ラビットホール・ドロップス分析(2):(・_・)

 今回は「ラビットホール・ドロップス」(以下「RHD」)ルールブック掲載シナリオ「裏山のリンゴ」の詳細分析をしますので、件のシステムをプレイヤーとして遊ぶかも知れない人は、見ない方が良いかも知れません。

 また、ここでの解釈はワシがGMするならこう解釈して運用するよ、という一例でしかないので、あなたの環境でこれを鵜呑みにして、上手く行かなくても一切の保証はしませんし、責任も負いません。

 上記に了承できる方のみが閲覧していただけるようお願いします。



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1.「裏山のリンゴ」の印象
 僕がパッと見た印象は下記のような感じでした。

・「(戦闘は)そういうのはあまり好きじゃないです」とルールブックに明示してある(p.28)だけあって、必要な戦闘はラスボス戦以外ほとんどなく、ラスボス戦ですら、ちょっと工夫すれば戦う必要なく目的をクリアできる、比較的易しいシナリオ
・しかし、それでもわがままを言って戦いたがるPLがいる、というのを考慮して「戦うことも出来る」ようになっている
・ハック&スラッシュ的にひたすら戦って戦って戦ってクリアしようとすると、難易度が跳ね上がる……が、それもPCの強力な能力をうまく組み合わせて駆使すれば勝てないことはない
・PC死亡はないのでリトライは何度でも出来る

 以上。

 ──ところが、ネット上の評判とかを見ると、

・このシナリオが好戦的なシナリオに見えるらしい

戦闘したがりなPL向けに、戦闘「も」できるようにしただけなのが、そこに過剰に反応して

・「戦闘解決『も』できる」
  ↓
 (過剰反応『色眼鏡』)
  ↓
・「好戦的」

……という風に誤解されるようである。へーっと。面白い。

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2.なぜ「裏山のリンゴ」が「好戦的」に見えてしまうのか?
 実は全然戦闘シナリオじゃないんだよん的解説は、後のシミュレーションで解説します。ここでは「昨今の日本のTRPG環境」に照らし合わせて、いまどきのTRPGerには、そう見えちゃうよね~という話を書きたいと思います。

 考えられる要因としては大きく二つあると考えます。

<1>昨今のTRPGシステムは過度に戦闘偏重なので、脳味噌が筋肉になっている
<2>シナリオ記述の問題

 以下詳細。

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<1>昨今のTRPGシステムは過度に戦闘偏重なので、脳味噌が筋肉になっている
 まあ、要するに昨今のTRPGって

・とにかく戦って戦って戦うばっかりの戦闘偏重なシステムばかりである
・しかも「組み合わせ系」の概念を入れてるので、戦闘ルールが過度にヘビーである

という状況にあります(2012年6月現在)。
例として「プレイスペース広島」の最近のTRPG関連コンテンツの割合を集計してみると(2012年1月~6月)、

・戦闘系TRPG関連コンテンツ 86.5%
・非戦闘系TRPG関連コンテンツ 13.5%

となっております(同人・R&R・資料系は除外)。
今年は「クトゥルフ神話TRPG」の躍進で、むしろ非戦闘系TRPGの比率が増えていると考えられますので、実質、概算は

・戦闘系TRPG関連コンテンツ 90%くらい
・非戦闘系TRPG関連コンテンツ 10%くらい

と考えられます。およそ90%もの高い割合で、ひたすら戦って戦って戦ってばかりいたら、そりゃ脳味噌筋肉になるよな、とw。加えて、戦闘ルールがヘビーなTRPGシステムでは

・戦闘自体を回避されるとロスが大きい
 (PC作成コストロス。シナリオ作成コストロス)


という問題(特性)があるので、

・雑魚敵とか敵が出てきたら、戦闘自体を回避はしないで、とにかく戦う

という「暗黙の了解」が形成されることがよくあります(最近は、多少緩和されたようですが)。
そんなわけで、戦闘能力を持った雑魚モンスターの類が出現すると、脊髄反射的に戦闘することを昨今のTRPGerは条件付けされてるわけです(洗脳)。

