの最低限の発言が保証されるようになり、残り手番数から行動計画を立てやすくなりました。

2)行動範囲:空間境界(マップ・シナリオアート)
 PCの行動可能な範囲も、分かりやすく事前明示されるようになりました。D&Dでは、第三版以降、戦闘マップを明示するのが標準化されました。迷宮キングダムではシナリオ=マス目のマップです。Wローズではより流動的な抽象マップが標準導入され、ラビット・ホール・ドロップスの「シナリオアート」ではシナリオ自体の範囲が最初から明示されます。

3)ご都合主義(りゅうたまの「ブレス」)
 「りゅうたま」というシステムではGMが実施できる「ご都合主義」の上限回数が決められています。TRPGで、どこまでGMのご都合主義を認めるか、PLの行動・ダイス目の結果に身を委ねるかの、さじ加減は、なかなか配分が難しいのですが、明確な目安が示されるようになりました。
 また、TRPG風ボードゲームの場合には、GMの起こせるイベント・リソース(敵の駒など)は、明確にルールで規定されてるのが当たり前となっております。

4)GMレスセッション・ソロセッション
 ルールがかっちり決まっていてPLも裁定可能ということはつまり、つきつめれば、

・GMがいなくても遊べる!

ということになります。GMをするのは大変ですから、GMなしで遊べるならその方が準備が要らず楽になります。また、GMがいなくても遊べるということは、それが小規模のシナリオだったら

・1人ても遊べる!

ということになり、とかく「人を集めるのが一番難しい」と言われるTRPGを比較的手軽に遊べるようにするのに貢献しているかと。
 また、1人で遊べるTRPGは、ブログでソロプレイの記録をアップしたり、ツイッターで連日プレイ状況を投稿したり、といった現象を引き起こしたりしました。

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3ー2.ゲームで扱う要素が明確
 下記のような要素が明確になってきています。

1)登場人物(シナリオアート)
 ラビット・ホール・ドロップスの「シナリオアート」では、そのシナリオに登場する人物も最初から明示されます。
 ノベルゲーム系やなんかで「この場所に行くと、このNPCと会える」というのがアイコン明示化されるシステムがありますけれども、それに近い考え方かと考えます。また「シノビガミ」では地図等で明示化はされませんが、「居場所」としてシステム化されてたりします。ハンドアウトを標準的に使用するシステムでは、ハンドアウトにPCたちが関わるキャラクターが明示されます。
 TRPG風ボードゲームでは、登場人物は駒になったりして明確化されています。

2)情報(情報カード・秘密)
 情報収集などによって得られる情報が明確にされるようになってきています。情報をカード化するギミック、シノビガミの「秘密」など。情報を明確化する事によって、下記のような効果が得られます。TRPG風ボードゲームでは、地図上の特定地点で裏返しにされたカードをめくると情報が得られるようになっていたりします。
 情報をゲームとして明示化するメリットとしては下記があります。

・どこを調べるべきかが視覚的にわかる
・いくつ調べるべき情報が残っているか、わかる
・情報の渡し忘れがなくなる

 先日お試しプレイした「ビブリオ探偵団(仮)」では、情報の中身がわからなくても、各情報の「重要度」が明示されて、核心に迫った情報を知りたかったら、重要度の高い情報を入手すればいい(その代わり、それをトリガーとして別の重大イベントが発生する)というような仕組みになっていて興味深かったです。
 隠された情報の重要さというと、深淵のカードシステムで、

・通常カード:白黒
・劇的カード:赤色

というように、視覚的に重要度がわかるシステムが導入されたりしています。

3)アイテム
 TRPG風ボードゲームでは、課題をクリアするのに必要なor助けになる「アイテム」も、カードや駒として明示化されます。

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3ー3.キャラクターの行動がルールで規定されている
 キャラクターの行動をルール的に規定するようになりました、これによって、

・キャラクターの行動は発想するもの(PLの発想力に依存する)
 ↓
・キャラクターの行動は選択するもの

という思想転換(パラダイムシフト)が起き、PLの発想力に依存せず、ゲーム的な行動選択を遊べるようになりました。

1)「シノビガミ」による行動の3分割
 「シノビガミ」では、TRPGにおけるPCの行動とは、

<1>戦闘する
<2>情報収集する
<3>イチャイチャする!(対人感情変化)

の3つしかない! と規定してしまいました。個人的には、


まさにその通りだ!


