「泣きます」宣言問題:(・_・)

 先日Twitterの方で話題になって、ちょっと面白かったので整理してみる。

0)背景
 PCの親しいNPCが苦境に陥ってどうしようというところで、PLが「(自分のPCは)泣きます」と宣言。GMが想定した問題解決を放棄してしまい困ったという問題。

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1)個人的見解
 何が問題なのかさっぱりわからん(笑)。



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2)周辺状況
・GMは呆気に取られてしまい対処に困った
・件のPLはメンツの中の唯一のベテランで、他のPLたちは初心者ばかりでフォローが困難だった

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3)物語志向的に見ると
 この問題というのは

・GMがNPCの問題をクリアして欲しいと思っている(GMの物語)
・PLがPCの問題をクリアして欲しいと思っている?(件のPCを慰めるとか励ますとか)(PLの物語)

の2つの物語のどちらがセッション進行上、重要と考えるかという問題と捉えることもできます。

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3-1)物語的に盛り上がる対処方法
 最近のエンタメストーリーの基本は

・キャラクターの内面の葛藤をクリアする(決断)
・キャラクターの外面の葛藤をクリアする(物理的対決)

の2つが同期してクリアされると気持良い(カタルシス)、ということになっています。
 今回の問題は

・PLがPCの問題をクリアして欲しいと思っている?(件のPCを慰めるとか励ますとか)(PLの物語)
 →内面葛藤
・GMがNPCの問題をクリアして欲しいと思っている(GMの物語)
 →外面葛藤(障害)

と、照合できるので


・両方クリアできれば素晴らしいカタルシスを得ることができる!


ということになります。実においしい状況w。
 ただ、「PLが「(自分のPCは)泣きます」と宣言」というのは突発的事態なので、余裕を持った時間管理をしてないと対処が難しいというのはあると思います。

 一応、これを実現したセッションとしては「旅する大樹とあるく赤い砂漠―Replay:りゅうたま (integral)」なんかがあります。特に2つ目のシナリオが「PLが次々にシナリオにない苦境をわざわざどんどん山のように積み上げて、それを乗り越えることでPC同士の強い絆を作り上げる」素晴らしいセッションとなってます。お勧め!

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3-2)GM主導な対処方法
 GM主導の場合には「シナリオ通りセッションを進める」ことを優先するので、


・GMがNPCの問題をクリアして欲しいと思っている(GMの物語)


を優先して、PCの問題は舞台裏なりPLの内面なりで対処してくださいというスタンスになります。

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3-3)PL主導な対処方法
 PL主導の場合には「シナリオはPC(PL)の問題定義を喚起するための『出汁』である」というスタンスなので


・PLがPCの問題をクリアして欲しいと思っている?(件のPCを慰めるとか励ますとか)(PLの物語)


という問題提議こそが「望んでいた展開」ですから、これを拾うことを優先します。で、時間が足りなかったら「GMがNPCの問題をクリアして欲しいと思っている(GMの物語)」は、ポイッと捨てて端折ります。まあ、どっかで何かうまく問題解消されたのでしょう。

 セッションの時間が足りなくなったら

・全部の情報を持ったNPCが現れて全部ぶちまけてくれる
・PCの居るところに敵が押し寄せてきてクライマックス戦闘すればいいじゃん

とかいう対処方法がありますが、こういう時こそ使える対処方法です。

 ちなみに個人的にプレイした経験で言うと、昔やったりゅうたまのキャンペーンの最終話で、シナリオで想定したミッションの前にPC同士が口論を始めてそっちに掛かりきりになり、結局ミッションはすっ飛ばして先に進むという展開になったことがあります。シナリオで作ったミッションをプレイできなかったのはちょっと残念でしたが、PC同士の絆の強さが再確認されてとても盛り上がったセッションとなりました(つーか、そのせいで結婚式になだれ込んだりw)。

 単発セッションでは発生しづらいですが、キャンペーンの場合には、それまでのキャラクターやPLの想いが降り積もって、爆発し、重大な問題提議をされることがあります(PC間の人間関係問題など)。そういうときには、シナリオで想定した進行よりも目の前の積み重なった問題の解消を優先した方が後々の進行に良いこともあるのです。

