巻き込み型導入パターン:(・_・)

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しつこく、上記をもうちょっと分析してみる。
結構、ノウハウが集積してるっていうか。



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1.ポイント

・ハンドアウトを使用しないことを前提にした導入パターン
・3段階でステップアップする導入方式
・30分でクライマックスぐらいにいきなり盛り上げる

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2.ハンドアウトを使用しないことを前提にした導入パターン
 ハンドアウトを使って「猫好きだ」とかすれば楽なんだが(初心者向け)、しかしPLが自発的に選んだ方がモチベーションの上がり方が高い(当社比3倍くらい)のでPLの嗜好と思惑を読んで、敢えてリスキーな導入を選んでいる。

 宮崎駿的「電波」というか。

 宮崎駿作品のヒロインって電波が飛んでる人ばっかりなんだよね。
 良いけど。

 でまあ、GMに慣れてない人がこんなところでこんな博打を打つと失敗すること請け合いなので、あまり真似しないように。

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3.3段階でステップアップする導入方式

段階0)弱さの主張
 書いてないけど、導入で「猫は病気で年老いていて先は長くなさそうだ」と弱さを強調しておく。ヒロインを出す時には弱さを主張しておくことが必要。

段階1)受動的で軽い選択をさせる
 敵?が現れ、猫(ヒロイン)を売るかどうか、問いかける。
 断っても引き受けても大したリスクは無い(ように見える)。

 重要なのは

・生殺与奪権はPLが握っており、かつ、大した責任はなく気楽に選べる

 というところである。

 なんでも好きにしてくれちゃって構わんよと、丸投げにすると

 「自分が好きにして良いものだ→自分のものだ」

 という所有感覚が発生する。

段階2)能動的で軽い選択をさせる
 猫(ヒロイン)が行方不明になるので、探すかどうか?を選択させる。
 探させるための引きとして、段階0で弱さを強調することで

・PCから離れて一人で行ってしまったら、猫(ヒロイン)は結局酷い目に遭うであろう

 ということを予感させるのが重要。段階1の「所有感覚」と複合させて

・自分が助けなくちゃいけない?助けるしかない?

 という心理状態に移行させる。
 まあ、ここで見放した場合は、あとで酷い結果になったとしても

・あの時、君が(酷いことになり得るのはわかった上で)見過ごしたんだからしょうがないよね

 と、言い訳が立つのでOK。
 見放さず踏みだした場合はPCが猫(ヒロイン)と積極的にかかわっていこうというスイッチがONになった、とみなせる。

段階3)重い選択を持ちかける
 積極的に関わろう、とフラグが傾いてきたら、そこで安心せずに

・さらにもっと強いフラグを立てろ!

 と、たたみかける。もうちょっと具体的に言うと、命がけのとても大変なミッションをここに来て初めて持ちかけたりする。この時に猫(ヒロイン)が、ミッションに対してとても真摯な態度であることを表明して印象付ける必要がある

・フラグが傾きかけた勢い+真摯な態度/共感

によって、一気に過激で熱い目的意識まで引っ張り上げる。

結果として
 開始30分くらいでいきなりクライマックス並みに盛り上げる。(うまくやればね)

 まあ、1セッションかけて後ろのクライマックスに向けて上のような構造で盛り上げてくセッションもあるが、それとは展開の持って行き方が違う。とりあえず開始30分で「当事者感覚」「自発性」の領域まで持って行く感じ。

 慣れれば、完全にパターンなので、それぞれの「段階」にいかにそれっぽいターニングポイントを思い浮かべられるようになるかで、システマチックにコンスタントにできるようになる、はず。

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4.カリオストロの城的巻き込まれ例(悪い例)

 カリオストロの城の導入部分っぽい導入をする人に時々遭うのだが、受け身的ストーリーメディア作品としては良い(感覚で進む話で吸収に良いし)が、TRPGの導入としてはいまいちと考える。問題点としては

・いきなり敷居が高すぎる
 ・ルパンはスーパーマンで強いしトラブル大好きな性分だから
  設定的に関わる方向に進んでOKだと思うが、
  PCがそうである保証はどこにもない。
  見てる分にはOKだが、いざ自分がやるとなるとためらう人もいるものであるし、
  世界観的に合わない場合もあるし、PC設定的に助ける方向に傾かない場合もある

 結局、カリオストロの城でもその辺の苦しい動機付け部分を後付けで「実は大昔に助けてもらったことがある」とかいう設定を付け加えて補足したりしている。

 ハンドアウトはその辺のモチベーションの上昇を一足飛びに有効にする効果がある。
 ヒロインが実は知り合いだったのだ、とか、何か罪悪感とかの理由があって助けるとかそういう理由付けをあらかじめしておくことが出来る。

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5.ハンドアウトの特性
モチベーションを上げる、という観点におけるハンドアウトの特性は

・モチベーションの上げ方はPLの技量に依存する(任せる)

というところである。

本論で述べているのは、GMのマスタリング技術でモチベーションを盛り上げる揺さぶり方について、である。

弱く押して
引いて
強く押す

というパターンである。

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6.危険な分岐と選別性
 ゲームブックとかノベルゲーの場合は、選んだだけで即死するような理不尽な分岐を仕込むのは1個の演出技法であるが、TRPGの場合に、そういう分岐を敢えて仕込む意図としては

・うまく行った場合「俺たちPL(PCでなく)は、危険な選択を潜り抜けた選ばれた者だ」という優越感/モチベーションの上昇を促せる
・高確率で上手く行かせるため、PLのナチュラルな心理を読んで分岐を準備する必要がある
・なので、実はたいていうまく行く。超空気を読めないとか、趣味の合わない人ばかりでない限り
・「うまく行った」という結果が分かったところで、実は危険な賭けだったのだ、と明かすことが肝要
・デッドエンドは、TRPGにおいては、選ばれず、しかしそんなリスクがあったのだ、と、後でわかることに意味がある
・うまく行かなかったときは適当にお茶を濁す(笑)、そういうこともあるさ
・本格的に上手く行かないときは趣味が合わない可能性が高いので、まあ、あきらめる

 普通は、上手く行かなくてもソコソコ体裁が整うようフォローを考えておくのが常套手段であるが、

・これで上手く行かなかったらセッション失敗で良いや

というわがままな組み方をすることが時々あります。あるラインから振り切れたようなシナリオをやるときはそんな感じでやるくらいに腹を括った方が、良いマスタリングが出来る、というか。

マスターして大きなゲインを得たいなあ、と思った場合にはその分大きな賭けなりリスクを冒す「覚悟」が必要だと思う。



そんなところで
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by namizusi | 2009-06-19 00:17 | TRPG


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