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硫黄島からの手紙:(^_^)

観ました。

http://moviessearch.yahoo.co.jp/detail/tymv/id324563/

とてもいい映画でした。



 先日見た「トゥモロー・ワールド」と比較してしまうのですが「トゥモロー・ワールド」が完全なフィクションの世界の中で圧倒的なリアリティによって戦争の悲惨さや、「お互い人間なんだから、生命の尊さという普遍的な価値観は共有できる(なのに何故殺しあっているのか?)」という普遍的価値観を描いていたのに対して、「硫黄島からの手紙」は正反対のアプローチで、硫黄島の決戦という史実をベースにしつつ、戦っている人たちの中にはアメリカと交流があった者が多くいて(負けるとわかってたので、かつてアメリカと交流のあった士官がわざわざここに送り込まれていたのだそうな。左遷的に)、そういう人たちの思い出話が回想で描かれたり、戦闘中にアメリカ人の捕虜を捕まえて、その捕虜のことを心配する母親の手紙を読む場面を創ったりして、お互い戦争して殺し合ってきたが、母親が子供のことを心配する想いはどちらの国の人間でも同じだ、といった普遍的な価値観を、ファンタジックに描いていました。

 日本とアメリカは同盟国という扱いで一緒にやってきていますが、何だかんだ言って戦争の遺恨は残っていて、過剰に卑屈だったり、いまだにパールハーバーというと目の敵にされたりしますが、この映画を見るとやっとこう、対等な立場で冷静にかつての戦争について省みて、和解できるようになったのかなと。戦争に勝ったからそれは正しい、あるいは負けたからそれは間違っているという単純な論ではなく、お互い共有できる価値観を持った同じ人間であり、にもかかわらず戦争という悲惨な出来事があった。どうして同じ人間なのにああやって殺し合わねばならなかったのであろうか?自国を守るためという普遍的善意を悪用されて殺し合いの道具に使われたのではないだろうか(戦争なんてそんなもんすか?)……というようなことを考えさせられる映画でしたかね。「父親たちの星条旗」も観たかったのですが地元放映が終わってしまったので、またいつかどこかで観たいと思います。

んでは
by namizusi | 2007-01-15 06:12 | ストーリーメディア


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