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物語志向なセッションの構成(5):(・_・)

すっかり週1ブロガー化してますが、脱線話の協調戦略ゲーム話の続き。

今回は「情報公開」について。
いまどきのメタで情報公開してPCは情報を知らずに使い分けるとかそんなの。



1.情報公開した方が良い
 協調戦略ゲーム的には情報公開した方が望ましいと考えられます。効能は大まかに2つあります。

効能1)互いの欲求の衝突点を事前調整できる
 プレイしてからぶつかると、プレイヤー同士が大人気ない人ばかりだと惨事になるようですが、大人げある?人らばかりだと

「あっはっは。ぶつかっちゃったよ、わっはっは」

と、笑いながら楽しくプレイするだけなんですが(笑)、残念ながら世の中そんなに大らかな人ばかりでないので、事前に情報公開して衝突を避けるのがコミュニケーション上重要になると同時に、協調戦略ゲーム的に交渉するにはある程度情報公開することが必要になります。

情報の公開の仕方としては

<1>何も考えず、全部ぶっちゃける
<2>どういう情報を公開すべきかという判断ができるのであれば、適宜必要な情報を必要なだけ公開する

の2通りがあります。<1>のやり方が楽で、サルでも出来ますが、ある程度セッション上の情報をコントロールするテクを身に着けたなら<2>にチャレンジするのもよろしいかと。

効能2)人の「痛み」がわかる
 協調戦略ゲーム的に有効なのはむしろこちらだと思うんですが、要するに

・各人が何をしたいと思っているか

という共通認識を作る以上に

・各人が各目的のために、他の何を妥協/切捨てしているか

という部分の共通認識を作ることが重要だと思います。いわゆる「痛み分け」と言いましょうか。

各人がやりたいことを伸び伸びとやりたいだけやりまくれるセッションをしているならそんな痛みとか考える必要もないのですが……複数回だらだらセッションとか、キャンペーンとか、1セッションなんだけどものすごく単純で(GMが考える)やるべきことの少ないシナリオ/セッションの場合には、そんな妥協とか切捨てとかがほとんど要らなくなることがあり、まあ僕の場合はそういう志向でセッションしていることが多いですが、よくいる長すぎるシナリオを詰め込んで破綻してヒーヒー言ってる人らの場合には、やはりやりたいことすべてを1個のセッションに詰め込むことが出来ないので、どこか切り捨てたり妥協する必要が発生します。

そこで、情報公開がされてないと

・自分はやりたいことのためにこんなに我慢してるところがあるのに他の人らは何でそこんところをわかってくれないだろう

と猜疑心にかられがちになるんじゃないかと思うんですが、そういう「痛み」の部分の情報公開をしていると

・自分だけが我慢してるんじゃなくて他の人らもそれぞれ我慢している部分がある。じゃあ、しょうがねーなー。俺も我慢するところは我慢するかあ。

と、互いにマイナス部分も分散化、共有化できるようになります。
何かの交渉をするときには

・互いが何を欲しがっているか

も重要ですが

・その際に何をコストとして払っているか

というマイナス部分の共通認識化も重要です。
前回「争点を複数作る」という話を書きましたが、上記の話だと

・メリットを得ようとする

という争点と

・デメリットを最小化する

という2つの争点が自然に発生して協調戦略ゲーム的に交渉しやすくなるわけです。

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2.情報を隠蔽するのが推奨されるシステムについて
 PARANOIAとか、トラブるエイリアンずとか、コンスピラシーXなんかがそうですが、あれは最初から

「きちんとゲーム的にゼロサムゲームをしよう」

というシステムなので、志向が違うということで。
ただ、一方的な展開になりすぎてゲーム的に終わってしまった状況で情報公開に転じて場を協調戦略ゲームに変換してプレイ続行するテクニックはあります。そこら辺の考え方は上に同じ。


今回はこんなところで。
次回は協調戦略ゲーム関係の話のまとめでも。

そしてその次こそ本題にっ
by namizusi | 2008-12-06 10:12 | TRPG


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