あけましておめでとうございます。
よろしくお願いしたいのかよくわからんのですが(ていうか、いつも『嫌なら見るな』と宣言してるので、自己責任で、こちらでは責任を負いかねます)、ぼちぼち今年もたまには書いていきたいと思います。
昨年半ばあたりからすっかりTwitterの方に移民してしまいましたが、あちらでは書ききれないまとまったよしなしごととか(TRPG関連)、しばらく「バルナ・クロニカ」を掘り下げてこうとかそんなようなことを気が向いたら書いていこうかと。
とりあえず最近出た「R&R vol.87」「ゲーマーズ・フィールド 16th season VOL.2」で何を思ったかこぞってゴールデンルールキャンペーンをしててわりと面白かったので、それについての個人的見解など。
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1.背景
・参考記事
「R&R vol.87」
・カオスフレアの記事p.16~17
「ゲーマーズ・フィールド 16th season VOL.2」
・アリアンロッドRPG 2Eサポートコーナーp.66~67
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2.論点
『ゴールデンルール』と言ってもどんどん意味が拡大、魍魎化してよくわからないので(笑)以下の2点だけに注目します。
・GMにすべての決定権を与えるべきかどうか
・GMが勝手にルール改変することの是非
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3.個人的意見
前からずっと書いてる気がするのでめんどくさいのですが、いちおう論点整理のため。
1)ある特定の環境では必要悪的に『ゴールデンルール』を使わざるを得ないだろう、それはしょうがないんじゃないっすか
→何度も言った気がするので説明略
2)GMに勝手にルール改変されるのはPLから見て不快である
→ゴールデンルール適用の不快度合いについては昔分析記事を書いたので略
3)別に決定するのはGMでなくても良いんじゃないですか?
→後述
4)「ルール議論」の意義
→後述
5)本当に議論してる時間は無いのか?
→後述
6)合議制は本当に時間がかかるのか?
→後述
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4.別に決定するのはGMでなくても良いんじゃないですか?
いちおうカオスフレアの記事の方では、どこかで誰かが諸々のことを決めなければならないという話が出ております。
現実には
・話し合って決めるというシステムはありました
・状況を限定してPLに決定権を譲るシステムがあります(シーンPLが登場PCを決定するシステムがあります)
・ダークブレイズ、シナリオクラフト、Wローズ、ミストキャッスル、ジャイアントアレージなどのGMレス環境ではどう決定しているのでしょう?
……というような状況があり、件のシステムではGMが決定するのを推奨してるかもしれませんが、他のシステムでは必ずしもそうではないのです。
カオスフレアの記事の方では「声の大きい人が決めてしまう」という問題提議がされてますが、別にルールで「誰に決定権があるか」が明記してあれば済む話ですよね。
あとは、個人的見解ですが
・何でもかんでもGMに承認を得なければならない
というのは、それだけで多大な負担です。
「マネジメント・コスト」とか言います。
ルールとか世界観に造詣の深い別のPLが判断するということがあっても良いんじゃないでしょうか。参加メンバーの了承も得られるならGMの考える範囲が減って楽になりますし。
実際、コンベンションで何でもかんでもGMに確認を取らないと納得しないPLというのがいて、実にうざったい。ルールに詳しいPLが「これこれこうなんじゃない」とか、解釈を表明したときにGMが特に文句を言わなかったら、
・GMもOKと思っている
と、空気を読んで解釈していただけると助かるのですが。いちいち頷いたり、検証したり、考えるだけでも思考回路を使って脳が疲れるのですよ。PLが自説でOKと言えば少なくとも当人は無条件納得なんですから、それでいいじゃないですか。そんな文句を言うのはルールブックをワシより読み込んだ上で言ってる可能性が高いですし。
んで、コンなような話はマネジメントの世界では「任せる技術」の話になりますが、例えばPL任せにすると「インチキするんじゃない?」という懸念が書かれています。それこそ
・PLを信じてないんだなあ
という昔からの一貫した姿勢が面白いのですが、個人的には
・GMこそ信用ならない
と思っているので、思想の違いかもしれません。
でまあ「任せる技術」では、インチキをしても検出する方法はあって、TRPGの場合はセッションの進行によるリソースの変化具合で、大枠の進行管理するようにすれば、インチキされても大して変わらないというか、例えば「ハンターズムーン」の場合は
・PC&モノビーストの破壊部位