 まー、しかしこういうプレイも必ずしも悪いわけではなくて、組み合わせとか、コンビネーションを使った奥深い戦闘を享受したいのであれば、こういうやり方もアリだと思います。それはそれで良い。

 ただ、

・RHDでは「戦闘」の位置付けが全然違う
・RHDの基本的な考え方は「戦闘による問題解決は、あくまで最終手段であって、基本は非戦闘的手段による問題解決を優先する、というスタンス」

という風になっているので、戦闘偏重系TRPGシステムと、同じ思考(暗黙の了解)で遊んだらおかしいわけです。なので、いったん思考をリセットされるのがよろしい。シノビガミなんかのリプレイで、ギャグに流れそうなのを抑止するために「シリアスシリアスシリアス」と、唱えると良い、というネタ話がありますが、「ラビットホール・ドロップス」の場合も同じ感じで

「戦闘は良くない、戦闘は良くない、戦闘は良くない」

と、唱えつつセッションに臨むのがよろしいと思われます。

補足)
 キャラクターの特殊能力とかの性能を見ても非戦闘的解決法の方が、戦闘能力よりもはるかに強力になっています。例えば、ジャッカル族とPCが一対一で対峙した場合

・「騎士」が戦闘で倒して仲間にする
 →最低3行動必要

・「商人」が「このアイテムあげるから、友達になってよ」と言って交渉
 →1行動で解決

……という具合で、このシステムでは

「商人」の方が、「騎士」よりも3倍も問題解決能力が勝っている!

……あんまり強力すぎるので、最終決戦の大蛇と遭遇したときには、能力の使用を禁止されるぐらい強烈というw。

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<2>シナリオ記述の問題
 このシステムでは、基本思想として

・戦闘するかどうかを考えるのが主眼のゲームである(出来れば非戦闘)

となっております。
 そうすると、戦闘可能なモンスターやNPCと遭遇した場合に、

・戦闘:強制(問答無用で攻撃してくる)
・戦闘:選択(相手は様子を見ている? とか)
・相手は友好的である

……といった状態を明確にしなくてはなりません。戦闘中と、戦闘外で使える特殊能力が変わるPCもいますし。ゲーム処理のためにも、この境界を明確にする必要がある。ところが、シナリオの記述はその辺が曖昧になっていて、正直よく分からんと言うかw。旧来のシステムだと、遭遇表とか、反応表とかがあって、その辺がダイス判定で明確になるようになっていました。

 ここは、システムの肝だと思うので、はっきりクッキリ明確にしていただけると助かるかなあと(虚空に向かって)。

 GMをされる方は、NPC・モンスターの遭遇場面について、それぞれ最初にPCに遭遇したときにどんな状態なのか? をはっきり決めてプレイされるとよろしいかと思われます。

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3.「裏山のリンゴ」脳内シミュレーション
 「裏山のリンゴ」を脳内シミュレーションしてみたいと思います。シミュレーションするにあたって、以下の三タイプのPCを想定することにします。

1)極端に最適化されたCD&Dスタイル(以下「CD&Dスタイル」:極端な非戦闘志向)
 CD&Dというと、ほとんど戦闘ルールしかなく、戦闘ばっかりしてた印象があるかも知れませんが、実はあれは究極的には全く戦闘しなくなります。なぜかというと、CD&Dでは、得られる経験値が

 「財宝による経験値:モンスター討伐による経験値」≒「10:1」

というくらいの比率でした。要するに、

「財宝を得るのにいちいちモンスターを倒そうとして危険な目に遭うなんて、
 非効率きわまりない。
 戦わずして無傷で、少しでも多くの財宝獲得できるのが最上。
 石橋を叩いて渡らない。
 どうしても渡らなきゃならないなら石橋を叩いて壊す」

