つづき。
以下に追放効果のある各種主要カードの解説を記します。
<1>嚥下クリーチャー
1)《泥這い》(C) 評価:★★
1マナ1/1。1マナでいきなり召喚できるばかりか、終盤はマナでパワーアップして大型クリーチャーとも渡り合えます。優秀。
2)《淘汰ドローン》(C) 評価:★★
2マナ2/2の黒いクマ(何)。個人的には1~2マナ域の嚥下クリーチャー中最強と思うんですけど(序盤のみ)。パワーが2で十分相手のライフを削って脅かすことができますし、タフネス2で1点除去のみでは倒れません。所詮2マナ2/2なので除去魔法の的になれば御の字ですし何より2ターン目に召喚して3ターン目に殴れるのがすばらしい。
3)《回収ドローン》(C) 評価:★☆
丸っこい愛嬌のある外見も相まって、かゆいところに手の届く可愛い奴。1ターン目召喚して1~2発殴ったら、チャンプブロックで手札を回しつつ墓地を肥やすこともできます。青黒リアニメイトデッキの友。
4)《霧の侵入者》(C) 評価:★☆
タフネス2で死ににくく、飛行付きで攻撃が通りやすいのは良いのですが、パワー1点はとうてい相手のライフを脅かすレベルではなく、しかも相手に2/2フライング以上が出てきたら即止まるという、個人的には微妙な評価。2ターン目召喚できればほぼ確定で追放カード何枚かは稼げるのでダメージよりは追放カード生成装置と思えば……。
5)《威圧ドローン》(C) 評価:★
3マナ3/2で、3マナクリーチャーとしては攻撃力高め。登場時に相手のライフ2点削るのも悪くない……んだけど、嚥下クリーチャーに求められるのはそこではなくてな。どうやって攻撃を通すかが一番重要なんじゃよ全然役に立ってねえよ! 3マナも出すならせめて死ににくくなってごり押しできるようにしてくれよ!!!!!>< ……ということで個人的には一番評価低いです(好きな人はすまぬ)。今回の赤黒エルドラージデッキにも入れておりません。つーか、これ入れるくらいなら3マナ追放除去を入れる。
嚥下能力には期待せずに、単純なダメージソースとしてみれば、まあまあ有効かと。
6)《水底の潜入者》(C) 評価:★★
防御不可で確実に嚥下できるのと、タフネス4で死ににくいのは優秀だが、召喚に3マナ必要で一手遅れるのとパワーが1しかないので、ほとんどダメージレースの役に立たないのがネック。装備品、エンチャント等で強化して使いたいところ。
7)《不快な集合体》(U) 評価:★★★★
嚥下クリーチャーのエース。たった3マナなのにタフネス5で《衰滅》で死なない上、無色クリーチャーの数だけパワーアップし、トランプル能力で、相手を乗り越えてダメージ→嚥下発動できるイケメン。序盤のフィニッシャー、とにかくつおい。
こんなもんでしょうか。紙ですと《深水の大喰らい》という、青黒2マナ1/1接死付き、5マナで問答無用追放する優秀クリーチャーがいますが、残念ながらMD環境には収録されませんでした(しくしく)。
コラム1:嚥下能力は強い
次シリーズ以降はすっかり廃れてるようですが、個人的に「嚥下」能力はとても強いと思っています。……攻撃が通りさえすれば。特にMD環境では、より強力かと。同じように山札のカードを無力化する能力としては《石臼》、MD環境では《スフィンクスの後見》などの墓地に送り込む能力があります……いわゆるLO、ライブラリ・アウトデッキ系のカードです。《石臼》《スフィンクスの後見》は、将来脅威となるカードを事前に使用不能にする点で強いと言えば強いと言えますが、リアニメイト系デッキの格好のえじきになるリスクを孕んでいます。しかし、「嚥下」の場合は追放してしまうので、対戦相手が自発的に再利用することはできません(昔のカードにはそれでも再利用する効果のあるモノがありましたが、少なくとも現行のMD環境にはない)。