と思ったのですが、みなさま方はどのように感じてられますでしょうか?
 ワシの認識では、結局TRPG中にPCにさせてる行動って何かって言うと、戦闘してるか、話を進めるために情報集めするか、キャラクター同士イチャイチャ(親交を深める)して対人感情フラグを立て合ってるという3つしか、実質ないと思うんですよね。

 しかし、この辺りの認識については、「シノビガミ」をやるとPCの行動がシステムで制限される! と言う方がしばしばいたように思います(プレイされてない人ほどよく言うの法則)。個人的には誤解と思うのですが、TRPGにおける、ありとあらゆる全てのPCの行動をばっさり3分類すると、

・戦闘
・情報収集
・親交を深める

の3つしかない。そう思います。(本当はあと1個くらい、と思っていますが)

 さて、このようにしてTRPGにおけるPCの行動を全網羅的に分類できたことで、

・TRPG上のPCのありとあらゆる行動を、
 ゲーム的に有意義な行動として扱えるようになった!


という革命が起こりました。

 TRPG第一世代は、戦闘級SLGの面白さを担保としつつ、キャラクターの演技、ストーリー展開も余技として遊べるような位置づけにしていました。
 第二世代は、「世界観」をシステム的に「再現する」ところに主軸を移しました。
 第三世代は、「キャラクター」をシステム的に「再現する」ところに主軸を移しました。
 第四世代は、戦闘、キャラクターの演技(イチャイチャする)、ストーリー展開(情報収集)も、ゲーム的に楽しめるようにしました。

 第四世代は、第一世代と同じく「ゲームの面白さ」に主軸を置いてます。第一世代が「戦闘級SLG」のゲーム的面白さに傾倒していたのに対し、第四世代では「ボードゲーム」のゲーム的面白さにシフトしていて、しかもTRPG独特のアクションも、そのゲームに組み込めるようになった、という違いがあると思います。

~~~~~~~~~~
<第一世代と第四世代の類所点・相違点>
・第一世代
 ・ゲームの面白さがメイン
 ・戦闘部分のみゲーム化

・第四世代
 ・ゲームの面白さがメイン
 ・TRPG活動の全部分がゲーム化
~~~~~~~~~~

 余談ですが、上記の第一、四世代に対して、第二、第三世代は、「世界観の再現」「キャラクターの再現」に主軸を置いた、

「再現系TRPGシステム」

などと呼ぶのが合ってるのではないかと思います。
 対比して、第一、第四世代は、

「ゲーム系TRPGシステム」

とでも呼べましょうか。
 しばしば、TRPGにおける、最大公約数的面白さって何? と問われることがあります。

・戦闘の面白さ
・独自の世界観を構築していくところ
・キャラクターになりきって感情移入するところ
・ドラマチックな展開
etc...

などがあり、人それぞれ見解は異なりますが、第四世代TRPGでは、

・ゲームとして面白い(ボードゲーム的な)
 →その面白さはシステムで提供する

こそが「最大公約数である」と、考えることにした世代と考えます。SLGとの差別化で、世界観重視・キャラプレイ・ストーリー志向に走り続けてきたTRPGですが、ここに至って、馬場理論で提唱されてきた「ゲーム的面白さの復活」が完全に成し遂げられたと言って過言でないと考えます(白目)。

2)「Aの魔法陣」:PC行動=「課題を解決する」
 「Aの魔法陣」というシステムでは、TRPGセッションとは、

・課題を解決することだ

と規定しております。そして、

・全てのPCの行動は、課題を解決するための行動である

として一元管理されております。この方式は、PCのどんな行動も「課題を解決する」という軸で一括評価できるようになったというメリットがありますが、一方で、

・PCのどんな行動が問題解決に有効かは、PLのプレゼン能力によって格差が出る

という問題も発生しました。要するに「上手い人」「下手な人」の格差が明確に出る。
 一応システムの展開としては、上手い人のことを「エース」と称揚して、格差があることを肯定的に捉えようというアピールはされてますが、それって結局、

