2005年 06月 18日 ( 2 )

『杜子春』パターン

 こっちの話で結局自分が何を志向していたのかがわかったのでここでまとめておくことにする。題して

「“杜子春”パターン」

 「杜子春」とは、芥川龍之介の代表的な短編小説で、ネットで公開されてますな^^;。良い話なのでぜひ読みましょう。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/170_15144.html

 概略は以下の感じ。

・杜子春は仙人になるための修行として「しゃべってはならない」という戒めを与えられる
・杜子春は脅したりなだめすかしたりされて何とか地獄の眷属どもにしゃべらせようとされるが戒めを守ってしゃべらない。しかしそれとはまったく別の方法で結局たった一言を漏らしてしまう。
・その試練というのは「杜子春」の人間性を試すものであり、仙人は、もしあのときそのたった一言を言わなかったのであれば「杜子春」の命を断っていただろうとと言う。「杜子春」はその経験から何がしかを得て生きる気力を回復する

 さて、これをTRPGでプレイしようとした場合、まず第1の方法として、

「先の展開をあらかじめ告知しておいて(ハンドアウト、セッション予告など)それをなぞる。
 その時々の登場人物の心情を演技することでその内面を疑似体験しようとする。
 ハンドアウトでは『親を愛している』とかいう設定を付けるんだろう」

という感じになると思います。さて、これを実際プレイして面白いでしょうか?うーむ、僕自身よくやるし面白そうだ(笑)。まあ、しかしこの方法は繰り返しプレイしていると、PCの行動はあらかじめ予約されておりGMのアクションに対してどうリアクションするかをそのままただロボットのようにプレイするだけになり、形上は『いいお話』になりますが内面的には

・「ただの茶番」

になる、という問題があります。PLは慣れてくると何も考える必要がないので考えることを放棄し、そうすると、たとえ『いいお話』であってもそれを「感じる」ことが阻害されてしまう。

 …ということでもう少しインパクトのある第2の方法を提示します(中級者以上向け)。コンセプトはこうです。

・このセッションはPCへの試練ではなく、PL自身の人間性を試すPL自身への試練である
・また、GMが演出によってPLの『抑制』を打ち砕くことができるか?という極めて挑戦的なGM自身への試練でもある
・このセッションはフレーバーとして『疑似体験』を演出するが、その本質は『体験』そのものである。このセッションはPL&GM自身の『体験』となる

で、準備としては以下のようにします。

・ハンドアウトとしてPLへの戒めを提示する
・GMはひたすらPLへの戒めを破らせるようなあの手この手の演出をひたすら繰り出す

 さて、この手法は立派に「コミュニケーションゲーム」であると思いますが、何故それがゲームとして成立するかと言うと

・「ハンドアウト」という戒めによってPLの行動を抑制する。基本的に「ハンドアウト」は守らなくてはいけない、という先入観がすでに植え付けられている
・しかしPL自身の「良心」は、その「戒め」を破ろうとする
・上記の2者の対立と葛藤がゲームの主旨になる

という関係が成立するからです。ただ、このケースはわりと特殊ケースであって、PLが自発的に「ハンドアウト」という戒めを破ろうとするのは「良心」以外の動機付けは考えにくいというのはあります(何か他に良いテーマがあれば教えてください。キリスト教圏なら宗教ネタで攻める手もあるけどな)。

 また、このやり方の難しいところは

・GMはPLを人間としてとことん信頼する必要がある
・PLの人間性が赤裸々に明らかになり、抵抗を覚える人は多いであろう

でしょうか。逆に言うと

・人間性をさらけ出しつつ深い共感が得られる

というメリットがあります。

 まあ、個人的にはこれでうまく行かないPLというのは自動的に人間的に問題のある人であるというのが明らかになり、今後お付き合いしたくないなあと思うので、不興を買って二度と卓をいっしょにしなくなったとしてもそれでいいんじゃないかと思います。膿は早いうちに出しておきましょう。


それではまた。
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by namizusi | 2005-06-18 13:52 | TRPG

クトゥルフダークエイジ実況2

 とても楽しかったです^^

 原稿書きかけがブラウザが飛んで原稿消失(;;)。Operaは飛ぶのだけは嫌だなあ。
 今回は

「素直な展開でやりやすかった」

と言われたが、最近は

「ひねらず恥ずかしいくらいにストレートな展開でズキューンとハートに突き刺す」

のが一番ひねくれてるかなあと思ってひねらない。ついつい、いろいろひねりたくなるポイントがあるのはわかってるが、そこをひねらず逃げずにストレートに階段を登ってテンションをあげていく、というのが熱くて面白いかなと思ってそうしてる。
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by namizusi | 2005-06-18 03:26 | TRPG