加えて、MD環境というのは、強力なレア・神話レアカードがデッキに1~2枚しか入れられないという制約があるため、運良く、一発逆転可能な強力レア・神話レアを追放できたら、それだけで対戦相手の勝ち筋を1つ未然に防げます。
よくあるのは、強力なプレーンズ・ウォーカーを事前に嚥下できたとか、相手のウラモグを追放送りにしたとか、それだけで相手が投了してしまうこともあります。レアじゃないけど序盤で猛威を奮う《ムーウォンヴーリーの酸苔》を送り込めたときも「ラッキー!」と思ったりします(それでももう1枚の酸苔を撃たれたりしますが;;)。
・相手の山札カードを完全に使用不能にできる
・MD環境では一発逆転切り札カードは1~2枚しか入ってないので、運良く当たればそれだけで相手の勝ち筋を1つ潰せる
……こんなところが「嚥下」の強力なところと思うわけです。
コラム2:嚥下クリーチャーは弱い
上記のように「嚥下」能力は決まればとても強いと思うのですが、その代わりに「嚥下」能力を持つクリーチャーはかなり弱めに設定されています。特に2マナ以下。
MTGのクリーチャーの強さの指標として
「2マナ(緑1) 2/2緑の熊(コモン)」
という基準があります。これよりどれだけ強いかで、そのカードがどれだけ強力かを見る目安になります。例えば2マナクリーチャーが強力な白ですと、「2マナ(白白) 2/2先制攻撃、平地を1枚場に出す」とか、同じ2マナなのに、プラス能力が2つも付いてきたりします。なので、基本的に2マナで強いクリーチャーというのは「2/2+さらに強い能力が1~2個付く」というくらい強さになっているのですが、嚥下クリーチャーの場合、「嚥下」能力が過剰に強く評価されているのか、2マナ2/2が一番強くて(淘汰ドローン)、それ以外のメリット能力がある場合は、その分弱体化されている(2マナ1/2飛行とか)、というバランスになっています。(いちおう《泥這い》のみ、将来もっと強くなる性能を持ってますが、序盤はほとんど関係ありません)
・通常2マナクリーチャー 2/2+α能力付き
・嚥下2マナクリーチャー 2/2以下しかいない
て感じになります。なので、まともに行くと序盤クリーチャー戦で勝てないので、強化魔法・除去魔法でフォローする必要がある。そのまま攻撃しても通りませんので、そうすると「1.除去魔法等で除去→2.嚥下クリーチャーで攻撃」というテンポになりますが、ここで重要なのは除去魔法等は2~3マナでやっと使えるようになる点です。ということは嚥下クリーチャーはその前、1~2マナで召喚しておかないと使えない。ところが2マナ以下にはろくな嚥下クリーチャーがいない><というジレンマがあるわけです。
で、その対策が、上記に書いた「3ターンまでに追放カード2枚稼ぐ黄金パターン」になります。1~2マナで弱小嚥下クリーチャーを呼んで、2~3マナで除去しつつ殴る。除去が動き出すのが2~3マナぐらいなので、1~2マナで嚥下クリーチャーを確実に呼ぶことが肝要。よって3マナで突破力のない《威圧ドローン》などは抜けることになりました。
今回の「赤黒エルドラージデッキ」も、そのテンポをキッチリ守っていて、
・1~2マナ嚥下クリーチャー(8枚)
《泥這い》4
《淘汰ドローン》4
・3マナ以下クリーチャー除去(12枚)
《肉袋の匪賊》3
《完全無視》2(追放)
《タイタンの存在》2(追放)
《極上の炎技》2
《虚空の接触》3(追放)
