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TRPGにおける脳内当てゲーの面白さ:(・_・)

 TRPGのセッションでリドル(謎解き)をどう入れると良いか、とか問題点の話が出てたときに、「『脳内当てゲー』=つまらない」という認識が、まことしやかに語られていて、

 それってどうよ?

と思ったのと、以前の記事で脳内当てゲーの面白さについて解説すると言っておきながら放置してたのを思い出したので、

・ラビットホール・ドロップスでわかる非戦闘的問題解決技法(2):(・_・)
 http://simizuna.exblog.jp/18854913/

改めて書こうかと思います。

あとまあ関連で、「水平思考」とか「ナラティブ」とかの話にも脱線しておる(すまぬ(何))




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1.「脳内当てゲー」とは何ですか?
 「脳内当てゲー」とは、本論では次のように定義します。

1)出題者が正解を思い浮かべる
2)出題をする
3)回答者は、正解についての質問をしたり、何らかのアクションを起こす
4)出題者は、質問についての回答をしたり、アクションに対して、「正解」に基づいたリアクションを返す
5)3)~4)を繰り返す
6)回答者は、正解がわかったと思ったら宣言し、回答する

 こんなような手続きをして出題者の思い浮かべた「正解」を当てるのが、本論で言うところの「脳内当てゲー」となります。

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2.個人的スタンス
 個人的には、いろいろ意見を言うときの根拠として便利なので(説明を端折れるし)「『脳内当てゲー』=つまらない」というスタンスで意見を言ってるときもありましたが、今後は一切やめようと思います(決意表明)。
 個人的見解としては、

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・TRPGで「脳内当てゲー」をするには色々問題があり、納得する部分もある
・一方で「脳内当てゲー」をTRPG黎明期に散々やって、とても楽しんだので、TRPGで「脳内当てゲー」を楽しむことも十分可能である
・「『脳内当てゲー』=つまらない」という認識がまことしやかに語られるようになったのは、

・「シノビガミ以前の、情報隠蔽への忌避感」
・「どんでん返しの忌避感」
・「話し合いを「グダグダ」と呼んで弾圧し続けたこと」
・「水平思考ゲー」的なPLの自由な発想を封印したかったので

……という文脈で、一部スタイルの遊び方と相性が悪かったので、よろしくないという認識が、どさくさに紛れて広められたのではなかろうか?(想像)
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 というような感じに認識しております。
 しかし、今のTRPG界隈の、楽しさ・面白さの認識というのは、

・絶対的に、これが正しい/間違っているというものはない
・古い遊び方だからといって、それが悪いということはない。新しい遊び方だからといって、それが優れている・良いとは一概に言えない
・遊び方のコンテクストを合わせれば、古い遊びでも、新しい遊びでも、極端に異なった環境でも、現に楽しんでいる・いた人がいるのであれば、条件さえ整えれば楽しめる
・何はともあれ、当人が楽しんでるならそれでよい

 という感じで、「脳内当てゲー」であろうが、現に楽しんでる・楽しんでた人がいるのであれば、それは楽しめるものだ、と言えると考えます。

 で、私自身はTRPG黎明期の頃に散々楽しんでたので、やり方によっては楽しめるという認識です。

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3.個人的体験
 私が「脳内当てゲー」的遊びをTRPG上で、どう楽しんでたかと言いますと、ダンジョンものシナリオでやってました。
 全部で20部屋くらいの3Dダンジョンを作って(垂直の通路とか作ったわ)、それぞれの部屋に入る扉が、全部隠し扉だったり、仕掛けのある扉であるということにして、1個1個の

「扉をどうやって開けるのか?」

というパズルゲームとして延々プレイしてました。
 ちょっと前に流行った「脱出ゲーム」みたいな感じでしょうか?
 1部屋平均2個ずつぐらいの扉があったので、計40扉、1日1扉攻略していって1~2ヶ月間ぐらい、ずーっと毎日毎日、猿のようにダンジョン攻略して遊んでおりました(若気の至り)。

 いや、楽しかったなあ。

 まあ、PLとの間に信頼関係が出来ていて、ワシは常に、客観的で、公正な判断を下す、と思われてたのでしょう。だからゲームになった。
 「脳内当てゲー」として遊んだからこそ得られたメリットもありました。

1)PLの発想力・想像力を試せる
 「脳内当てゲー」では、見た目上制限がありませんので、思い付くまま何でも試せるというメリットがありました。(「水平思考ゲーム」的?)

