起承転結の転:(・_・)

TRPGで起承転結の転をプレイすることについて。

参考サイトは以下。

・「ヒロインのいる風景」
 http://blog.talerpg.net/rpg/archives/1761

・完成させられない論考のメモ書き
 http://d.hatena.ne.jp/accelerator/20100715

・D&D4版雑感(今さら
 http://blog.livedoor.jp/sawatari23/archives/51741931.html



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1.「転」の必要性
 そもそもTRPGに起承転結の「転」や、序破急の「破」みたいな「ひねり」が必要かどうかですが、

・エンタメ系の、ストーリーとしての面白さを追求するなら必要

です。追求する気がないなら要りません。「エンタメ系の、ストーリーとしての面白さ」の世界では「予想の斜め上を行く展開」というものが求められています。はっきり言って、最初に提示された話が、特に波乱もなくするっとそのまま解決した、ではストーリーとして面白くない。

 まあ、水戸黄門のような定番話のように

・メタに、あらかじめどんな展開がされるかが共通認識されている

話もありますけど、あれはあれの文法で「ひねり」が入ってるわけです。例えばその回の話のメインキャラが悪代官に殺されたりなんかして、それを咎めるために水戸黄門ら一行が立ちあがる、とかいう展開ですね。

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 もう一つの「転」の必要性としては、

・TRPGを問題解決のゲームとして考えた場合、最初に暗示された問題を解決するだけでは足りない。突発的に発生した不測の事態に対処できるかどうか、というところも試すことで、初めて問題解決ゲームとして完成する

という点も挙げられます。業務訓練でRPGの手法で訓練をすることがありますけれども、当初の目的(何かのプロジェクトの運営)なんかをシミュレートしたりしますが、このとき、最初に与えられた目標を達成するために、段取りが上手く出来るか、とかいうことが試されますが、それらをすべてうまくやっても、何か別のトラブルが発生して、その緊急事態に対してうまく対処できるか、というのも試されます。

・事前に与えられた目的に対してうまくやれる-長距離走的問題解決能力のテスト
・突発的に発生したトラブルに対してうまくやれる-短距離走的問題解決能力のテスト

ていう感じです。

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2.「転」を発生させる各種手法
 下記があります。

1)PLの予想外の行動によって
2)ダイス目・ランダマイザの神秘によって
3)ランダムチャートによって
4)シナリオであらかじめ準備しておく

 注意点としては下記。

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・発生タイミングはセッション時間の4分の3のタイミングで
 6時間セッションであれば、開始4時間30分のタイミングで発生させる

 ・対策の話し合いや準備で30分
 ・最終戦闘で1時間

 で、1時間30分で処理するのが、体感的によろしいです。

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・伏線の張り方
 ・伏線をきっちり張って、重大な危機を提示し、しかもPCに無理やり解決させる方向
 ・伏線をまったく張らず、軽微な危機を提示し、PCが問題解決せずに逃げてもかまわない

 個人的には、GMの負荷軽減のために後者の方が良いんじゃない?と思ってますが、好みでどうぞ。

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・「転」を発生させるのは1回だけにする
 何度も何度も発生させ過ぎると

 ・何が正しくて
 ・何が誤解で
 ・どこが終わりなのか

というのが分からなくなって、意外性による面白さが消失してしまいます。というわけで、回数を1回とか、テクニカルなシナリオなら3回にするとか、回数制限してPLに明示しましょう。回数さえ分かってれば、論理的につじつまが合わなくても、身体的に受け入れられるというところがあります。

 身体的に受け入れられるっていうのは、映像作品で顕著なんですが、アニメ「ガン×ソード」の第6話「ハートに火をつけて」なんかがそんな話です。主人公(ヒーロー)の「俺、何でこんなところにいるんだろう」と首をかしげながら悪者をやっつける流れですね。感情的に繋がってなくても、形式で話として体裁が整ってしまうのです。

 TRPGのセッションって限りなく身体的で、プレイ後に「よく考えたら全然つじつまあってねー!」ってことが良くあります。TRPGのノリはリズムが重要ですので、上手く掴んで利用しましょう。

 で、回数制限があるので、


「シナリオで準備したイベントを投入するまでもなく、すでに『転』の展開が出来てしまってる」


というときは、GMは無理やりイベント投入するのをやめた方が良いです(僕は良くやります)。その辺の見極めは身体で覚えるべし。

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3.「転」の処理の各種手法
 「転」の処理の手法はいろいろあります。