という感じに、1~2マナでクリーチャーを出して、3マナで何が何でも除去して殴る! という構成になっています。これでほぼ確実に1体は除去できるので、少なくとも3マナ以下でクリーチャー2体以上ズラズラ並べられない限り、1回は攻撃を通せるはずです(例外は赤の《飛行機械技師》ぐらい)。
<2>追放系インスタント・ソーサリー等
次に、嚥下で追放できないときに、場のカードなどを直接追放する魔法などの紹介をば。
1)《手酷い失敗》(U) 評価:★☆
唯一2マナ以下で追放できる貴重インスタント。速攻が流行ってる環境だったら強かったと思うんですけど、ランプ系大型クリーチャーが跋扈するMD環境では序盤に引けてないと中盤以降ほとんど使えなかったりします。これ入れるなら、カウンター主体で防御系デッキにすると思うんで、1マナの《払拭》でインスタントの攻防強化するとか、万能《分散》で手札に戻して1ターン稼ぐか、《計算された放逐》で3マナカウンターを分厚くするかなあと、個人的には思います。ただ、今回の赤黒エルドラージデッキだと刺さりまくるので、たまに使われるとイラッと来ますw。
2)《完全無視》(C) 評価:★★☆
3マナで、インスタントで、パワー3以下を除去します。序盤でもタフネスの高い壁系クリーチャーの除去にうってつけ。《危険なマイア》《捕らわれ宿主》辺りの序盤の強防御系クリーチャーも、このカードの前ではただのカモです。ただし中盤以降の大型クリーチャーには効きません。
インスタントで意表を突いて使えるのも、カウンター系デッキとの攻防でしばしば役立ちます。使用機会限定されるので、入れるなら2~3枚すかねー。
3)《呪文萎れ》(C) 評価:★★★☆
青のカウンター系デッキだったらとりあえず入れておけ的優秀カード。これのおかげでMD環境も、やっとカウンターデッキが息をしてきました><。しかしまあ、カウンターは青系防御型デッキ専用ですよのう。
4)《虚空の接触》(C) 評価:★★★
3マナ3点ダメージソーサリー。《完全無視》とセットで中盤までのクリーチャーは大体除去れます。単純に赤の直接火力強化になってて、とどめに使うことも多し。
5)《タイタンの存在》(U) 評価:★★☆
無色3マナインスタントで《完全無視》の上位互換のような動作をしますが、手札にパワーの高い無色クリーチャーが必要かつ、相手に見せなくてはならないのが奇襲効果を削ぎます。ウラモグが手札にあれば、ほぼどんなクリーチャーでも除去できる!(たとえ相手にウラモグが出ていようとも!)
今回の赤黒エルドラージデッキでは、《塵の中を忍び寄るもの》《荒廃を招くもの》《忘却蒔き》《絶え間ない飢餓、ウラモグ》と、パワーの高い無色クリーチャーが多めですので、使える機会は多いです(壁系の除去だったらパワー0でも良い)。この魔法を使ってて良くハマるのが、相手が緑系でパワー6以上のクリーチャーを出されたときですかね。パワー6以上の、良い無色クリーチャーがなかなかいないという。ちなみに《不快な集合体》の場合は、場に出ている無色クリーチャーの数が攻撃力になります。
6)《連結面晶体構造》(R) 評価:★☆
4マナアーティファクト。個人的には、再利用可能な4マナ全体除去ソーサリーと思っています。全体除去のない青単とか青緑にたまに入れるかなあ、という程度。追放したクリーチャーを昇華者で墓場送りにすると破壊されても安心。今回アーティファクト破壊があまり来ないので意外と信頼性高いと思います(白の《天使の布告》とか《フェリダーの子》は良く来る)
……そう言ってると黒緑再利用デッキに割られまくったりするんですけど;;。
7)《粗暴な排除》(R) 評価:★☆
4マナインスタント。これの追放能力が発動したのは見たことないんですけど(2ダメージしか入らないのがキツイ)、回れば面白いカードです。1ターン時間稼ぎできるんですけど、その1ターンで何をするか? ですかねー。4マナで重いのもネック。
