ぼちぼち。
次の週末に突然「TRPGやってみたい!」という超初心者が現れたので卓を立てるかもしらん。
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上記に載ってた童話(児童文学)のグレードとTRPGをプレイする上での境界線って、結構親和性が高いなと思ったので、TRPG向けに「グレード」というものを整理してみる。
セッションの募集時とか、プレイ中に、どこまでがOKでどこがNGという境界線を見分ける参考になるかと。あと、TRPG初心者を引き込む時は、最初はグレードの低いところから始めた方が良いでしょうという、目安になるかと。
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1.童話のグレード
「公募ガイド1月号」に児童文学におけるグレードについて記載されており、わかりやすいので要約引用します。
1)幼年童話
話は短い。
ひらがな。
情感がストレートに伝わる擬音。
読んですぐわかる平易さ。
2)小学校低学年向け
原稿用紙10~30枚くらい。
低学年でもなじみのある題材を扱う。
シンプルな構成。
×伏線、仕掛け、過度の描写。
直感でわかる話。
3)小学校中学年向け
原稿用紙~70枚くらい。
自我が芽生える。痛み、悲しみ。
ある程度「理屈」が通じる。
シンプルな構成。
4)小学校高学年向け
原稿用紙~200枚くらい。
客観性。
論理性。
自分自身、友だち、家族、社会についても考えるようになる。
ユーモア。ウィット。
5)中学生
原稿用紙~300枚くらい。(一般書籍(長編)と同程度)
読解力はほぼ大人と同等。
性/死については大人の読み物と同等には扱えない。
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2.TRPGにおける境界線
上で印を付けたところがTRPGを実際にプレイする上で表出する境界線です。
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ちびっこ向け
単純な構成
情感がストレートに伝わる
身近な題材なら扱える
・現代日常もの?
・ダイスを振ってるだけで楽しい
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3)小学校中学年向け
自我が芽生える。痛み、悲しみ。
ある程度「理屈」が通じる。
・バッドエンド、苦境が使えるようになる
・哀しいエピソードへの理解
・論理的な敵の導入(単にぶん殴って倒せば良いだけではない敵)
→シンプルなジレンマであればプレイ可能な状況に
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4)小学校高学年向け
客観性。
論理性。
自分自身、友だち、家族、社会についても考えるようになる。
ユーモア。ウィット。
・「メタプレイ」の概念を解するようになる
・ある程度複雑な情報収集系シナリオが出来るようになる
・PLが周り(他のPL、GM)への配慮が出来るようになる
・ブラックユーモアが通用するようになる
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5)中学生
性/死については大人の読み物と同等には扱えない。
・PCや重要なNPCの死が扱えるようになるが、制限付き
・性的描写が扱えるようになるが、制限付き
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おとな!
・死の描写について、何でも扱える
・性的描写について、何でも扱える
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3.ポイント
・TRPGでは「死」が簡単に発生するが、
プレイする人間の精神年齢的に受け入れ難い可能性が高い
→PCの死の回避
→NPCの死の回避(りゅうたま)
→戦闘(死)の概念がシステム上ない(ゆうやけこやけ)
・哀しい状況に対して同情するプレイが可能かどうか
・バッドエンドは、メタプレイを解する前から理解可能になる
ただし、メタプレイを解する前にやるとトラウマになるかも
→「マッチ売りの少女」は対象年齢4歳以上(幼年期)となっている
・メタプレイを理解できるくらいなら、ブラックユーモアもすでに理解可能
・性描写は大人向け
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4.TRPGセッション運営上のグレード
グレード0)(精神年齢が)幼年向け
・ダイスを振ってるだけで楽しい
・敵を叩きのめしてるだけで楽しい
グレード1)(精神年齢が)小学校中学年向け
・「悲しいお話」が使えるようになる
・(シンプルな)ジレンマ
グレード2)(精神年齢が)小学校高学年向け
・「メタプレイ」
・「ユーモア(ブラックユーモア)」
・「情報収集」
・「複雑な人間関係」
グレード3)(精神年齢が)中学生
・抽象化された「死」
・ライトな性的描写
グレード4)(精神年齢が)おとな!
