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扶桑武侠傳の怪異(笑)

 RPG日本の方で「扶桑武侠傳って面白いね~」と言って愉快な話を聞いたのでまじめにルールを読んでみた。

 なんか、奥義&内力判定がよく見るとバランスが全然変わってて、命力が普通はメインで、内力はその補助で魔法的に使う感じに変わっている。僕がプレイしたときだとスートが合う以外にペアでも奥義が使えたし、内力主体の飛雲会何かは成功段階をUPする極悪な奥義があったので、奥義で神話を超えるのがサクサク行けたりしたんだがw。根本的にゲームが変わったな~これ。

1)詰め込みすぎ問題
 「面白いルールはあるんだけどいろいろ詰め込みすぎ」という話をよく聞くんだが、僕が見た感じだと

「Fローズと同じ感覚の無駄な詰め込み方だな(笑)」

って感じであった。なのでプレイの仕方としては

<1>とりあえず最低限必要なルールだけ入れて基本的なプレイをしてみる
<2>特徴的なルールを1~2個取り入れてそれを生かしたセッションをしてみる
<3>全部のルールを網羅して熱いキャンペーンでもやる

とかいう感じにステップアップしていくと良さそうに見える。キャンペーン向きかのう?コンベンションでやる場合は<1>か<2>のスタイルでやるしかないかな。僕的には全部のルールを舐めるようにプレイして一通りやり終えるまでに1年くらいは遊び続けられるかな、という感じである。僕の場合、システムを選ぶときって

<1>まず妄想をたくましくして「どうしてもこれをやりたい~」というイメージを固める
<2>それを実現できそうなシステムを調べて、やりたいイメージを最低限表現できそうなルールが実装されているか確認する。イメージを完全に表現するには足りない部分があるので、そこは解釈を変えて対応するか、ローカルルールを入れるか特殊アイテムを導入するとかしてプレイできるようにする。
<3>各種ルールを導入してイメージを拡張/補完していく

…という感じに1つのシステムを何年もプレイしていくので、僕にとっては非常に合ったシステムのように思います。これでやっと僕にとっての深淵の後継者システムが決まったかな?w

2)サンプルシナリオの謎(ネタばれ注意!)
 サンプルシナリオはいまどきのシナリオ記述から見るとおかしく見える部分が多数あって笑えますw。というか僕が見ると「昔の感覚だとこう書くよなあ」とすぐわかるというか。京極夏彦の本で「共同幻想」というか、同じ背景イメージを持っている者同士だとすごく理解できるんだけど、いまどきの人はそういう背景がないので変にしか見えないという話があって、サンプルシナリオなんかはそれが極めて顕著に現れていて面白いです。

2-1)40分待つ謎(笑)
 ここがいまどきのFEARゲー者から見ると一番笑える所のようです(笑)。
 第2幕で事件が3つほど書いてあって、それぞれの事件が「第2幕が開始して40分後に~」とか書いてあるのです。

「いや、40分後にイベントが起きるってそれまでの間いったい何するんだ!?」

とFEARゲー者の人らは問うわけですな。僕が見ると「ああ、なるほど」と思うだけなんですけど、この記述を理解する最大のポイントは

このシナリオはシーン制ではない

というところです。強いて言うなら「幕=シーン」であって、それ以上細かい単位はシーンとして扱っていない。っつーことです。

「第2幕に書いている事件=シーン」

と勘違いしやすいですが、そうではないのです。では、ここではいったい何をやっているのかというと、要するにD&Dの冒険でダンジョンに到着するまでランダムエンカウント&野営プレイしているのです。D&D者やSW者ならわかりますよね?んで、じゃあこれをシーン制シナリオっぽく書き直すとどうなるかというと

<シーン1>1日目日中。お互いの親交を深める
<シーン2>1日目夜。しんみりとした雰囲気でPCの一人が自分の生き様について語る。
<シーン3>「事件1」開始


という感じにプレイすることを意識しているので、20分後に事件1が起きるわけです。1シーン10分なので、適当に掛け合いをやってれば20分くらい過ぎます。シーン1とシーン2がそれぞれ10分ずつくらい見ておけば良さそうに思うのでちょうど計算が合いますね。さらに上記のシーン制的シナリオ記述の仕方でこのシナリオを解釈してみるとこういうことがわかります。

PL主体のPCのシーンはシナリオ記述上すべて省略されている

これは要するに、PC個別のシーンはセッション中に話し合って適当に決めるか、PLが自発的に決めるかいずれかにせよ、ということですな。この辺の書き方は僕のシーン制について考えている理論と一致するのですんなりわかりますのう。

2-2)個別導入がないぞ!(笑)
 上記に書きましたが「PC個別のシーンはプレイする人間が自分で考えて演出すること」というポリシーになっていると思われるので、個別導入は自分で考えましょう。ということだと思います。PCのシーンを華々しく演出するルールとして「花鳥風月」がありますので、とりあえず最初の登場は華麗に花鳥風月を決めましょう。魂込めてなw

 なんか、この辺不親切だな~と思うのですが、FEARゲーの場合専門学校講師の権利を利用して素人のプレイヤーにプレイさせてどういう情報を補足したらいいかを埋めて、かゆい所に手が届くシナリオ記述になっているらしいのですが、扶桑武侠傳の開発体制ではそういうところまで手がまわらなかったっぽいのがかいま見えます(^^;。がんばってください。僕は当分プレイしますよw。

2-3)ラスボスのデータがない!作れってどういうことだ!(笑)
 これは笑うしか(笑)。プレイする人によってイメージが変わるので強さは好きに調節していいですよ~というおせっかい仕様ですかねえw。まあ、このシナリオで重要なのは

ラスボス戦闘はあるが、ラスボスを倒すのがこのシナリオの目的ではない

というところですかね。

2-4)ラスボスがPCと同じ強さというのはどういうことだ!弱すぎるのでは?(笑)
 だから上記で書きましたけど、このシナリオというのは基本ラインが悲劇であり、人間ドラマであって

ラスボス戦闘はあるが、ラスボスを倒すのがこのシナリオの目的ではない

ので、多分僕が生き様「悔恨」なんかを取ると、ラスボスを助けに行く展開に持って行きます。んで味方に付く武侠もいると思うので、2対3くらいの団体戦になる。あるいは説得がうまく行って真の敵が明らかになるとシナリオ自体は「説得シナリオ」に変化し、真の敵を倒しにいくぞ!と言って去って終わる感じになると思います。ああでもここでシナリオとして終了させるならラスボスは自殺にするか、LOVERSみたいに最後の止めを刺すところでナイフを投げずに死ぬw。まあ、そんな感じ。
 重要なのは

武侠ものとは人間ドラマである

という点で、派手な戦闘アクションはあるがそれに勝利したところで根本的な解決にはならないというのが重要かなと。すげー反ハリウッド的ですがw。


 以上。
 んではまた
by namizusi | 2005-08-01 11:07 | TRPG


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