オブジェクト指向シナリオ(4)


 今回は継承関係について解説する。オブジェクト指向シナリオ(1)~(3)も予習しておくこと。

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 TRPGのシナリオで継承関係を考える場合にその概念が適用できるのはPC&NPCであろう(「シーン」に対しても可能ではあるが…物語形式をある程度抽象化しないといけない)。図の解説を以下に。

1)人間(クラス)
 図は人間であるPC/NPCを想定している。人間でないPC/NPCの場合には非人間の種族ごとの特性(属性&振る舞い)が記述されることになる。

2)ルールで規定するキャラクター
 属性&振る舞いは省略。例えばクトゥルフのPCの場合能力値がSTR、POW、DEX…などがあり、技能が回避30%、言いくるめ40%など…を持っているという概念をオブジェクト指向では

・属性(フィールド)

と言う。「1D100を振って技能以下が出ると判定が成功する」という振る舞いを規定している概念をオブジェクト指向では

・振る舞い(メソッド)

と言う。

3)クラス
 SWやD&Dのようなクラス制システムでは単純に低レベルの属性/振る舞いを決めるだけではなくてそれらの傾向や追加の属性/振る舞いなどを指定して「クラス」と呼ぶことがある(オブジェクト指向で言う“クラス”とは異なる)。

4)テンプレートキャラクター
 能力値・技能・クラスなどを指定済みですぐに使える作り置きのキャラクターのこと。採用しているシステムとそうでないシステムがあるし、継承関係も図のように直列に繋がっている場合とそうでない場合がある。

5)ハンドアウト
 PCやNPCの物語上の役割(属性&振る舞い)を規定したインタフェース。PCに対しては規定するシステム(&セッションスタイル)と規定しないシステム(&セッションスタイル)がある。PCに対するハンドアウトの場合は振る舞いの戻り値としてどのようなリアクションをすべきか規定していることが多い。NPCの場合は属性として「悪役」とか「ヒロイン」とか「依頼者」とか「助言者・助力者」とかが設定される。

6)キャラクター
 PC/NPC本体。さらに追加で属性&振る舞い(設定)を実装することが可能である。この部分を実装するのはPCの場合はPL自身である。

 以上のように、TRPGでのキャラクターは図のような継承関係を持っていると考えることが出来る。

 次回はこれらの継承関係を想定することによってTRPGにおけるキャラクターの位置付けなどへの影響がどうなるかについて解説することにする。(つづく)
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by namizusi | 2005-01-01 17:38 | TRPG


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