・気力の増加具合
・アイテムの消費具合
というリソースさえ、ルール上あり得る限界を超えてなければ、途中でインチキやルール誤認で値が多少増減したところで、最終決戦の状況はそんなに変わらない。最終決戦はもちろん全員揃ってチェックしながらきっちり戦いますので、そういった「ブレ」は誤差の範囲で済むんですよ。
というわけで、別にGMがいつも決定しなくても良いんじゃないかと思います。
上記はゲームに関する問題でしたが、例えば話の舞台の名前とかNPC名とかなんかはゲームの進行管理としては限りなくどうでも良いので、決定権をPLに譲って全部決めてもらった方が楽かなあと。
また、上記の両記事では
・ゴールデンルールを使うと「GMの負荷が減る」
という話が書かれてますが、ワシの意見としては上記の根拠により、
・決定権をGMに集中するだけで負荷が増える(マネジメント・コスト)
・ルールで、状況によってGM以外の人に決定権を譲ると負荷が減る
・インチキ防止のために進行管理のルールが必要
(既存のルールで何が「進行管理リソース」か見極める必要がある。DXの「浸食度」など)
→いちいち個別に裁定するよりは負荷が減る
という考えです。
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5.「ルール議論」の意義
カオスフレアの記事の方で(p.16)
>「ルールブックの解釈がふたつに割れたとしましょう。どちらの人も、自分はルールどおりだ、と主張するはずです。では、ここでするべきなのは、どちらがよりルールとして正しいか議論することでしょうか? いいえ違います」
という意見が書かれています。
ワシはこれに反対です。
理由は
1)「ルール解釈」とはTRPGでは「世界観の解釈」と不可分である
2)TRPGを物語的に楽しむ向きでは、物語の3要素、
・「背景」→背景世界、世界観
・「人物」→キャラクター設定
・「事件」→クリアすべき課題とか話の展開
について、プレイを通して共通認識を構築していく遊びと考えるのだが
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・「人物」
プレイ開始のキャラメイクやハンドアウトなどで刷り合わせをする
・「事件」
今回予告などで事前すり合わせをしたりする。
どうやったらクリアできるかを擦り合わせるのがセッションそのものである。
・「背景」
→ルール議論
(ルール議論以外のすり合わせもあるけど)
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という感じに、
・「人物」「事件」について刷り合わせをするにもかかわらず
・「背景」についてのすり合わせを拒否するのは根本的な片手落ちである
というわけで、むしろ「ルールについての議論はすべきである」という意見です。
ただまあ、例えば「人物」――キャラクター設定についてケンケンガクガクし過ぎて話が進まなかったらセッションとして本末転倒ですし(僕のPCはパン屋だからそんな事件には関わらないよ! とか)、「事件」――についてあら探しし過ぎてセッション崩壊したらそれはそれで本末転倒ですし(ラスボスの設定がわりとテキトーだったりする場合など)……というのと全く同様に、「背景」――「ルール議論」に時間を取られ過ぎてセッションが進まないのもそれはそれで本末転倒と思います。
なので、
・PCの設定について議論/擦り合わせをする
・話の展開とか課題について議論/擦り合わせをする
のと同程度に
・「背景」――「ルール議論」について議論/擦り合わせをする
というプレイを実行するのが、公平なセッションであると考えます。
ちょっとは議論をさせろとw。
で、件のシステムで背景世界についての議論を避けたがるのは、背景世界とかシナリオの裏情報とかはGM・デザイナー側の権限範囲だから、PLに浸食されたくないという
・エゴ(わがまま)
働いているように読み取れます。
そのエゴは何となくわからんでもないけどw。
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6.本当に議論してる時間は無いのか?
いちいち議論してる時間がないので、GMにとりあえず絶対権限を与えるのだ~的話が昔からされており、それに対してワシは「議論する時間の余裕を取ってないGMが悪い」と言っております。
ワシの見解としては、
・GMが本当にセッション中要らない部分を徹底的に全部削った上で「時間が足りない」というのであれば、それは本当に時間が足りないのでPL側がゆずるべき
と思うのですが、実際には、まったく何も削られていないように感じられるので納得いかないというところがあります。
最近では「増税」の話が出ておりますが、
・政治上の無駄を全部排除してそれでも足りなかったら増税すれば良いが、そもそも政治上の無駄を全部排除出来ているのかどうか、大いに疑わしい。にもかかわらず増税するのは筋違いではないか?
