2006年 02月 14日 ( 1 )

ミュンヘン

 ミュンヘン

 観ました。

 ミュンヘンオリンピックでアラブ?のテロに選手11名を殺されたイスラエルが首謀者11名への報復のために暗殺団(チーム)、を結成し復讐をしていくという話。復讐話というのはエンターテインメントとして珍しくないのですが、史実を元にして現実的な話として表現していこうという観点が斬新でしたか。

 チームのメンバーはそれぞれ味があって一昔前のチームもの(スパイ大作戦とか、Aチームとか)みたいな感じでかなりかっこいいんですけど、その手の話だと、最終的に主人公側が相手の報復に遭ってやられて、やはり敵(悪)は憎むべし、彼らは正義を守るための尊い犠牲になったのだ…というような落ちに持っていき、そうやって落とせば一級品の謀略ものエンターテインメンととして十分完成し得たと思うのですが、そこを敢えてそうはせずに、主人公は生き延び、報復を恐れて夜も寝られない日々が続き、それでもミュンヘンで殺された同胞を思うと憎しみと哀しみは忘れようもない。そして最後に依頼者を食事に招待するのですが、結局あまりにも殺戮を繰り返して血塗られてしまい、人を信じることもできなかった主人公の招待は断られるという、今のイスラエルの現状を映すような象徴的な終わり方をしていました。

 説教くさいっていうか、年寄りくさいっていうか、まあ、そういう思想を述べたいのであろう(昔からそうだし)ってところがスピルバーグ節ですかねえ。

 あと、イスラエルの状況とかユダヤの風習とかがそこかしこに見えるのも興味深かった。食事についてはアバウト処理かのう?主人公が集団農場者で育てられたっていうのは、ユダヤ人って土地を持たない暮らしをずっと続けていたのでイスラエルみたいな過酷で枯れた土地で暮らしていくなんて到底できそうになかったところで、何とかイスラエルの土地を開拓して農業を発展させ、土地に根付いた暮らしを作ろうと結成された集まりで、そこでは子供というのは親一人が面倒を見るんじゃなくて共同体のみんなで世話をしていこう、という思想の元に共同で育てられるというのがあるそうなんですけど(親が、戦争が多くて戦地に行ってることが多いというのもあるし)。だから、親が自分で育てるのが面倒だったからそこに預けたのだ~という話が出てましたが、それはアメリカナイズされた家族観じゃないかなあとちょっと思いました。

 ということで、エンターテインメントとして面白い部分が多々あったし、いろいろ深く考えさせられる内容で充実したいい映画でした。

うむ
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by namizusi | 2006-02-14 12:43 | ストーリーメディア