15分でできるシナリオの作り方:(・_・)

 4行プロットの展開の仕方について。

 15分でできるというか、前に書いたスパイラル開発の話

http://simizuna.exblog.jp/10425190/

と関連付けると、スパイラルサイクルの1サイクルが15分くらいでできる。なので、時間に余裕があってやる気があるのであれば、何度も何度もネタを足してシナリオを膨らませつつバージョンアップしていくことができる。そのためのシステマチックな手法(考え方)について説明します。

 まあ、僕はこんな風に考えてシナリオを膨らませてますよというだけの話です。



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0.展開パターン
 4行プロットで考えたシナリオを構造的に展開する方法には下記のパターンがあると思います。勝手に適当に用語を定義します(笑)。

1)多重化
2)連結
3)複合
4)フラクタル展開
4-1)内フラクタル展開
4-2)外フラクタル展開

 あとは上記のそれぞれの手法の組み合わせですかね。

 以下、それぞれの展開手法の詳細の説明を。

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1.多重化
 多重化というのはストーリー上考えた要素を2つ、3つと増やして多重にする展開方法です。

起承転結

という最初の構造があったとすると

起承転結
起   結
起   結
起   結

というような展開をして厚みを持たせます。
まあ、上記の展開はいわゆる、個別導入、個別のエンディングですな。

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2.連結
 連結というのは、ストーリーの前後に話を継ぎ足してボリュームを増やす手法です。

起承転結

起承転(結起)承転結

いわゆるキャンペーンですな。
軽量なシステム/シナリオの場合には単一セッションで、ミニキャンペーン的プレイをすることがあります。複数章仕立てのシナリオについては下記で言及したことがあります。

http://simizuna.exblog.jp/3331749
http://sun.endless.ne.jp/users/simizuna/scenario/Cthulh/summer_time/summer_time.htm

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3.複合
 複合というのは複数の別々のエピソードを混ぜ合わせるシナリオです。

起1承1転1結1
起2承2転2結2

起2結1承2承1転2転1結2起1

 こんなにひねったのは普通はやらんが(笑)。

 完全に関連のない話を混ぜるとウザいですが、微妙に何か関連し合ってると面白くなります。個別導入なシナリオできちんと各PCの話を考えるスタイルの場合には普通にやってることではあるかも。

 うちのシナリオだとこれかな~。

http://sun.endless.ne.jp/users/simizuna/scenario/Sin-en/kyou-ei/kyou-ei_idx.htm

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4.フラクタル展開
 フラクタルというのはコッホ曲線です。以下略。
 海岸線の曲がり具合の複雑さ加減が、倍率1/100で見ても、倍率1/10000で見てもほとんど変わらない。起承転結は長いので序破急の構成で言うと





という構成は細かく見ていくと


 序
  序
  破
  急
 破
  序
  破
  急
 急
  序
  破
  急

 序
  序
  破
  急
 破
  序
  破
  急
 急
  序
  破
  急

 序
  序
  破
  急
 破
  序
  破
  急
 急
  序
  破
  急
...

という感じに無限に細部まで同じ序破急の構成を持っている、と考えます。
上の例だと

・1列目 シナリオ全体の序破急
・2列目 シナリオの大まかな章ごとの序破急
・3列目 シーンごとの序破急

という感じ。

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4-1.内フラクタル展開
起1
承1
転1
結1

起1
承1
 起2
 承2
 転2
 結2
転1
結1

という感じに掘り下げていく展開方法。

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4-2.外フラクタル展開
起1
承1
転1
結1

起2
 起1
 承1
 転1
 結1
承2
転2
結2

…という感じに外側に話を膨らませて展開させる手法です。

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4-3.フラクタル展開の実例
 見にくくて大変申し訳ないですが、うちの「万華鏡」というシナリオがフラクタル展開で話を膨らませています。
 http://sun.endless.ne.jp/users/simizuna/scenario/Sin-en/kaleidscope/kaleidscope.html

 これの4行プロットを再掲します。

起1-大義を求めて旅を続ける騎士と、記憶を失った少女が街道で出会う。
承1-少女の過去を知る醜い男の案内で、少女の故郷の村に向かうが、着いてみると村は滅ぼされている。
転1-実は少女は世界を滅ぼす力を持った龍の巫女であったのだ。世界中の人間が少女の命を狙っていることが明らかになる。
結1-大義を求める騎士と、世界を滅ぼす力を持った無力な少女の物語(あとは投げっぱなし~(笑))

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4-3-1.外フラクタル展開と3つの試練
 次にどう展開しているかというと、外フラクタル展開しました。

起2-大義を求める騎士と、世界を滅ぼす力を持った無力な少女が出会って旅をすることになる
 起1-大義を求めて旅を続ける騎士と、記憶を失った少女が街道で出会う。
 承1-少女の過去を知る醜い男の案内で、少女の故郷の村に向かうが、着いてみると村は滅ぼされている。
 転1-実は少女は世界を滅ぼす力を持った龍の巫女であったのだ。世界中の人間が少女の命を狙っていることが明らかになる。
 結1-大義を求める騎士と、世界を滅ぼす力を持った無力な少女の物語(あとは投げっぱなし~(笑))
承2-第1の試練:過去との戦い
転2-第2の試練:現在との戦い
結2-第3の試練:未来との戦い

こんな感じ。
よくおとぎ話なんかで「3つの試練」というものが課されることがありますが、これは何となく好きだから、程よい複雑度で3が採用されるというわけだけではなくて、「起承転結」というストーリー構造にシステマチックに、簡単に、メリハリがきっちりわかりやすく話を膨らませるのに役立つ手法です。