というくらいの、ヤツラが通り過ぎた後にはペンペン草も生えないくらいの極端なスタンスでしたわ(誇張)。
 今回は、システムの趣旨としての

「(できれば)戦闘せずに問題解決する」

の、最も特化したスタイルとして「CD&Dスタイル」でのシミュレーションを行ってみたいと思います。

2)ハック&スラッシュスタイル(以下「脳筋スタイル」:極端な戦闘志向)
 出会ったモンスター、NPCには片っ端から戦闘を仕掛け、一人残らず抹殺し続ける、やっぱり後にはペンペン草も生えない、極端な戦闘志向スタイル。一応、システム非推奨です。

3)初心者スタイル(以下「初心者スタイル」:中庸的で、ただしTRPG経験は一切ないメンツのスタイル)
 一番ありそうな展開? の検証用に。

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3-1.「CD&Dスタイル」によるプレイ
1)「暗い洞窟」(ジャッカル族が寝ている)
 「CD&Dスタイル」では、ジャッカル族を起こすなんて、愚の骨頂なプレイをすることはありません。
 例えば、

「君たちは1レベルパーティーのひよっこである。
 ダンジョン奥の大広間にたどり着くと、
 ドラゴンがグーグーいびきをかいて寝ているようだ。
 さて君は
  →ドラゴンを起こしてみる
  →忍び足で、その場を立ち去る」

という状況があったらどうするでしょう? ……起こすわけないよねw。
また、ジャッカル族は、ヒューマンタイプで、そんなに強そうに見えないというかも知れませんが

「見た目にだまされるな」

というわけで、触らぬ神にたたり無し。起こしません。
まあ、RHD以外のシステムでしたら

「起きる前に急所攻撃でとどめを刺す」

というプレイも、一撃即死できそうなら検討しますが(あくまで検討)、そういう残虐っぽいプレイはRHDでは非推奨ですので、避けます。よって、

・無視して立ち去る

一択となります。

2)「草むらのネズミ」(ヤリネズミ)
 正直、ヤリネズミが即刻襲ってくるかどうかはグレーなのですが「倒されるまで襲ってきます」と書いてあるので、まあ、遭遇したら即戦闘状態になると考えるのが自然と思われます。
 で、シナリオでは「食べ物を投げ与えれば、襲ってくるよりもそっちに夢中になります」と書いてあります。

 さて、CD&Dスタイルでは、交渉の出来ない動物系モンスターを食べ物で引きつけてその間に逃げたり何かする、というのは非常に初歩的な戦闘回避術の一つですので、この策を思い付かないということはありません。CD&Dスタイルでここで考えることは

・戦闘でダメージを食らったときに回復にかかる費用
・投げる食べ物の費用

の二つを比較して、どちらが安上がりで済むか? です。「裏山のリンゴ」では

回復薬:5GP
携帯食料:1/3GP

ということで、食料の方が格段に安く済みますので、

・食料を投げつけてその隙に移動

一択となります。

3)「奥の森」(ヤイバヤギ)
 この場面は、ヤイバヤギが出現するとは書かれていますが、戦闘状態になるとは一切書かれてませんので

・無視

一択となります(笑)。

4)「釣りをする女性」(魔女)
 会話できるので会話します。
 CD&Dスタイルでは「不要な戦闘を避けるためにも情報は命」ですので、引き出せるだけ情報を引き出そうとするでしょう。
 で、うまくはまれば意気投合して、初見で「魔女のペンダント」獲得の可能性まであり得る。

5)「聖域のリンゴ」(大蛇)
 勝てそうにない敵相手に、仲間が引きつけていてくれる間にリンゴを盗む、は当然あり得る展開。
 あと、CD&Dスタイルでは夜襲は基本中の基本ですので、遭遇して一度撤退したら、とりあえず1回は確実に試すでしょう。
 引き返して魔女に相談という展開もあり得ます。
 いずれにせよ、そんなに手間もかからず解決に行き着けます。

 まあ、さらに効率化を目指すのであれば、大蛇と「語り合う」ことは出来るので、語り合って口プロレスで意気投合して、大蛇を仲間にするところまで狙ってくる場合も十分あり得ます。

 何しろ、大蛇と共闘して「リンゴ→回復薬独占流通経路」を確保できたら莫大な利益が!

