悲劇をハッピーエンドにするテクニック:(・_・)

いつもマスタリングのテクニックばかり書いてますが、たまにはプレイングのテクニックの話でも。
最近コミュニケーション能力を評価しよう云々という話をよく書いていますが、悲劇的なシナリオないしシステムないしセッションを救いのあるよりハッピーなエンドにできるかどうかというのは、ダイレクトに

・PLに(ストーリーゲーム的な)コミュニケーション能力があるかないか

によって左右されます。
いつもいつもその手のシナリオをプレイしてうまくいかないなあという人は、自分は(TRPGにおける)コミュニケーション能力が低いと思って間違いないです。

ということで、その辺を改善するためのテクニックの解説をば。



1.制約の厳しさの捉え方とメタプレイ
 悲劇というのは、制約ありきのものです。キャラクターがこうしたいと思っている、しかしそれはさまざまな条件によってかなえがたい。だからこそ悲劇というドラマが発生します。シナリオで提示するシチュエーションがコアでハードになればなるほど制約は厳しくなっていきます。それが必須事項です。

 一方でTRPGでは「自由さ」という建前があり、それと制約とがバッティングするため、文句を言うPLというのがいますが、まあ、PCにとっては「何でそんなに悪いことをしてるわけじゃないのに、こんなひどい目にあうんだ」と言ってしかるべきだと思うのですが、PLがその辺について文句を言うのは明確に

・PC/PLを分離できていない(メタプレイというものを根本的に理解していない)

と言っていいと思います。

 んがまあ、世の中のPLというのは完璧超人でもなんでもないので、PC/PLの完全な分離はできません。限界はあるので、調整の必要はあります。しかし前提として

・「制約ありき(で、ある程度は受け入れるべき)」

の項目は常に念頭に入れるべきでしょう。

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2.悲劇をハッピーエンドにひっくり返すための手法とコミュニケーション
 シナリオによっては極めて強い強制力でどうしようもないかのように見えることもありますが、常に部分的にひっくり返すことが可能です。

・前提条件(制約)を根本的にひっくり返す
 これをやるとGMのイメージしたストーリーが壊れてしまうことがあるので、GMの反応をよく探る必要があります。OKの場合はそのままがんがんいくべし。NGな場合は譲歩しましょう。この時点でGMときちんとコミュニケーションして、その人となりを把握しておく必要があります。

・悲劇に見舞われたNPC/PCの「本当にやりたいこと」を引き出し、それをかなえる
 「制約」はGMの都合で覆せないこともありますが、そうでない部分は割と何とかなったりします。その何とかなる部分でより美しい物語を創ろうとか演出しようというのが、そもそもそのシナリオを作った目的だと言うことも大いにありえることです。よくGMが「予想を超えたプレイをしてくれることを期待している」とか言いますが、それは多くの場合この部分でのサプライズを期待しているということです。

 これを実現するためには、まず当事者キャラクターとコミュニケーションして、いかなる経緯でそんな悲劇的状況に追い込まれ、現在どんな思いを抱いているかを理解する必要がありますし、そこから類推してそのキャラクターは本当は何をどうしたいのか?を引き出す必要があります。そしてGMと話をすることでゲーム世界の中で現実的に実現可能な方法を探りだす必要もあります。要するに深いコミュニケーションなくしてこの方向でのハッピーエンド実現は不可能です。

……上記のような手段が主に悲劇をハッピーエンドに転換するテクニックとして存在しますが、いずれもPLが深く、GMやNPCや他のPCやPLとコミュニケーションすることが求められます。そして、悲劇をハッピーエンドにできるということは、(TRPGのための)コミュニケーション能力を身に付けた、と言っていいと思います。

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以上で、余談はさておき。

3.悲劇の9割はコミュニケーション不足によるものである
 「9割」というのは僕の体感で言ってるだけで、実データを集計して言ってるわけではありませんので、実際に遭遇した「悲劇」がもっと別の要因で起こったものだったとしても関知しません。
 例えば世界的に有名な悲劇というとシェークスピアの3大悲劇なんかが上げられます。「ハムレット」「ロミオとジュリエット」あともう一つ何だったか忘れましたが、例として「ハムレット」を上げましょう。「ハムレット」では以下のような悲劇的な事態が発生します。

悲劇1)自分の父親がおじに殺された。しかも、自分の母親はそのことをうすうす知っているらしく、喪が明けたらさっさとおじと結婚してしまった。
悲劇2)主人公が狂った振りをして王宮に居座り続け、復讐の機会を虎視眈々とうかがったのだが。本当に彼が狂ったと思い込んだ彼の婚約者は、自分が捨てられたと思ってふさぎ込み、頭がおかしくなってしまった
悲劇3)おじが、自分に殺意を持っている主人公を殺すために毒入りの酒を用意したところ、誤って妻(主人公の母親)が飲んでしまった

……まあ、こんな感じです。ひどいですな(笑)。
 で、インタラクティブにこの物語に参加できるのであれば、上記のような悲劇を当事者にアクセスしてコミュニケーションをとることで下記のように解消できます。

解決1)母親が父親に愛想をつかしておじと結婚したいと思っているのであれば、正直にそう話して離婚すればよい。その上でおじと再婚すれば誰も死ぬことなく円満に問題解決できるであろう。父親のために別の彼に想いを寄せているもうちょっと適正な人物を探してくればよかろう。
解決2)素直に主人公が「復讐のために狂った振りをしているだけだ。別に君のことを嫌ったわけではないが、復讐の果てに自分が死ぬ危険が高いので自分のことはあきらめてもらった方が良い。が、どうしても自分のことをあきらめられないというのであれば、自分が復讐することを黙認してくれるか、危険を承知の上で助力してくれれば助かる」と言えば万事解決(笑)。
解決3)おじが素直に「ハムレットを殺すためにその酒に毒を入れた。おまえは飲むな。ハムレットを反逆の罪で即座に処刑する」とか言えばよい。その場で文書に書いて渡すでも良い。

まあ、こんな感じ。ほかに「ロミオとジュリエット」の最後に2人とも死んでしまう場面については

・薬で仮死状態になるだけだから、死んでいるかのように見えても大丈夫。必ず目覚めて一緒に駆け落ちできる、とかいう内容の話を誰かに事前に伝えてもらうか、手紙等で事前説明しておけばよい

と言うことで悲劇をスカッと解消できますし、「マッチ売りの少女」「フランダースの犬」辺りも、周りで気がついた人が積極的に少女/少年にアクセスして彼らの過酷な状況を把握し、自分が直接世話をするか、それが無理なら教会に世話をしてもらうとか、どこか裕福な人にせめて寝泊りできる場所を準備してもらうとか、やろうと思えばいくらでも救う道はあると思います。

 そんな感じに、多くの「悲劇」というものは「あなたが」その当事者に積極的に関わり、仲立ちすることで9割は解消することができたのです。


以上
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by namizusi | 2007-02-27 12:56 | TRPG


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