起-主人公の苦境と目的の明示化
承-第1の試練
転-第2の試練
結-第3の試練

という感じに、テキトーに作っても簡単にメリハリのある展開を創出することができます。僕は「どういう課題をPCに与えるか困ったなあ」という時には、とりあえず「3つの試練」を与えて、あとは試練のテーマにひねったネタを入れることにしています。

3という数字は世界的に親しまれているので探せばネタには事欠きません。上記は「過去・現在・未来」というネタを使っていますが、ほかにも、心技体、天地人、雪月花、3高、3K、などなど3の数字で並べられる項目は多数あります。結構面白いので自分で探してみるといいと思いますよ。

あとまあ、個人的には「超かったるいリサーチフェイズとか情報収集するくらいなら、3つの試練をババン!と出してそれをクリアするために知恵を絞ってもらった方がセッションは盛り上がりませんかね?」と思いますがどうでしょうか。

まあ、情報収集も、情報の内容(衝撃の事実の連発!とか)とか組み合わせに凝れば面白いサスペンスフルな展開ができるんですけど、かなり難しいし、ネタが(僕は)そんなに出てこないので^^;。

一応

http://sun.endless.ne.jp/users/simizuna/scenario/Sin-en/kyou-ei/kyou-ei_idx.htm

このシナリオなんかはその辺に凝ってみたんですけど、PCが新しい事実を知ったり、PC同士が情報交換して新しい事実を知るたびに衝撃が走る!ほんのちょっと前まで仲間だと思っていた相手が、ある情報が流れた瞬間に仇敵に変わり得るという、かなりえげつなくやってます(笑)。

 まあ、それはさておき、だれがちな中盤にメリハリのある展開を付けるには

・とりあえず3つの試練を入れてみる

というのが結構有効だと思います。あんまり情報収集しなくていいですし。情報収集って結局

・GMのストーリーの垂れ流し

なんですよね。個人的にGMのストーリーを聞くのもそこそこ面白いんだけど(面白さの10%くらい?)それよりも、PCがどんな話を紡ぐ方が面白いと思っていて(面白さの60%くらい?)、あとはコミュニケーションとか、作戦を考えるとか(面白さの30%くらい?)。そんな感じで僕の脳内の面白さの優先順位としてはかなり低いので避けるようにしてます。じゃー代わりに何をやるかって言えば「3つの試練」とかの目の前に見えるミッションを次々出して行ってそれをクリアする方向で話を進めるのが結構定式的に運用しやすいと思います。

あと、「3つの試練」のメリットとしては、クライマックス戦闘でミッションクリアする手法を放棄した場合、それ以外の障害はやっぱり戦闘と比べてインパクトに欠ける部分があるので、数を増やすことでインパクトに厚みを持たせることができます。3つに分割するとリソース管理計画で頭を使う余地が出てくるというメリットもあると思います。

あと、クライマックスが1回しかないと、そこでうまく活躍し損ねると、そのあとの立て直しが困難という弊害がありますが、3回にすれば1回失敗しても残り2回のうちの一つで活躍すればいい、というリスク分散の効果もありますし、3回にしてそれぞれ違う傾向のミッションを出せば、それによってPCの活躍場面の棲み分けが出来るという効果もあります。

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4-3-2.内フラクタル展開と詳細化
 上のシナリオ「万華鏡」次はこんな展開をして話に深みを持たせてみました。

起2-大義を求める騎士と、世界を滅ぼす力を持った無力な少女が出会って旅をすることになる
 起1-大義を求めて旅を続ける騎士と、記憶を失った少女が街道で出会う。
 承1-少女の過去を知る醜い男の案内で、少女の故郷の村に向かうが、着いてみると村は滅ぼされている。
 転1-実は少女は世界を滅ぼす力を持った龍の巫女であったのだ。世界中の人間が少女の命を狙っていることが明らかになる。
 結1-大義を求める騎士と、世界を滅ぼす力を持った無力な少女の物語(あとは投げっぱなし~(笑))

承2-第1の試練:過去との戦い
 起3-騎士と少女は町に逃げ延びる
 承3-少女は死んだはずの自分の父親と再会する
 転3-少女がかつて力を使ったとき死ぬはずだったのだが、そのとき自分の父親が身代わりになって命を助けられたのだという過去の罪を知る。そして父親は罪を償うため、少女に世界を滅ぼせと命ずる。
 結3-少女は世界を滅ぼすかどうか葛藤する。滅ぼさないと決めた場合、その意志の強さを試される。

転2-第2の試練:現在との戦い
 起4-騎士と少女は世界中の人々に追われ、砦に追いつめられる
 承4-砦で少女はかつて自分を作った魔族に「お前は私が創った最大の失敗作だった」といわれる
 転4-少女らのかつての仲間であった竜騎士が現れ、世界を滅ぼしかねない少女をあえて助けようとする大義とは何か、問いかけられる。竜騎士が納得すれば、彼は助力してくれる
 結4-生き延びるための脱出行

結2-第3の試練:未来との戦い
 起5-仲間の騎士が死ぬ
 承5-仲間の醜い男が死ぬ
 転5-仲間の吟遊詩人が死ぬ
 結5-少女が死ぬことになる。すべてを失った少女の死の間際に龍が現れ、世界を滅ぼすかどうか、再度問われる。


まあ、こんな感じで。
ただまあ、このシナリオって、たいてい2章で少女が死んじゃうことが多いんですけどね^^;
タナトスに囚われたプレイヤーって多いなあって思うんですがどうなんでしょう。


んでわ
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by namizusi | 2009-03-11 22:50 | TRPG


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