 個人的には、そういう内輪な問題が立ち上がって解消できたときこそがキャンペーンやってて良かったなーと実感する瞬間だったりします。

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3-4)中庸な対処方法
 上記のGM主導、PL主導の中庸的な対処方法。

 その日のセッションで「PLの要望はすでに十分拾いまくったのでここくらいはGMがわがまま言ってもいいだろう」というときはシナリオ進行を優先し、「今日はGMのわがままを聞いてもらってばかりで申し訳ない」というときにはPLのネタを拾うことを優先するというケースバイケースで対処を変える方法。

 これもありでしょう。

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4)その他の注目すべき要因
 上記の「中庸な対処方法」で考慮する要素としては下記があります。

<1>PLとGMの「わがまま宣言」比率バランス(上述)

<2>PLの中の「ベテラン」の割合
 Twitterの方の状況では「初心者ばかりだった」とのことなので、「(自分のPCは)泣きます」宣言したPLが自己フォローするのがベターだったかなあというのはあると思います。逆に周りが「ベテラン」ばかりの場合は、PL一人が問題放棄したところで周りがいくらでも対処してくれるので(つーか「問題放棄してくれた」→「じゃあ俺の出番が確保できるぜ! ヒャッホー!」な状況になる)、特に問題ないように思います。(わしの想定していた環境はこれ)

<3>GMの対処能力
 Twitterの方の状況では「GMは呆気に取られてしまい対処に困った」ということで、GMに対処能力がなかったわけです。そういう時はPL側がフォローするのがベターでしょう。

 しかし、そもそもアドリブセッション大好きとか、PL主導でセッションしてる人の場合にはGMに対処能力があるので、わざわざフォローする必要はない。

 ところが昨今の「PC(PL?)がセッションの最後まで参加した」を経験点として換算する系のシステムの場合には、とにかくシナリオを優先することを刷り込まれているので、GMに対処能力があろうかなかろうが、「PLの物語」を抑制して「GMの物語」を優先してフォローすることに慣らされてしまっています。

 そこが、個人的に

・最近のPLは遊んでてつまらない
・最近のPLは(自由に発想して話を膨らませることが)下手糞になったなあ

と、しみじみ感じるところだったりします。

 というわけで、提案としては


・GMに対処能力がありそうだったら、とりあえず任せてみようと考えてみる
・シナリオ通りセッションを進めることが必ずしも絶対ではない


というスタンスを頭の片隅にでも思い浮かべてもらって、いざというときにはそれに乗っかってみることにチャレンジしてもらえると良いんじゃないかと思います。とりあえず、そこをうまく乗り越えることができれば、その先に上述の凄い「カタルシス」がありますから(わくわく)。

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 あとまあ、GM側のスタンスとしては

・「PLがPCの問題をクリアして欲しいと思っている?(件のPCを慰めるとか励ますとか)(PLの物語)」という新たなミッションが発生したと考えれば対処しやすい

 でしょうか。
 で、意思判定処理が整備されたシステムなら、さらにサクッと処理しやすいんですけど、最近ワシがよく遊んでる「バルナ・クロニカ」の場合には下記のような感じにプレイ出来ます。

1)「希望」の心魂判定をする

2)結果
 判定成功→「何となかる!」とがんばる
 判定失敗→「もうダメだー!」悲嘆にくれる。泣く。
  →「自己喪失状態」(能動行動不能)

3)対処
・慰めたり応援する。
 1PCにつき1回ずつくらいで
 →「応援のセリフを言う」「何か演出を考える」
 →心魂判定再チャレンジ
・真力(ヒーローポイント)で心魂判定再チャレンジ

4)結果
 ・心魂判定失敗のままの場合は次の戦闘・場面で不利な状態のまま臨む
 ・心魂判定成功の場合は普通に戦闘

 戦闘の合間の「キャラプレイ」「キャラ立て」を生かしつつ、よりキャラ間の絆を深めるプレイが出来てお勧めです(それなりに盛り上がるし)。



そんなところで。
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by namizusi | 2012-02-26 10:19 | TRPG


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