・競争(上手い/下手)

が発生するようになるわけで、TRPGというのがそもそも、「競争」で人との優劣を争うことから離脱して、別の何か共有し合える楽しさを目指してきたところがありますので、ちょっとTRPGで求められる楽しさとは、ややずれるかな、というところはあると思います(私見)。

 個人的に、第四世代TRPGとは何か? という観点で、Aの魔法陣で導入された概念で最も重要なポイントは、

・小課題(T*)を解決し、それを積み上げていくと、最終的に大課題(M*)が解決される

という考え方を提示したことだと考えます。これによって、「シノビガミ」と合わせて、TRPGセッションでPCの行う行動が完全に網羅されました。つまり、TRPGセッションでPCの行う行動というのは、

1)戦闘する
2)情報収集する
3)イチャイチャする(交流)
4)課題を解決して話を進める

の四つに分類できる、ということになります。

3)「ウタカゼ」のPC行動分類
 先日出た「ウタカゼ」では、上記の四分類が、すでに「クエスト」として適用されております。

1)戦闘する
 →戦闘
2)情報収集する
 →情報収集・行動
3)イチャイチャする(交流)
 →回復する
4)課題を解決して話を進める
 →冒険

 あと「ウタカゼ」では、セッション途中の課題で「失敗したらどうするか?」という問題への回答も考えられておりまする(ステマ)。

4)「SOS」のPC行動分類
 「サイキック・ハーツ・カードゲーム」「ウルフレンドクエスト」に搭載された「SOS(Suzuki Original System)」では、PCの行動とは、

1)戦う
2)説得する
3)カッコつける!(多数決)

 ……という形に「ロールプレイ支援システム」系の、PC行動の最適化がされております。

5)まとめると
 まとめると、TRPGのPCの行動というのは、

1)戦闘する
2)情報収集する
3)イチャイチャする(交流)
4)課題を解決する行動
5)カッコつける(演出)

の、5つに分類されると言えると考える。

※サイコロフィクション最新作「インセイン」「キルデスビジネス」を見ると、上記に差し替えで、微妙にシステム固有のアクションが入れられてて(「サービスシーンを入れて視聴率を稼ぐ」とか「精神鑑定をして狂気を減らす」とか)面白いのですけれども。

--
4.第四世代TRPGへの転換点
 海外TRPGでは、D&D三版が、明確にボードゲームにシフトしたのが、大きな転換点になったかと思います(海外ものTRPGには詳しくないので、解説は詳しい方に譲りたいところですが)。西暦2000年のことでした。この転換には批判が多数出ていたように記憶していますが、結局3.5版~4版と、もうすっかり四角いマスの上でプレイするのがD&Dというイメージが定着しております。

 国内TRPGでは、前節で書きましたが、外観として明らかにボードゲームを意識したのが「迷宮キングダム」(2004年)で、中身の構造面で、TRPGのPCの行動を普遍的にシステム化したのが、Aマホ(2004年)・シノビガミ(2009年)辺りかと考えます(独断)。

 ボードゲームのTRPG化はどの辺が転換点だったでしょうか? タイトル忘れましたが、ファンタジー世界で対戦するゲームシリーズが何か出て話題になりました。あと、指輪物語をテーマにした協力ゲームがありました。ボードゲームの世界のTRPG化は「協力型ボードゲーム」(パンデミック(2008年))、が一つの転換点と言えるかもしれません。

--
5.第五世代……さらにその先のTRPG
 第四世代TRPGでは、ゲームの枠が明確になり、ゲームの要素が明確になり、PCの行動もゲーム的に明確分類されることで、ボードゲーム的なTRPGが成立してきたことを解説しました。
 さて、次なる「第五世代TRPG」はいったいどうなるでしょうか? 現状では、下記のような「新しいTRPG?」の端緒がいろいろ見えているように思います。