という考え方がありまして、TRPGセッションの「時間が足りない」議論も同じであります。
で、具体的にどこら辺が無駄であるかを説明するのはシステムごとに異なるので難しいのですが、発想を逆転させて
「セッションを成立させるのに最低限必要なシーン数・場面数」
を考えれば、それ以外はすべて無駄~というか、その日のセッションから除去しても特に問題はない要素であるということで、下記に整理してみました。
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◆TRPGセッションで最低限必要なシーン/場面数
<1>ラスボス戦闘をメインにしたセッション
→1シーン/場面
クライマックス戦闘さえ出来ればあとはどうでもよい
<2>3部構成(序破急。ひねりのないシンプルな構成)
→3シーン/場面
<3>4部構成(起承転結。ひねりが1つある構成)
→4シーン/場面
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……というわけで、FEAR社系のラスボスと戦闘するシステム・シナリオの場合、
・クライマックス戦闘の1場面
だけあればセッションは成立しますので(1時間くらいでしょうか)、それ以外を全部削りきった上で、それでも時間が足りなかったらそこで初めて
『君たち、議論してる時間は無いよ』
とGMが言う権利を得られる。それが「筋」かなあと思います(笑)。(かなり極端に言ってます(笑))
なので、クライマックス以外の場面、すべては
「PLにプレイさせていただいている」
と、謙虚にとらえるのがよろしいかと。……いちおうPC自己紹介、決着用の「導入」「エンディング・エピローグ」なんかは、GM用というよりはPL用の場面ですので、最低限入れさせてもらっても良いかなーと思いますが。
あとまあこちらで
http://theinterviews.jp/kodachiukyou/2520441
>もし、セッション終了時間までに情報が出きらない、と判断したなら、突然すべての情報を持っているNPCがよろばい歩いてきて、敵の基地のメモを渡して死んでもかまわないのです。
という話が書かれてましてその通りですが、上記のようなもっと時間を絞った環境では、例えば導入部の酒場でPLがルール議論で白熱して時間が多大に取られてしまったのであれば、セッション終了1時間前(エンディングも余裕を持ってやるなら2時間前)に、ラスボスが酒場を襲撃してきて最終決戦をやれば良いのです。きっと他のNPCが上手いことやってすべてお膳立てしてくれたのでしょう。
というわけでまとめると
・時間が足りないという主張するなら、シナリオの不要部分を全部削り切ってから言え
というのがワシの主張ですw。
ワシが既存シナリオをマスターする時は、冗談ではなく、本当に、中盤を全部ごっそり削ってとっととクライマックス突入にすることがあります(いやだって中盤がうざったいし)。シナリオ作成者の御託を延々たれ流すよりも、PLたちが面白い議論をしてるならそれに任せる方が
・楽しいし
・GM楽
なので。
あと、3部構成、4部構成は、GM/シナリオ作成者側で多少ドラマチックな展開が欲しいな~というときは、絞ればせいぜい3場面、ひねりがあるなら4場面で表現することが出来ますので、そこだけに絞りましょうということです。
オンセ向けに超短いセッションをするときにも使える手法です。
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7.「合議制」は本当に時間がかかるのか?
・「キャット&チョコレート」
http://ja.cat-choco.com/
というゲームがありまして、あれは合議制なんですけど、1個1個の裁定はせいぜい1分で決定します(笑)。
というわけで「合議制」だと時間がかかるというのはただの偏見です。
以上。
……「話し合って決めようとすると際限なく時間がかかる」という偏見が生まれた背景は日本の教育ではまともに議論の仕方を教育してくれないので、学生レベルだとまともに議論出来る奴がほとんどいなくてグダグダになるのが原因と考えられますが、たぶんカリキュラム上は教えるべきとなっていて「パネルディスカッション」のルールとか授業で教えてもらったことはないでしょうか?
TRPGセッション上であらゆる問題をいちいち合議していたら確かに面倒なのですが、重要なポイントではGMに絶対権限を与えず、話し合いで決定するという方針にする手があると思います。ただ、先に述べたように議論の仕方を知らない人が多いと思われるので、合議のルールを明確にした方が良いかと。TRPGシステムで明文化しても良いかもしれません。
「キャット&チョコレート」のルールの場合は
1)判定者が、判定の根拠をプレゼンする
2)全員で投票。半数以上で可決
となります。
ルール解釈が割れた場合は
1)解釈1のプレゼン
2)解釈2のプレゼン
3)採決
とかやればよろしいかと。公平を期すために各解釈案のプレゼン時間は同一にしましょう。
で、口の上手い奴が議論に勝ち続けるのが嫌だったら採決の部分に、ダイスとかでランダム要素を入れればよろしいかと思いますが。
いちおうまあ、天羅系とかゆうやけこやけ系のチットのルールも投票システムですよな~。
ちなみに合議制でもっとも簡素なルールは
1)とりあえず話し合う時間を決めて(15分とか)時間がきたら強制的に結論決定
でしょうかね。
「合議制」を採用する場合は、少なくとも「時間制限」を議論が始まりそうなところで明確にしましょう。
まー、そんなところで。