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ネット上コンテンツの校正費用見積り:(・_・)

http://d.hatena.ne.jp/ninjahattari/20101205

上記が、上記サイトの記事にしては「珍しく」よく整理されて実用的な良記事だったのですが、ポイントの2番

>2.どうでもいいところが間違っている

を、クリアしようとする場合「校正」というのが必要になります。が、そんなの素人記事で出来るわけないじゃん(爆笑)というわけで、それでもがんばってチェックしようとした場合、どれくらいの費用がかかりそうかを見積もってみた。



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1.サンプルデータ
 前に、800字くらいの原稿を5人くらいで寄ってたかって校正してみる、という試みをしたことがありましたが、かなり品質の低い記事で50箇所くらいの問題個所を検出するのに30分くらいかかりました。

 一応「校正」作業の役割としては2点ありまして

1)誤字脱字、書き間違いのチェック
2)事実関係の確認

というところをチェックされることになります。

 現状「コピペされた記事かどうか?」というチェックはされないので、どっかの会社のルールブックでWikipediaからコピペしても校正で検出することは出来ないのですが、だから、謝罪文が出たけど今後同じ問題が二度と出ないかどうかはかなり当てにならないと思っていますが、とりあえず現状の対策としては社員教育して「そもそもコピペするのは良くないことだ、という意識を植え付ける」のが効果的ですが、やってますかねえ。どうなんざんしょうw。まあ、その辺はコピペチェックのシステムが絶賛研究中ですので、そのうち自動化されてサクッと検出できるようになるかもしれません。コピペ論文とかコピペ創作物を作ってる方々には痛手かもしれませんが、そのうちそういうのがサクッとチェックできる時代がやってくるものと思われます。

 大分横道にそれましたが結局

・800字原稿/誤字脱字チェックのみ
 →1人でチェック:2.5時間

というくらいのコストがかかったということになります。「事実関係の確認」の方は、チェック者に広範な知識が要求されたりしますのでさらに難しいことになりますが、とりあえず簡略化のため割愛。

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2.時間単価
 次に、時間単価ですが、役職のない人が1時間作業した場合の時給は1,000円くらいが妥当と思いますけれども、校正作業の単価は比較的単純作業ということで限りなく費用を削られて……まあ、3分の1くらいかなあと。すると

・300円/1時間/1人

というくらいになると思います。

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3.原稿の文量
 次に、論説文の文量はどれくらいか? ですが、短めで4,000字、こってり書いたもので8,000字くらいですかねえ。少なめに見積もって

・4,000字

ということにしましょうか。

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4.結局費用は
 800字が2.5時間ということは、4000字は12.5時間になります。
 で、1時間300円ですから

12.5×300=3,750円

ということになります。いろいろ端折って削ってるので、4,000円くらいが妥当でしょうか。つまり1個のWebコンテンツ論説文が作成された場合

>2.どうでもいいところが間違っている

という問題を完全に回避したいと思ったら

4,000円

くらいの人件費が必要となります。

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5.自己チェックしようとした場合
 上記は、プリントアウトした原稿を、原稿作成者でない人がチェックした場合の話ですが、素人が記事を書いた場合誰かにチェックしてもらうなんてことはまずあり得ませんし、またプリントアウトしてわざわざ校正するなんて手間もかけません。そうすると、バグの検出率が格段に落ちるのですがどれくらい落ちるかというと

・プリントアウトしない場合
 →2分の1~3分の1以下

・自分でチェックする(脳内補間で格段に検出率が下がる)
 →2分の1~3分の1以下

というくらいになります。まあ、4分の1~10分の1くらいになるということですね。なので、それを補うよう十分な時間を確保しようとすると、悪く見て10倍くらいの時間がかかることになります。

 ということは、自己チェックしようとした場合は、人件費が

40,000円

くらい必要、となります。

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6.費用の分割について
 上記費用を読者が負担しようとした場合、別に1人の読者で全額負担する必要はありませんので、該当コンテンツを参照するユーザで分担する手があると思います。ちなみに具体的にどれくらいのユーザが該当コンテンツを参照するかというと、1日100hitくらいの弱小サイトで週1件ずつ記事を書いたとすれば

・(のべ)700人

のユーザが該当コンテンツを参照しますので

・記事作成者が個人チェックする場合
 40,000 / 700 = 57.1円

・校正組織とかを作ってチェックするようにした場合
 4,000 / 700 = 5.7円

くらいになります。

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6.結論としては
 というわけで、元記事の

>2.どうでもいいところが間違っている

という問題を何とか解消しようとした場合に取れる対策としては

対策案1)チェックは個人でしてもらう。チェック費用は読者で負担する
 →コンテンツを見るのに60円くらい払って見るようにするのが妥当

対策案2)校正チェック組織とかを設立してそこでチェックダメ出しする体制を作る
 →コンテンツを見るのに6円くらい払って見るようにする
 →校正チェック組織の設立費用を募金とか募って別途用立てる

対策案3)「2.どうでもいいところが間違っている」というのは素人記事ではどうしようもないものだとあきらめ、読者の方でそこにこだわらないよう気を付ける

の、以上3つになります。

まあ、僕としてはどれでも良いんで、好きなものを選んでくださいませ。

わりと真面目に考えると論文系の記事に値段を付けて売り出す体制を作るなら、1記事100円くらいで売るのが人件費的に妥当かなあと。もちろんその場合はきちんと校閲した記事を書いて品質維持する必要がありますが。

あと、有料会員制サイトにする手もありますが、その場合は月額200円くらいが妥当なラインか?



そんなところで
by namizusi | 2010-12-09 02:05 | 雑感


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