人気ブログランキング | 話題のタグを見る

プレイヤーの思い入れというリソースの制御方法(6):(・_・)

今回はその他脇役キャラクターへの思い入れについてをば解説。
端的に言うと

TRPGプレイヤーのパターン認識について(笑



 その他のキャラクターに対してPLがどんな思い入れを持つかということについては「パターン認識」「ステレオタイプ」「記号化」といった言葉で説明することができます。

 通常の主要キャラクターの場合はステレオタイプ・ステレオタイプの組み合わせ・記号といったものをベースに作り出したりしますが、単純にそういったパターンをなぞるだけではなく

・よりパターンを強化する特徴
・パターンから外れる特徴

というイレギュラーな部分も表現することでキャラクターの、リアリティ・深みを出します。

 「その他のキャラクター」の場合には枝葉末節(というか個性)を表現する手間隙を省略してとりあえず「こんな奴だ」と認識させるために、あえてステレオタイプのパターンに沿ったキャラクターを出すことでPLがキャラクターを理解する時間を高速化します。例えば助けるべき弱者というキャラクター(記号)の表現のためには、わざわざヒロインをきっちり造形しなくても

・女、子供、老人、身障者etc...

という記号化された社会的弱者を出すことで機能的に代用できます。雑魚敵なんかも記号化された「悪者」ですな。

 ここでいう「記号化」というのは、

・実際どうであるか

はまったく関係なくて、

・実際周りにいる人々がどんなイメージを持っているか?

が重要となります。例えば「子供」と言うと

・純真で無垢で弱々しい

というステレオタイプのイメージを喚起しますが、実際は子供が純真で無垢なんてありえねー!まさに偶像!って感想を、子供によく接する人ほど漏らしますし、弱々しいも、昨今では子供の方が大人よりも体が大きいことがよくあったりして一概には言えません。しかし記号化されたイメージの世界では、そういった実情は無視します。

 さて、基本的にキャラクターの記号化というのは脇役のキャラクターを表現するときに使いますが、連載もののヒーローアクションものでは、連載第1回では主人公が正義の人として記号化され、倒される敵ボスが悪者として記号化され、それを敢えてステレオタイプで表現したりします(TRPGのキャンペーンの初回シナリオも同様の手法が使える)。これは、今後何度も繰り返されるストーリーパターンをわかりやすく視聴者に刷り込むためです。

 回が進むと、敵の詳細設定がわかって人間味が出てきたり、主人公にも実は弱みがあることがわかったりして話に深み・リアリティが付け加わりますが、そういったイレギュラーなパターンというのはベースとなるステレオタイプなパターンがしっかりしているからこそ成り立つ/引き立つものです。

 その辺を理解して、パターン通りにやる/パターンを崩すというのをうまく使い分けるといいでしょう。最終的にはパターンを崩す/パターンに戻るを心地よいリズムで刻むメタなパターンを作り出すのが長く興味を持てるキャンペーンないし長期ストーリーを維持する秘訣となります。


今回はこれまで。
んじゃまた
by namizusi | 2006-10-17 12:29 | TRPG


<< プレイヤーの思い入れというリソ... プレイヤーの思い入れというリソ... >>