8)《天使の布告》(C) 評価:★★★☆
5マナソーサリー(白)。MD環境では最初から入ってましたが、最近のフィニッシャーウラモグ流行の影響で非常によく見るようになりました。白が入ってたら《天使の布告》があると思え。
単純に強力エンチャントも除去できて非常に強力ですけど、《ウラモグの回収者》で、除去→除去したカードを餌に《ウラモグの回収者》で手札に戻す→再度除去→《ウラモグの回収者》を手札に戻す→除去したカードを餌に《ウラモグの回収者》で手札に戻す……と半永久的にグルグル回ったりすると面白いです。
9)《牢獄の管理人、ヒクサス》(R) 評価:★★☆
白の入った速攻系デッキで、たまに奇襲で使えます。4/4は単純に強いですけど、5マナも出てるとヒクサスがサクッと除去されてしまうので、追放カードを昇華者で墓場送りしておくのが安全ですかね……。
10)《異常な攻撃性》(C) 評価:★☆
3マナ緑のインスタントで格闘戦をする呪文。緑のクリーチャー除去としては頑張ってると思うんですけど、使いどころが難しいんですよねー。《タイタンの存在》が
・「手札にクリーチャーカードを持ってるだけで使える」
のに対して、《異常な攻撃性》は、
・「手札にクリーチャーカードを持ってて」
・「マナをためて」
・「そいつを召喚して」
・「そいつがインスタントで除去されないタイミングを見計らって」
・「しかも対象クリーチャー以上のパワーを持ってるか、接死を持っている」
と、使うのに満たすべき条件が5つもあるわけで。
・壁の除去
・接死クリーチャーで相打ち
・でかいクリーチャー
・一時的にクリーチャーが強くなる
という辺で工夫すれば使えなくもないすかね?
<3>確定追放能力クリーチャー
次は追放能力を持った大型エルドラージなど。
1)《忘却蒔き》(M) 評価:★★★
6マナ5/8は能力がベラボーなんですが、4枚山札から追放で、土地があったら奪って自分の場に出せるのがマナ加速にも使えます(ただし不安定)。追放能力はカウンターされても発動するのが良い。地上のでかいだけのクリーチャーなのでそこまで強力ってことはないですが(1/1クリーチャーで止まる)、デッキに枠があれば1枚潜ませておいて損はないという感じでしょうか。
本稿の赤黒エルドラージデッキでは、嚥下等で追放カードが稼げなかったときの切り札に1枚潜ませてあります。《忘却蒔き》がベラボーに活躍するのは、嚥下で追放しまくった土地カードまで奪ってきたときとか、ウラモグで20枚追放したあとに召喚とか、そんなときはマナ爆発します。嚥下クリーチャーとの相性は◎。
昇華者で追放カードを墓地に落とすときに、《忘却蒔き》の能力を考慮して、土地追放カードを温存することがあります。
コラム3:昇華カードの選択
追放領域から墓地にカードを送る場合に、どのカードを選んで落とすか、という選択基準があります(個人的に)。
<1>アーティファクト
アーティファクトを再利用するカードは《ムラーサの緑守り》《エメリアの番人》ぐらいしかいませんので優先的に。
<2>エンチャント
再利用するのは《オーラ術士》《ムラーサの緑守り》《エメリアの番人》くらいでしょうか。特に《オーラ術士》を使う人は、自分以外で見たことがほとんどありません(私は使うけどな!)。
<3>カウンタースペル
相手のデッキ次第ではありますが、青系でほぼ確定で入っているジェイスさんに再利用されてもちっとも痛くない、というわけで優先的に。
<4>インスタントスペル
これもジェイスさんに再利用されても比較的困らないので。
<5>ソーサリー