2)サプライズ
 目に見えない「正解」が明らかになるのが気持ちがよい。

3)意志疎通/コミュニケーション
 「脱出ゲーム」でも、繰り返しやってるとわかりますが、出題者の思考の「パターン」があります。それが読み解けたとき、意志が通じたな、という感じがする。

4)ルールレス的
 発想が、当たったかどうか? が主眼の遊びですので、別にダイス判定とか入れる必要がない。
 ワシが遊んでた環境では、
 朝登校したら授業開始までTRPGして、
 授業の合間の放課の時間(10分程度)もTRPGして、
 昼の休憩はもちろんTRPGして、
 授業が自習になったらTRPGして、
 授業中も隙あらばTRPGして、
 授業後ももちろんTPRGして、
 学校からの帰りもTRPGして
 ……と、四六時中遊んでおりましたので、24時間、いつでも、どこでも、ひたすら遊び続けるには、キャラクターシートとか、ダイスとか、いちいち持って遊ぶということ自体がプレイの邪魔でした(遊びすぎて先生に睨まれるので注意!)。
 そういう環境では、むしろ「ルールレス」的であったり、「脳内当てゲー」の方が、遊び方として合っていた、というわけです。

5)短時間でサクッと遊べる
 ルールレスの話と絡みますが、発想力を試すだけで、ルール処理が要らないので、合間にサクッと遊べます。

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4.「脳内当てゲー」の面白さを生かしたゲーム
 「脳内当てゲー」の面白さを生かしたゲームも数多く出ております。

1)脱出ゲーム
 少し前に話題になったゲームです。
 「『脳内当てゲー』の極致」と言っていいと思います。
 ブラウザゲームの脱出ゲームは、マウスクリックを繰り返して正解を見つけ、最後に部屋などから脱出するゲームです。
 質疑応答の代わりに「マウスクリック&反応」で正解を探っていくゲームになっています。
 最近は「リアル脱出ゲーム」と言って、イベントでプレイされており、書籍も色々出ています。「リアル脱出ゲーム」は、もう少し明確なゲームになってるようですけれども(提示されたパズルを単純に解くとか)。
 実は、概念としては知ってたけど実際に遊んだことはなかったので、ちょっと遊んでみました。

・フルーツキッチン
 http://funkyland.jp/game/fruit-kitchens01.html

 数時間夢中になるくらい楽しめました。
 うん、面白い面白い。

2)ウミガメのスープ
 「脱出ゲーム」がビジュアル的な「脳内当てゲー」であるのに対して、こちらは「言葉」によって、正解を絞っていくゲームになっています。
 これも一時話題になりましたな。

・ウミガメのスープ
 http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%A6%E3%83%9F%E3%82%AC%E3%83%A1%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%97

3)ブラックストーリーズ
 「ウミガメのスープ」と同様の仕掛けで、カードに書かれた問題の正解を探っていくゲームです。わりと売れてるみたいで、続編も出るとか?
 質問が「必ずYES/NOで答えられる質問をすること」となってたり、ヒントの出し方などが整備されてるようです。

・『ブラックストーリーズ』リプレイ
 http://www.groupsne.co.jp/products/bg/bs/bs_replay.html

 ……こんな感じに「脳内当てゲー」の面白さを生かしたゲームはいくつか出ており、その面白さも、ある程度、確立されたものと言って良いと思います。

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5.TRPGで「脳内当てゲー」を遊ぶ際の問題点
 TRPGで「脳内当てゲー」が忌避されることがあるのは、遊び方によっては問題が出ることがあるからと考えられます。
 次のような問題があると思います。

1)公平性の問題
 出題者が悪意を持っている場合、回答者がせっかく正解を答えても、気に入らないので「不正解」と答えるかもしれません。
 逆に出題者が(おせっかいな)善意を持っている場合、回答者の回答が不正解でも、「正解」と答えてしまうかもしれません。--一部のスタイルでは、この『おせっかいな「善意」』こそ、TRPGのエンタメ性だと考えられているみたいです(私見)。
 ここで重要なのは、

 悪意によって正解を歪めるのも、
 善意によって正解を歪めるのも、

 いずれも「脳内当てゲー」のゲーム性を破壊してしまうということです。で、ゲーム性が破壊されるということは、そのゲーム性によって求められていた「楽しさ」も損なわれることになります。