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3-2.「脳筋スタイル」によるプレイ
1)「暗い洞窟」(ジャッカル族が寝ている)
 問答無用で寝込みを襲うw。

2)「草むらのネズミ」(ヤリネズミ)
 普通に戦って倒す。

3)「奥の森」(ヤイバヤギ)
 ガンガン戦って、無限増殖するのに気付いたらそこで諦める。

4)「釣りをする女性」(魔女)
 攻撃を仕掛けて即逃げられる。

5)「聖域のリンゴ」(大蛇)
 死闘を繰り広げる。全滅?

4-2)「釣りをする女性」(魔女)
 攻撃を仕掛けて即逃げられる。

5-2)「聖域のリンゴ」(大蛇)
 死闘を繰り広げる。全滅?

以下、戦術を駆使して運良く勝てるか、諦める(時間切れ)か、うさぴょんフォローで助力されるまで無限ループする。
──「脳筋スタイル」だと、シナリオが半・無限ループするのが割とえげつない感じw。

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3-3.「初心者スタイル」によるプレイ
1)「暗い洞窟」(ジャッカル族が寝ている)
 起こすかどうかは、

・6(起こす):4(起こさない)

くらいかなあと思われます(体感)。
この場面のポイントとしては

「PLは、起きると襲いかかってくるというのが予測できるかどうか?」

という問題があります。個人的感覚から言えば「六割くらいは予測してくるんじゃないか?」と思います。というのは、子供系のホームドラマかなんかで

・日曜日にごろごろ寝てるお父さんを子供が無理矢理起こすと
 「がおー! おまえたちを食べちゃうぞう!」「きゃっきゃっ!」

……とかいう場面(どんなだ)をわりと定番でやるように思うので、そういうのを見て知ってる可能性が少なからずあるかと。また、直接見てなくても、実体験で、気持ちよさそうに寝ているお父さんとかお母さんを起こそうとして、怒られたりなんかすることもあるかも知れません。
で、六割が予測をするけど、その内の3分の1くらいが好奇心で起こして、やっぱり戦闘という流れになるかと。それらを総合して

・6(起こす):4(起こさない)

という確率くらいになるかなーと。
まー、ジャッカル族はそんなに強くないので、戦闘になっても良いし「根は悪い奴ではありません」とありますので、PC側が起こしたことを謝ったり、話し合いを仕掛けたり交渉を仕掛けてきたら、それに応じても良いかなと思います。

2)「草むらのネズミ」(ヤリネズミ)
 いきなり襲いかかられるのですが

「食料を投げつけてその隙に移動」

という解決案を思い付くかどうかがポイントになると思います。
で、最近「カールじいさんの空飛ぶ家」を観たのですが、そのままズバリの場面がありますね。話の通用しない動物なんかに、物を投げて気をそらすというのは、わりと定番の問題解決なので、知ってる可能性はそれなりにあると思われます。
また、現実に体験してる可能性もありますね(近所の犬に追っかけられたとか)。

というわけで、これもソコソコPLが戦闘以外の解決方法を思い付く可能性があるかと。
弱いので、思い付かなくて戦闘、でも構わないと思います。

3)「奥の森」(ヤイバヤギ)
 プレイ前に「(戦闘は)そういうのはあまり好きじゃないです」と宣言してるわけで、素直な良い子なら戦闘しないと思います。
 しかし世の中良い子ばかりではありませんから、戦闘しなくても良いのにわざわざ、戦闘をふっかけてくることもあり得ます。シナリオ進行上は全く関係ないので、何でもどっちでも良いかなあと。