青系ソーサリー再利用系に当たるとやばいですが(全体除去とか土地破壊が連打される)、比較的再利用されないので。相手の場にジェイスがいたら戻しちゃだめです><。
<6>土地
現状、土地を戻すカードは《ムラーサの緑守り》しかおらず、戻されても大して痛くないので。ただし《忘却蒔き》が手札にある場合は要検討。
<6>クリーチャー
クリーチャーは再利用手段が豊富にあるので要注意です。なるべく無害なクリーチャーを優先に。
<7>プレーンズウォーカー/伝説カード
プレーンズウォーカー/伝説カードは再利用されると非常にやっかいなことになるので可能な限り戻したくありません。これでほぼ勝ちが確定する! とか、墓地に戻した直後にアニメイトして奪い取る! というプランがある時のみ戻すことがあり得ます。
2)《淀みの種父》(M) 評価:★★★
青黒6マナ5/7のベラボーシリーズその2。
ベラボーシリーズには他に《希望を溺れさせる者》(5/5、トークン2体)も含めてセットで考えています。《希望を溺れさせる者》には追放能力はありません。《希望を溺れさせる者》は、
『岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青赤エルドラージ(モダン)』
で、ちょっと評価が上がってきてますかね。相手のクリーチャーをタップしつつ殴れるのでフィニッシャーの一角として優秀です。
《淀みの種父》は相手が土地を出すと2枚追放しつつドロー2します。土地を出しまくるランプ系と相性◎。青黒エルドラージ-リアニメイトデッキで、4ターン目に墓地から呼び出すとロックがかかってエグいです。
《淀みの種父》は下記に紹介記事があります。
『ゲームの流れに淀みを』
3)《絶え間ない飢餓、ウラモグ》(M) 評価:★★★★★
現行の最強クリーチャー・オブ・ザ・ベスト! 10マナ10/10! 場に出たときに2枚追放(カウンター効かず)!! 攻撃時に20枚追放!!! ……という、出ただけで8割ぐらい勝利確定する奴です(ランク上位だと対処されるけど)。リアニメイトで墓地から呼び出してもいいんですが、できれば10マナ出して2枚追放の効果を付けたいところです。
マナ召喚の筋道としては、
・緑ランプ系
酸苔
→ニッサの復興
→ウラモグ召喚
(《彼方より》でマナ補助&ウラモグサーチ)
(《忘却蒔き》でマナ補助)
・エルドラージ系
嚥下等で低マナ追放
→《荒廃を招くもの》
→ウラモグ召喚
(《忘却蒔き》でマナ補助)
という辺りが考えられます。本記事の赤黒エルドラージでは下記のエルドラージ系のマナ加速を仕込んでいます(出たらラッキー程度で……長期戦になったら目がある。あくまで補助的勝ち筋)。
一応、呼べない対策に《タイタンの存在》での利用とか、《屍術的召喚》での再利用とかの道は残してある……基本的には召喚→2枚追放→相手投了で片が付きますが。
<4>対戦相手の追放能力
事前に計算はできませんが、対戦相手の追放カードで、こちらの昇華者が動けるようになることがあります。
1)《魂の略奪者》(R) 利用度:★★★
黒単とか、白黒、赤黒の速攻系でたまに見ます。一度に2枚追放してくれるのがかなりおいしいですが、昇華者で墓地に戻すと相手の能力も再発動可能になるので状況を見て。
2)《傷負いのツタ育て》(C) 利用度:★★★
エルフデッキで《衰滅》後対策カードに使われて以前はよく見ましたが、ゼンディカー環境だと昇華者の格好のカモという認識がされたのか、他の強力カードに変わったのか、あまり見かけなくなりました。
3)《ヴリンの神童、ジェイス》(M) 利用度:★
ジェイスさん。青の入ったデッキはほぼ見かけますが、見たら速攻で除去らないとヤバいので、能力を見ることはほとんどないですかね……。