2)コンテクストの問題
 出題者と回答者が同じコンテクスト(共通認識)を持っていれば、回答者の質問・アクションは的を得たものになりやすいですが、そうでない場合は、正解とかけ離れた質問・アクションをしてなかなか正解にたどり着けないという事態に陥るでしょう。
 また、人によってコンテクストが読める人/読めない人の格差が発生して不公平感を味わうことも考えられます。

3)試行回数・時間の問題
 試行回数・時間が限られていると、十分な試行が出来ずに欲求不満のまま、不正解だったり、ぶっちゃけられてなんだかしっくりこない正解を押しつけられる危険があります。

4)発想の自由さ
 「脳内当てゲー」は、水平思考的枠組みによってPLの想像力を刺激し、PLにシナリオ作成者が想定もしてなかった抜け道に気付かせてしまう危険があります。
 たとえば、ダンジョンのゴブリン攻略で「ゴブリンを兵糧責めにする」というような突飛なアイデアですね(笑。
 シナリオ作成負荷が高く(コストが大きい)、帰納法的なシナリオ作成がされてる場合(融通の利く範囲が狭くなる)には、PLの発想に対して柔軟に対応するのが困難になりがちですので、相性は良くないと言えると思います。
 相性が悪いので、対応できない場合はぶっちゃけて

「すまんけど、今日のセッションではそれに対応できないので、シナリオに従ってください」

とか言うのは全くありだと思うんですけど、GMによっては、そういう発想を思い付くこと自体を、嫌悪したり、思想統制したがる人なんかがいらっしゃいます。それは人道的にどうなんだろうと思うのですが(苦笑)。昔だと、発想力がありすぎて、いろいろ思い付いちゃうんだけど、内輪卓では煙たがられるので、おとなしく窮屈な思いをしてせせこましくプレイしてらっしゃるPLさんが、ワシの卓では、

「なんて自由にプレイできるんだろう」

というような感想を漏らされることがよくあったんですけど、今は改善されたんですかのー?

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6.TRPGで「脳内当てゲー」を遊ぶ際の対策
 問題点が明らかになれば、対策も考えやすくなります。次のような対策を入れれば、「脳内当てゲー」でプレイが詰まっても、ある程度解消できるようになるでしょう。

1)PLの信頼を勝ち得る
 「このGMは、ルールやリソース管理を常にきちんと公正にやる人だ」とPLから信頼されるようになれば、「脳内当てゲー」はゲームとして機能します。(さらっと簡単そうに言う)

2)「正解」を明記する
 「正解」を紙に書いたり、カード化して、「内容を勝手に書き換えないよ!」と、PLに明示することで、「正解」はGMの都合で書き換わったりしない、ということを保証できます。

3)シナリオの主旨を煮詰める
 シナリオの主旨として、

「絶対揺るがない正解を見つけてもらいたいのか(謎解き的面白さ)?」
「ポーズとして、謎を解くカッコいい探偵系キャラを演じたいのか?」

を、絞って、できればPLに表明すると良いかと思います。「脳内当てゲー」では、前者が主眼となります。

4)練習問題・反復
 「コンテクスト」をどう合わせるか? への対策ですが、正解の「パターン」を把握してもらうために、同じような「脳内当てゲー」を何度も繰り返すのも良い手です。ワシが、猿のようにTRPGを遊んだ頃は、それこそ40個もの仕掛け扉パズルをやり尽くしましたので、そりゃまあ、お互いパターンが読めるようになりますよな(ぐるぐる

5)状況の限定
 ワシの環境では「扉を開ける」ということに状況を限定しておりました。「扉を開ける」だけに絞れば、その周辺で出来ることには、限りがあるし、「扉」というのは日常にあるものですので、想像もしやすかったりします。

6)リスクなしで試行錯誤できる
 「ウミガメのスープ」だと、オプションで質問上限20個までという制限を付けて遊ぶやり方もありますが、基本は制限がありません。慣れてきて、お互いのパターンが読めるようになったらそういう制限も楽しめると思いますが、最初、お互いのコンテクストがよく読めない間は、無制限に試行錯誤できるようにするのが良いと思います(制限時間はある程度付けた方がいいかも……1時間とか)。
 致死性の罠を出す場合は、蘇ってきてまた試せるようにしたりするとよろしいかと思います。

7)「謎」を知らせる、ヒントの出し方
 まず「ここに隠された何ものかがあるよ」と明示することが重要と思います。
 そもそもそこに何かがあると知っていなければPLは反応することができない。
 「謎」は解かれたいものなので、最初からすべてを明らかにすることはできませんが、

・そこに「謎」があること
・その重要度はどれくらいか?
・その周辺状況はどんなか?