4)「釣りをする女性」(魔女)
 初心者だと、最初、あまりうまく会話できないかも知れません。
 戦闘を仕掛けた場合は、サクッと魔法で逃げてしまうだけかと。

5)「聖域のリンゴ」(大蛇)
 ここは猪突猛進的にガンガン戦闘に行って全滅する可能性があります。
 全滅しても死亡しませんので、良い案を思い浮かべられず、退くことも考えつかなかったら全滅すればよろしいかと(爽笑)。

4-2)「釣りをする女性」(魔女)
 全滅した場合ここに戻ってきますが、初心者相手の場合、ここでフォローするのが良いと思います(シナリオは素っ気なく書かれてますが)。魔女自身、大蛇を何とかしたいと考えている、という設定になってますのでここでPCと話しましょう。
 PCと会話する場合、下記の質問を投げかけると良いと思います。

質問1)「このあとどうしますか?」
 最初の遭遇「4)「釣りをする女性」(魔女)」では、初対面なので、本当にPCが大蛇のところに向かおうとしているか半信半疑ではないかと考えます。なので、あまり前向きに会話をしないんじゃないかと(特にPCが、山の生き物に対して戦闘ばかりふっかけてた場合)。しかし、ここでPC側が

 「(やられちゃったけど)それでもリンゴを取りに行かないと」

 とかいう決意を示した場合には、PCの決意は本物、と見なせるのでもうちょっと話を聞こうという気になると想像されます(魔女が)(質問2に進むw)。PCが「こりゃだめだ」と、あきらめた場合は、ミッション失敗、サクッと終了でよろしいかと。(おばあさんとか、うさぴょんの助力で挽回する手もありますけど)

質問2)「どうして、何のためにリンゴを取りに行くのですか?(また戦っても勝てない可能性が高いのに)」
 ここで、PC側が善良っぽい意見(薬が出来たらたくさんの人が助かるから、とか)や、中立的な意見(おばあさんに頼まれたのでとにかくやり遂げないと、とか)を言った場合は、魔女は協力することにして「魔女のネックレス」をPCに貸して良いと思います。何も答えないとか、魔女側から見て害になりそうな意見だったら、何も助力しないか、ヒントくらいは出しても良いかもしれません(夜に行けばなんとかなるかも、とか)

5-2)「聖域のリンゴ」(大蛇)
 「魔女のネックレス」 or 夜に接近して普通にクリア。

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4.RHDのPCの移動について
 補足:ルールには何も書いてありませんが、運用上必要なので整理します。

案1)
 魔法使いの弟子の「テレポート」を加味すると、スタート地点がおばあさんのところで、地図上を連続的にずりずり移動していくのかなと思ってましたがどうなんですかね? そうすると、途中で必ず「洞窟」「草むら」「森」のいずれかを通ることになり、どれかをクリアしないと先に進めない感じになります。
 あと、このスタンスの場合は一度行った場所は、特に何もなければ端折って良いという運用になりましょうか。

案2)
 逆に、間を端折ってどこでも移動することが出来る(いきなりリンゴの木のところに行くことも可能)とすると、「テレポート」は「戦闘から脱出する能力」とか「NPCとかを一挙にどこかに連れてく能力」というような位置付けになります。

 上記の案1)、案2)でプレイの方針が大分変わりますので、GMされる方は事前にどちらの方針でやるか決めておいた方がよろしいかと思います。

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5.「裏山のリンゴ」改定案
 上記を踏まえて、自分ならこう改定するかなあという案を以下に書いておきます。

改訂ポイント1)「魔女」の反応
 このシナリオでは「魔女」が、ミッションクリアする重要情報/アイテムを握っているので、ここをうまくプレイすることが、このシナリオをスムーズに回すキモとなると思います。ので、動機付けとか(魔女が山の他の生き物のことをそれぞれどう思っているのか? とか)、PCに対する反応とかをよく錬っておくと良いと思います。