1)抱き合わせ商法
・「ヒロインのいる風景」
 http://blog.talerpg.net/rpg/archives/1761

 ここの手法は強制的にラスボス戦闘をさせる系のシステムで培われた手法と言って良いと思います。ミステリ系の小説なんかで、バラバラに発生したと思っていた事件が、よく調べてみたら、それら全部が繋がっていたのだ!的展開によって「転」が発生するやり方です。

<メリット>
・ラスボス戦がほぼ確定的にプレイ出来るのでプレイ計画が立てやすい
・事前に伏線を張るので、すんなり「転」を了承しやすい

<デメリット>
・PL的にはAを達成したいだけなのに、GMサイドはBを達成させたいというジレンマが発生し、ここをPLの自然な心理として受け入れられるよう、うまく処理できないと、押し付けプレイに様変わりする。
 最悪、GMの思惑通りBは達成したのに、Aは消化不良のままになってしまうという「事故」が発生しやすい
 あるいは、PLがGMを攻略してBを解決せずにAのみ解決して終了、という状況になった場合に、GM側に不満が残る。

・ヒーローもの系TRPGで良く取られる手法だけど
 ・PC以外は問題解決できない(PCに大きな力を与える引き換えで)
 という点も「押し付け」を助長する

・押し付けないとBをPCたちに解決させられないというところに「補助輪」の限界が見える

・ヒーローもののストーリーの面白さとしては「無私の行為」が感動をより高めるという法則があるが、これと明らかにバッティングする。ヒーローものを志向したシステムでありながら、ヒーローものストーリーの根源的な面白さを表現できないという、根本的な欠陥がある

……実際は、こんなに酷いことはないと思うんですけど(笑)、ちょっとネガティブに協調して書いてみました。「抱き合わせ商法」って、あざといんで嫌いなんですよね。「あなたのための物語」を読んで「責任のない自由な立ち位置にあるときこそ、革新的だったり、英雄的な行為が出来る」っていう考えになるほどなあって、しみじみ思ってるので、かなり偏っていると思います。

 このスタイルはPCがヒーローで、不測の事態に遭っても勝利が(ほぼ)約束されてるようなシステム/世界観に合ってますでしょうか。

→ハリウッド映画系の展開に近い?

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2)キャラクターの成長に託す(主にPL)
 Aの目的が解決した状況で、本当に深刻なBという問題を提示し、PLたちが純粋な善意からBという問題に立ち向かってくることを期待するやり方です。

<メリット>
・「自分が、解決したいと思うから解決する」という真の当事者性をPLから引き出すことが出来る
・英雄物語の基本文法に則っており、それだけで物語的に感動的な展開となる

<デメリット>
・D&D(クラシック)で、こんなことをやってるとマジ死ぬ(笑
・Bという問題に対処せずにセッションが終わり、Bにセッションの盛り上がりを仮託し過ぎていると、微妙に盛り上がらないセッションとなる

 僕はこの方式が好きですが、このスタイルは

「PCは普通の人で、ヒーローでも何でもない」
「PCは弱弱である」
「PCは、どちらかというと悪人だ」

というような、システム・世界観の場合に、合ってると思います。PCが最初から悪人だったり、弱いとわかっていれば、無理をして試練Bに立ち向かって失敗しても「それは無茶した結果だから仕方がない」と、失敗も受け入れやすいです。

→フランス映画とかの悲劇系の展開に近い?「レオン」とか。

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3)別に解決できなくても良い
 別に解決できなくても良い、というやり方があります。
 PCが弱くて、PCが解決できなくても警察が解決してくれるとか、そんな方向性です。この方式の場合は、問題を解決するよりは「とりあえず生き延びる」のが最終目標に変わったりします。

<メリット>
・PCが弱くても良い
・伏線を張らなくても良い
・別に解決しなくても良い

<デメリット>
・「真の目的」にまったくタッチせずに終わることがある
・ミッション失敗することが良くあり得るので、成功した達成感が足りなくなることがある

→吉本新喜劇の手法。とりあえず、最後にヤクザとか強盗が現れて、主要キャラたちが右往左往してくれればよいという状況を作り出すことがある



いちおうこんなところで。

次は、TRPGセッションを3幕8場の構成にする方式を解説しようかと。

・「ヒロインのいる風景」
 http://blog.talerpg.net/rpg/archives/1761

ここの構成も、結構良いと思うんですけど、いろいろ足りないんですよのう~。



んでわ
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by namizusi | 2010-08-05 21:48 | TRPG


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