4)《ケラル砦の修道院長》(R) 利用度:★★★☆
赤単速攻にはまず間違いなく入ってますので、非常によく見かけます。追放カードになることを祈る! 再利用されないので気兼ねなく利用させていただければよい。
5)《ムラーサの緑守り》(M) 利用度:★★★★★
青黒エルドラージ・リアニメイトデッキの心の友。赤黒エルドラージデッキではそれほどでもないですが。死亡時に追放に送ってもらえるとウハウハです。
昇華者で墓地に落とす
→ムラーサをリアニメイト
→自分の墓地から1枚回収
→ムラーサ死亡時は追放に送り込む
……て感じに何度も使える。
ただ、ムラーサが出てくると酸苔連打とか来ますので、カウンターするなり、ドロー強化で土地増やすなりして何とか5マナ確保しませう。
あと、ムラーサさんはパワーが5なので《タイタンの存在》射程圏で比較的追放しやすいのも、おいしいところです。
6)《取り付かれたスカーブ》(U) 利用度:★★★
比較的除去しやすく簡単に追放送りにできますので、追放カードがあと1枚足りない! というときに役立ってくれます。ただ、青黒なので墓地送りするとえげつないソーサリーを再利用されたりします。登場時にもえげつないのが飛んできます。そして大体対戦相手はLO(ライブラリアウトデッキ)で、げんなりするわけですが。
……以上のような感じに、昇華者・追放カードが存在してますので、うまいこと組み合わせると比較的安定してエルドラージ昇華者デッキが作れるようになってくると思います。
コラム4:各種エルドラージデッキ
エルドラージデッキを作ろうとした場合、強カードを求めると赤青黒とか、ウラモグ引くために緑も入れないと!!! とか迷いますが、基本的に3ターン目に最低限3マナ立った状態を確保したいので、そうすると2色くらいに落ち着くように思います(土地破壊耐性も上がるし)。
以下に、ワシが各色ごとで作りやすかったエルドラージのデッキタイプを挙げておきます。
・赤黒:速攻系
・青黒:リアニメイト
・緑黒:ランプ
・赤青:ソプター変種
青黒はカウンター、ライブラリアウト系のデッキもやりやすそうとか、緑黒はリアニメイト系で行く手もあるとか、いろいろアイデアは考えられるでしょう。
4.速攻デッキとしての赤黒エルドラージデッキ
赤黒エルドラージデッキは速攻デッキとしても優秀で、速いと4ターンで勝てることもあります。
1ターン目:《泥這い》召喚
2ターン目:《泥這い》攻撃《殺戮の先陣》召喚
→1ダメージ
3ターン目:《殺戮の先陣》召喚速攻付与
→7ダメージ
4ターン目:《塵の中を忍び寄るもの》召喚(速攻)
→12ダメージ
→計20ダメージ
……という具合です。先手を取れば、相手が1体防御クリーチャーを呼んで、のんびり《ニッサの巡礼》を打ってる間に趨勢が決まってしまったりします(押し込めるように赤黒の4マナ速攻クリーチャー3枚投入)。これに特化するのであれば、1マナの黒エルフ、2マナの《魂の略奪者》を入れて速攻クリーチャーをもう少し分厚くする手もあると思います。
ただ、個人的にこのデッキの場合はそういう展開はせずに、
1ターン目:《泥這い》召喚
2ターン目:《泥這い》攻撃《淘汰ドローン》召喚
→1ダメージ
3ターン目:《殺戮の先陣》召喚速攻付与
→6ダメージ
4ターン目:《塵の中を忍び寄るもの》召喚(速攻)
→11ダメージ
→計18ダメージ
……ってやるかなあと。本稿のデッキは赤黒エルドラージでもややコントロール寄りですので、全体除去後の第2波攻撃準備のために追放カードを稼ぐことを優先するかなと(その辺の細かい機微は人それぞれ好みと思いますが)。
→つづき