 で、シナリオの記述としては、最初の遭遇はそのままで良いと思うんですけど、p.17の「魔女の手助け」のところで、上記の「質問1」「質問2」を投げかける記述を足すのが良いと思います。これで最低限、解決に向かう流れが出来る。PCが最初からうまく交渉してきた場合の交渉のサンプルとしてもそのまま使えます。

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 PCと会話する場合、下記の質問を投げかけると良いと思います。

質問1)「このあとどうしますか?」
 最初の遭遇「4)「釣りをする女性」(魔女)」では、初対面なので、本当にPCが大蛇のところに向かおうとしているか半信半疑ではないかと考えます。なので、あまり前向きに会話をしないんじゃないかと(特にPCが、山の生き物に対して戦闘ばかりふっかけてた場合)。しかし、ここでPC側が

 「(やられちゃったけど)それでもリンゴを取りに行かないと」

 とかいう決意を示した場合には、PCの決意は本物、と見なせるのでもうちょっと話を聞こうという気になると想像されます(魔女が)(質問2に進むw)。PCが「こりゃだめだ」と、あきらめた場合は、ミッション失敗、サクッと終了でよろしいかと。(おばあさんとか、うさぴょんの助力で挽回する手もありますけど)

質問2)「どうして、何のためにリンゴを取りに行くのですか?(また戦っても勝てない可能性が高いのに)」
 ここで、PC側が善良っぽい意見(薬が出来たらたくさんの人が助かるから、とか)や、中立的な意見(おばあさんに頼まれたのでとにかくやり遂げないと、とか)を言った場合は、魔女は協力することにして「魔女のネックレス」をPCに貸して良いと思います。何も答えないとか、魔女側から見て害になりそうな意見だったら、何も助力しないか、ヒントくらいは出しても良いかもしれません(夜に行けばなんとかなるかも、とか)
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改訂ポイント2)「大蛇」の強さ
 このシステムの基本コンセプトに沿った「非戦闘行動による問題解決」を強調するのであれば、もっと強力にして良いと思います。絶望的なぐらいに。るるぶ掲載のドラゴンとか、あるいはそれ以上の強さにしても全然構わないと思うんですが、どうなんですかね(酷笑)。

 PC全員で協力してやれば、そこそこ勝てる絶妙のバランスになってるのは、デザイナー様の良心かなと思います(しみじみ)。

 で、そもそも、このシナリオの目的は「リンゴを手に入れること」ですから、別に「大蛇」を倒す必要なんか全くないんですよね~。

 ……という諸々を鑑みるに、このままシナリオ記述通りで良いんじゃないかと。

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6.まとめ・感想
 というわけで、まとめると

・初心者相手だと、ラスボス相手に最初は敗れ(最悪全滅)、魔女と和解して助力を得、ついに強敵を打ち倒す(あるいは和解する)

という、どこの熱血展開だ!!!(笑) という、非常に熱いシナリオだと思います。

「いきなりPC全滅も辞さない」、「死亡はない」というシステムを存分に生かした、結構すごい(w)シナリオかと。

 あるいはPLたちがひたすら和解するとか友達になるとかしてプレイするなら、「大蛇」を、いかに説得するかというヒューマンな展開にもなり得て、プレイする人の人間性をそのまま映す鏡のようなシナリオかと思います。

 というわけで、RHDの入門として非常に良いシナリオだと思います。
 できれば、同じシナリオを色んな人相手に、何度もやってみると良いんじゃないでしょうか。
 メンバーによって、いかに展開が変わり得るか、色んな遊び方があるか、というのをたっぷり味わえる、非常に懐の広いシナリオではないかと思います。



シナリオの分析はそんなところで。
次回は、このシステムのPCの能力を分析すると

・非戦闘的問題解決方法にはこういうものがある

というのが理解できるようになっていて、これはRHDに限らず、汎用的に使えるテクニックとして非常に役に立つと思うので、その分析を書きたいと思います。

そんじゃま。
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by namizusi | 2012-06-13 23:46 | TRPG


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