1)「ナラティブ」
 ここが分かりやすかったっす。

・ゲーム技術の研究所 テーマ「Narrative」
 http://www.slideshare.net/KoujiOhno/o-planning-narrative1b

 「ナラティブ」~物語る、というのは、そもそもTRPGって物語る遊びやん! てところもあるのですが。上記の、「ナラティブ・トライアングル」の構成をTRPGに当てはめると、

~~~~~~~~~~~~
<1>(デザイナーが)埋め込む
 →TRPGシステム
<2>偶発性
 →ランダマイザ、ランダム表
 (一時期、不確実性は忌避されたこともあったけど、最近はすっかり復興した)
<3>プレイヤーが作る
 →キャラクター、シナリオ、背景設定
~~~~~~~~~~~~

……という具合にすっかり出来上がっております。

 んが、そうではない漠然としたイメージ、傾向、を物語るエンジンとして取り入れようとするTRPG、ボードゲーム、カードゲームが、TRPGとボードゲームの境界辺りでぼちぼち出ており、これが大きな流れになる可能性はあるかと考えます。

--
1ー1)物語要素を提示する仕組みのシステム
 ・Wローズ
 ・おとぎだま
 ・キャット&チョコレート

 これらのシステムの特徴は、物語を触発する要素(キーワード・イラスト等)を、ランダムで2~3個ぐらい発生させて、それに基づいた話を発想させるという仕掛けになっているところで、「物語る」が主になって、「キャラクター」が希薄になる傾向があるかと思います。「おとぎだま」では、キャラクター主体に話を考えても良い、という中間のスタンスになっていて、面白かったのですけれども。

--
1ー2)物語構造を提示する仕組みのシステム
・「fiasco」
 システムで物語の仕組みをかっちり提供して、中身をどう語るかはPLに委ねる方式になっている

・「ウタカゼ」
 ミッションクリア型で、前半3部、後半3部の構成。

--
1ー3)「即興による物語生成」のシステム化
・「Dungeon World」
 即興で話を進める方式自体を、システムで定式化する
 ・課題提示
  ・判定成功→話が進んで次の課題
  ・部分成功→話が進むが、他PCがフォロー(次の課題)
  ・失敗→他PCがフォロー(次の課題)

※「失敗」とは何か?
 旧来のTRPGでは「失敗=ゲームオーバー」という考え方が主流でしたが、「物語る」という観点では「失敗」の意味が変質して、面白い展開を見せていると思います。

・「Dungeon World」における「失敗」
 →他のPCに見せ場を回すための行為である!

・「ウタカゼ」における「失敗」
 →「希望を失わない!」というモチベーション演出機会をもたらす分岐である。

・死んだら魔改造されて復活
 「ミストキャッスル」とか「キルデスビジネス」とか。
 最近増えたような気がします。
 デメリットを負うことでドラマチックな設定が増える感じ。

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2)ビジュアルなセッション

・3D-TRPGオンセツール(Kick Starter)
 http://www.kickstarter.com/projects/840448191/tabletop-connect-3d-virtual-tabletop

 オンラインセッションが普及するに従って、五感に訴えるビジュアルな表現がやりやすくなりました。3Dオンラインセッションツールという物も開発されつつあるようですし、めがね形状の端末、脳波で入力するなどなど、新しい入力・表現方式が使えるようになります。
 そちらの方向から新しいTRPG的なものが生まれるかもしれません。
 世の中には、コスプレ的に実際に仮装して遊ぶTRPG(ライブRPGという)がありますが、拡張現実めがねで電子的に仮装して遊ぶTRPGが普及するかもしれません。

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6.まとめ
 まあ、そんな感じにTRPGという遊びは日々進化を続けているわけで、最近、その変化は目まぐるしく発展を遂げようとしている、ちょうど今がまさにその転換点にあるのかなあと思ったりなんかします。

 東京オリンピック開催の2020年にはどうなっているでしょうか?

 実に楽しみです。


そんなところで
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by namizusi | 2013-09-10 01:35 | TRPG


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