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「虐殺器官」を読んでいまいちだった所:(・_・)

 いまさらですが「虐殺器官」を読みました。
 http://www.bk1.jp/product/03227443
 面白かったです。これは良い作品ですよ!と押しておきます。

 ただ、いくつか「これはいまいちなんじゃねーの」と思うところもあったのでメモっておきます。

1)結局説明がないところ
 後ろの講評でも書かれてるんですけど、結局それって何?っていう核心が描かれてないのが物足りないと思います。ただまあ、話として描きたかったのは、物語上の機能としてのそれとか、それを踏まえた上での中二病的自虐的話の落とし方とか、そんなのだと思われるので、その要件は満たしてるんですけど「SFとしては結局それは何?」を(嘘理論でもいいので)描かないのは、SFじゃないんじゃない?練りが足りないかなあと。

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2)短編で良いじゃん
 長編にしないと売るのが難しいという事情はあると思うんですけど、これはネタ的に短編でサクッと終わらせる程度のスケールの話なんじゃないかと。紙の枚数がもったいない。

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3)リゲティの扱い方
 リゲティのエピソードは後付けっぽいので、かなり浮いてるのですが、2001年宇宙の旅のリゲティの「Lux AEterna(とこしえに光を)」を演出で使ってるんですけど、この使い方が、昔の映画で宇宙人ゴートが登場したときにテルミンの音が恐怖表現として使われたイメージを踏襲してると思われます。

 で、これって、クラシック音楽の世界で言うと、「現代音楽って何だか怖い音楽」というステレオタイプな印象付けをした、典型的な悪しきSF映画系の伝統を引きずってて、その扱いは酷過ぎるだろう(笑)。という感じ。

 リゲティの「Lux AEterna(とこしえに光を)」では「トーンクラスター(音塊)」という技法が使われてて、これが音程とか和音とかに捕らわれない、ある一定範囲の全音程を重ね合わせて出す技法で、西洋人にとっては、それまでの調性音楽の響きの概念を破壊する音だったため、恐怖の対象という記号付けがされたところがありますが、いまどきの表現ではルチアーノ=ベリオが「ルカ受難曲」が演出としてトーンクラスターを使ってるとか、あるいは仏教の念仏を大勢が唱える状況が、まさにトーンクラスターで、あれって聴いてると気持ち良いんですよね、とか、「歓びを歌にのせて」
 http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id323809/
という作品では、「ただ声を合わせて、それが音の塊となる。それがハーモニー、コミュニケーションの根源。それが素晴らしい」という感動的な表現として使われてたりする。

 ……というようなことを踏まえると、あのリゲティの表現は実に安直と言わざるを得ないかなあと。まあ、メジャー系でそれっぽい演出に使えるような曲が他になかったから?という事情もあったかもしれませんが。

 個人的には、日本人的にはトーンクラスターを恐るべき表現として描いた名作として、林光の「原爆小景」という、そのままズバリの曲があるので、そっちを使った方が良かったんじゃないかと思いますが……あまりに恐ろし過ぎて公演もなにもほとんどされない曲なので、話の題材として使いようがなかったというところかもしれません。日本人的には、そこで妥協して良いのか?とか思っちゃうところではありますが。



そんなところで、いろいろ文句を書きましたが、非常に面白い作品で、あっという間に読み終えてしまいました。

作者が亡くなられてしまったということで、このあと、もっと素晴らしい作品ができてくる芽があったにもかかわらずの早逝で、実に惜しいことでした。冥福を祈りたいと思います。
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by namizusi | 2010-06-29 10:23 | ストーリーメディア

ぼちぼちTRPG:(・_・)

さて、そろそろ、またTRPGをやりましょうか。

・「私立RPGハイスクール」
 http://www.bk1.jp/product/03255563
 最近は完全TRPG初心者向けの解説本にロクな本がないという話を聞いたりなんかしますが、そんなことはないです。この漫画はすごく良いですよ……残念ながら連載雑誌がTRPGを切っちまいましたがね(バカ受け)。

 TRPGを長年やってる者から見ると、なんていうか、作者の血の涙が見えて、涙なくして読むことができない(笑。

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・「十七風季物語」
 Wローズのリプレイ本です。面白かったです。
 Wローズヤリタイ熱ガ補充サレタ。
 残念ながら同人です。
 イエローサブマリンで売っておりました。

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・「ヤンデレ」
 日本ではとうてい公式には売れないだろう(日本は自主規制という名の言葉狩りが酷いですからね(笑))、発狂PCTRPG「アサイレム」の偏った邦訳同人TRPGですが、探してたけどどこも品切れとなっておりました。残念。引き続き捜索中です。

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・30分TRPG
 TRPGをネトゲ化して、一般人を引き込むにあたって、とりあえず1ゲーム時間を30分で終わるくらい短縮しないと社会人が遊べんでしょう、ということで、そのための制約要素を構想中。

 ・伏線は張らない

 ・情報収集はしない
  ・自動的にわかるようにする
  ・情報収集的面白さは、TRPGのゲーム外の遊びの要素にする

 ・キャラメイクはしない
  ・最初に一度作ってそれを使い回す
  ・性格設定はPLが扱える性格タイプは
   せいぜい数タイプ(3~5くらい?)しかないので、
   その数タイプをあらかじめ作って交換使用可能にすることで
   十分要件は満たせるでしょう
  ・キャラのクラスはプレイごとに交換可能にする
  ・クラスの専門性を高めることでPC間のレベル格差を緩和する

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・ラスボスは使い捨てフレーバーとする
 ・PCの葛藤(コンフリクト)を解消するのが優先で、ラスボスを倒すかどうかはどうでもいい
 ・ラスボスは弱体化する。強い必要がない
 ・ラスボスはクライマックスとかに伏線も全くなしに突如出現すれば十分
 ・PCがラスボスを倒さなかったら、警察が何とかしてくれる

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・吉本新喜劇とTRPGの類比
 ・高度にシステム化された、演劇的構成のストーリーである
 ・キャラクター(お笑い芸人)を、そのままのキャラクターで生かす脚本を考える必要がある
 ・それぞれのキャラクターの個性の生かし方について
  ・見せ場を導くまでの「手順」が決まっていて、脚本がそれを踏襲する必要がある
  ・1ポイントで、そのキャラクターらしい見せ場が準備出来さえすれば、物量的な出番は少なくても良い(出番が多いと逆に「台詞が覚えられない」という人もいる)。必ずしも、出番が多ければ楽しいというものではない。

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・演劇的/吉本新喜劇的GM/シナリオ作成者の役割
 ・面白い関係性をプレイ開始時に規定する
 ・面白い状況をプレイ開始時に規定する
 ・面白い関係性/状況を、より面白く展開させるために、
  PLに提示する情報のタイミング/順序を制御する

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・シノビガミ
 上の辺の構想をランダム自動生成で出来るシナリオが、大分昔に考えたシノビガミのシナリオをもうちょっと細かいところを詰めたら出来るなあと思うので、そのうちどこかで試すかも。まあ、シノビガミって、そもそもラスボスは最初からフレーバーですしな(ある意味)。

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・ヴァイオレンス
 7月にプレイする予定。楽しみ。

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・TRPGの障害解決フロー
 ……というのを考えた。内容はそのうち。

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・オンセツールのクラウド化について
 画像とか動画を使いだすと負荷でサーバーがアップアップになってしまうので、可変スケールアウト環境にするがよろしいかと。無料で行くなら現状GAEが良さげかなあ。無料仮想サバをいっぱい借りてHadoopを入れるという手もあるけど。



そんなところで
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by namizusi | 2010-06-29 01:49 | TRPG