 というのは、ある程度知らせることができ、そうやって興味を引くこともできます。
 それがまず重要と思います。

 それから、ヒントの出し方も重要です。
 ヒントの出し方は、あらかじめ練っておいた方がいいかもしれません。段階的に正解が読めるようなヒントがよいですかのー?
 あと、イラストなどの非言語的ヒントは、かなり易しくそのものズバリ出しても、意外と意味がわからなかったりします。
 「ブラック・ストーリーズ」はカードに描かれたイラストが重要なヒントとなっています。
 「ラビット・ホール・ドロップス」の「シナリオアート」は、シナリオ・地図をイラストとして描いて遊ぶルールですが、絵が拙ければ拙いほど「謎めいた手がかり」として機能するようになっています。
 「ピクショナリー」みたいに、PLに自分で描いてもらうのも面白いかも。

8)プレイ時間について
 あらかじめ、ゆったり目に時間を確保しておくと良いでしょう。
 あっという間にクリアされてしまった時用に、予備のイベントなど準備しておくのも良いかもしれません。

9)「脳内当てゲー」以外の課題もシナリオに入れる
 「脳内当てゲー」は、発想力を試せる面白いチャレンジの一つですが、そういうものよりも、戦闘や、キャラクターの演技/演出や、説得などのプレイに充実感を覚える人もいますので、適度に課題の指向を散らしておくと、飽きずに多様な嗜好に対応できるセッションができるかとー。

10)演繹法的シナリオ・箱庭・ダンジョン
 PLの発想によって多様な展開が促されることがあるので、どういう選択をされてもそれなりに対応できるシステム・シナリオなどのスタイルを採用すると遊びやすくなるでしょう。

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7.おとぎ話における「脳内当てゲー」と、前提変換
 おとぎ話の世界では無理ゲーとして「脳内当てゲー」が提示されることがあります。

「俺の名前は何だ?」

 とかいう問題です。
 いや、定番なんですけど。
 そんなのわかるかと!(笑

 そういう場合どうするかというと、

・どこかに言ったり、誰か知ってる人に聞く。それを探す課題に置き換える。
・当人に、うまく名前を白状させる課題に置き換える。

 といったような、別の課題に置き換えることで対処できます。そういう発想力の問題として「脳内当てゲー」を用いるのもありと思います。

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8.「帰納法的シナリオ作成:垂直思考」と「演繹法的シナリオ作成:水平思考」
 「ウミガメのスープ」は、「水平思考」の例としてよく挙げられます。対立する考え方として「垂直思考」というものもあるようです。

・水平思考
 発想の幅広さ・思いつきによって要素を付け足し、正解を発見する

・垂直思考
 与えられた状況・情報を元に、掘り下げ、最適化していって問題解決する

 TRPGシナリオ作成の方法の一つとして、帰納法的な、結末からさかのぼって話の中間部を作っていくやり方がありますが、結末:全部の要素が明らかになった状態から、それらを最適化分配配置するやりかたで「垂直思考」的面白さを追求した遊びと思います。

・帰納法的シナリオ作成(垂直思考)
 ・メリット:深みがある
 ・デメリット:自由度が低い

・演繹法的シナリオ作成(水平思考)
 ・メリット:自由度が高い
 ・デメリット:1個1個が浅い

 こんな感じ。「演繹法的シナリオ作成(水平思考)」のデメリットである「1個1個が浅い」という問題については、オンセ環境で短くパパッと終わることを想定すると、むしろ、逆にメリットである。後腐れなくサクッと手軽に消化できるものが、限られた短時間で遊ぶ遊びでは有効だ。

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9.「水平思考」の攻略法
・水平思考
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E5%B9%B3%E6%80%9D%E8%80%83

 いちおう、Wikipediaの方で発想の仕方がいくつか記述されております。「脳内当てゲー」を提示されたときに、良い質問のアイデアを思い付かない場合に利用されるとよいかもしれません。