・リアルな「死」
・リアルな性的描写
基本的にTRPGの対象年齢層って中学生以上のはずなんですが(12歳以上~とよく書いてあった)、個人差があるので、人によってグレードを下げた方が良い場合があります。
あとまあ、コンベンションやオンセで知らない人と遊ぶ場合は、下のグレードから徐々にどこまでOKかを計った方が良いかもしれません。
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5.TRPG固有のグレード
上記は対象年齢によるグレードの話ですが、TRPG固有のとっつきにくさによるグレードというものも存在します。
グレード0)完全に無知
TRPGという概念すら知らない。
グレード1)聞いたことがある
→みんなで話を作るゲーム? くらいの概念はある。
グレード2)CRPGをプレイしたことがある
→戦闘の数値計算がわかるかも
→単純数値はわかるかも知れんけど「組合せ」はわからないかも
グレード3)リプレイを読んだことがある
→「演技」という概念を知っているかも
グレード4)昔、ちょっとだけプレイしたことがある
グレード5)特定システムをやり込んだことがある
グレード6)バリバリ現役
羞恥プレイにこの辺で目覚めるかもw。
負けプレイとかマゾプレイとかそんなのも。
グレード7)やり過ぎて人生を踏み外した
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6.セッション募集時の注意点
卓の募集時に、上記グレードで引っかかりそうなポイントは明示した方が良いでしょう。
<確実に明言した方が良いと思われる項目>
・PC死亡の可能性がある。全滅の可能性がある
・(エンギアとかで)ヒロインとラブコメチックに絡む展開がある(性的描写……というか恋愛要素?)
<環境による(現場のシステム傾向と極端に違う場合など)>
・「演技」「演出」「キャラクタープレイ」「会話」を積極的にやるかどうか
・メタプレイが必要な場合(なりきり主流な環境だと理解を得られないことがあるので)
・NPC登場人物が多くて人間関係がややこしい場合
・情報収集/事件調査をやるかどうか(特にPLの知力を使うかどうか?)
・ブラックユーモア
<特に明言しなくていいと思うんだけど、たまにひっかる人がいる>
・哀しいお話、ジレンマの導入
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7.初心者向けなシステム/向かないシステム
上記グレードの低いシステムが比較的初心者相手に導入しやすいと思われます。
「萌え」はライトな性的描写になるので、表紙絵がやべえ!というのは初心者には導入しづらい(ビーストバインドトリニティとか)。
・初心者向け:短時間で終わるシステム
戦闘がない、もしくは極めて簡便である
・初心者向け:死の概念がない
ウィッチクエスト
ゆうやけこやけ
ピーカーブー!
・初心者向けでない:性的描写がある(萌え含む)
・絵柄(表紙)の問題
昔、表紙絵がラノベチックになってきたのは問題では? という話がありましたが、とりあえずTRPGを知らない初心者を導入する上では明確に上記グレード的に問題である。そういうシステムから入りたい場合は、事前に
・ラノベ
・コミックス(萌え系)
・アニメ(萌え系)
・ゲーム(萌え系)
etc...
に、ある程度慣れ親しんでるかどうか確認した上で誘った方が良いでしょう。
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8.個人的結論
・今度の環境は「ラノベ」とか「萌え」に対しての忌避感がかなり強いようなのでその辺は避けようかと。(必然的にFEARゲーは対象から除外)
・戦闘ルールについては、組合せとか難しいのは出来なさそう。
・「物語を作る」「キャラクターを作る」「会話する」に対する興味は強いと思われる。
・「ゆうやけこやけ」を臆面もなくやるほどピュアではないかもしれない。興味はあると言ってもさすがに照れるかも
……というところから「ピーカーブー!」が良さそうかなあと思ってますが、どうなんですかね。「数値計算によるリアリティ」という概念にもちょっと触れてもらえると良いかなあという。
性的問題(萌え)の件で、表紙絵で引っかかる人が多そうな状況で、そうすると選択肢がかなり狭められるのがなかなか辛かったりしました。純粋に初心者向けシステムって、けっこう難しいかも。
そんなところで。