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「ネタ」を基点にしたシナリオ作成方法(6)

 「大ネタ」「小ネタ」とかわけのわからない用語を使いだしたので、その定義および全体のビジョンについて書いておきます。

1)「小ネタ」
 セッションの全体的な進行は変更することなしに、セッションに彩りを添える演出の元になるネタ、キーワード。例えば「扶桑武侠伝」で、

・ただ場面に登場した

では限りなくつまらないので

・花鳥風月を使って「風」の演出で登場する。つまり、一陣の風が舞い、砂塵が晴れたと思うと、彼がそこに立っていた、とか。ここでいう演出の元になる「風」とかの用語が「小ネタ」になる

ちなみに僕の認識だとこの程度の演出でも「武侠もの」としてはぬるすぎる演出と思うので

・一陣の風が舞い、その場を占拠していた数千の敵兵の首が一瞬にして跳ね飛ばされ、辺りに血しぶきが舞う。高笑いをしながら現れた“彼”の着地と同時にあたりに凄まじい地響きが起こり、その場にいた人々はすべて尻餅を付いてしまう。(悪役みたいだ)

というくらいやって、やっとまともな「武侠もの」かな~とか思いますが、まあそれはさておき。
 個人的にはTRPGを数年以上やってたら、こういうちょっとしたキーワードなり何なりを出されたら何も考えずにすらすら演出をどうしてどんな台詞を吐くか、条件反射でしゃべれるようになるという程度のことは出来て当然である、と思いたかったのですが実際はそうでもないようですw。まあ、練習してください。

2)大ネタ
 セッション全体の展開を変え得る話の大元になるネタ+α。

 イメージとしては、物語を創る時の話で「キャラが一人歩きをする」という状態がある。どういう状態かと言うと、キャラクターの性格付け、目的志向性が確定し、キャラクターの置かれた状況も決まってくると、シナリオ製作者がわざわざ話の展開を考えなくてもそれぞれのキャラクターが自然に動きたい用に動かしてやれば自然に話が展開して行き、自然にそれなりの形に話がまとまっていくという状況。こういう状況というのは、キャラクターのそれぞれの欲求が満たされてキャラクターに感情移入している人にとって非常に気持ち良い展開で、最終的に到達する結末も、下手に作為的に話を落すよりもずっと納得のいく結末に落としやすい。

 TRPGではこういう「キャラが一人歩きをする」という状況を意図的に誘発することが出来る。誘発するための元になる「ネタ」を本論では「大ネタ」と呼ぶことにする。ちなみにこういうセッティングがうまくいけば、物語を創るときに話の展開を製作者が作為しなくても自然にまとまっていくのと同様に、実際のセッションのマスタリングでもGMが話の展開を意図的にコントロールしなくても、PCのやりたい用にやらせておけば自然に落ちるべきところに話が落ちるようになる。GMのやるべきことは、PLの要求として落したい方向にまとまるのを阻害しないよう、ルール&背景設定的フォローをするだけ。


 …とまあ、こんなセッションをイメージしています。
 つづく(たぶん)
by namizusi | 2005-05-22 21:21 | TRPG


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