・水平思考の発想法
 ・ランダム発想法
  ランダムな要素を抽出して、そこを起点に考える。
 ・刺激的発想法
  要素を拡大・縮小、極端にしてみる。
 ・挑戦的発想法
  要素の構成要素がそうある「理由」を考えて、そこから派生させてみる。
 ・概念的発想法
  要素周辺の「概念」を他の局面に適用してみて考えてみる。
 ・反証的発想法
  当たり前と思ってたことを一から疑いなおして考えてみる。

 たとえば「扉をどうやって開けるか?」という場合、

・ランダム発想法
 扉、扉の素材、取っ手、鍵穴、鍵、ちょうつがい、扉に描かれた文字・文様、扉の横の壁、その材質、扉の色etc... などの要素が「開ける」ために使える可能性があります。

・刺激的発想法
 扉が極端に大きかったら、小さかったら、素材が堅かったら、柔らかかったら、高価だったらetc...

・挑戦的発想法
 扉に鍵穴があるならば、どこかに鍵があるはずだ、取っ手があるなら手がある生命体が開けることを想定しているはずだ等

・概念的発想法
 扉を開けるという行為は、戸口と扉板の角度が90度とかの角度で開くという行為なので、結果として同じ状況になれば何でも良いはずだ。たとえば、床ごと扉が全部動くとか。など

・反証的発想法
 そもそもこの扉は、扉でないかもしれない。通常、ちょうつがいがあるところを起点に回転して開くものと思ってるが、実は逆に開くとか横開きかもしれないetc...

……という感じに、無数のアイデアを発想することが可能です。

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10.「水平思考」とナラティブ(こじつけ)
 多分にこじつけですが、「水平思考」とTRPGにおけるナラティブは相性が良いと思います。
 「TRPGにおけるナラティブ」ってそもそも何? っていうと、定義するのがめんどくさいので適当にお茶を濁しておきます、テキトーです(ご了承ください)。

1)判定結果の多様性
 たとえば、「ナラティブ」と言われるTRPGは「判定結果が多様である」ということを起点に物語の発想を促進するエンジンを詰んでたりします。通常の判定処理が、

・成功/失敗
・大成功/成功/失敗/大失敗

 という2~4パターン程度の結果しか出ないのに対して、「ナラティブ」と言われるTRPGでは、

・大成功/成功/部分成功/部分失敗/失敗/大失敗

とか。
 あるいは、Wローズの場合は、本からランダムで引いてきた「言葉」自体が結果になりますけど、理論上、無限の可能性があるということになります。
 これはPLが自由奔放な多様な発想をしたときにも、それぞれのアクションに合った、多様な反応が返ってくるという環境に慣れるためにも良い。

2)失敗=物語の前進
・判定成功によって話が進むスタイル
 →失敗すると話が止まる

・ナラティブ指向による話の進行を考えたスタイル
 →情報が得られない(判定失敗する)と話が面白おかしく盛り上がる

 ていう感じでしょうか。サタスペの情報収集はナラティブかなーと思います。ウタカゼ標準で付いてる失敗ルートも良い感じかと。
 レディブラックバードの場合は、失敗するというか、ピンチになればなるほど、あとで大きく返ってくる仕掛けになってるようですなー。

 で、これが水平思考とか「脳内当てゲー」とどう繋がるかというと、水平思考、「脳内当てゲー」というのは、とにかく失敗するのが前提で、試行回数を増やす方向性なので、親和性が高いかなーと。

3)発想力を試す
 ナラティブは、ルール手続きや判定結果なんかから、物語を想起する発想力が試されます。
 水平思考は、メインの課題に、アイデアを付け加えて新たな物語を構築する。
 「脳内当てゲー」は、思いついた新たなアクションとそれに対するリアクションからGMの脳内に隠された物語を発見する。
 いずれにせよ「想像力が試される」という点で近しいかとー。

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まとめ
 そんな感じに「脳内当てゲー」も、十分楽しめる遊びの一つでありますし、処理が軽くて今時のオンセ環境でも遊びやすいギミックと思いますので、何かピンとくるネタを思い付いたら導入してみるのも面白いのではないでしょうか。
 考えなしに忌避するのは、とても、もったいないことだと思います。


そんじゃだらばー(おわり)
by namizusi | 2014-07-03 06:50 | TRPG


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