PC間対決の汎用的処理(4):(・_・)

最終回。
今回は「ルール処理をしようとすると平等に処理されてしまう汎用的ルール処理」について(回りくどい)。



1.先手必勝
 PARANOIAのPC間対決など。まあ、PARANOIAの正式な(Zap!Zap!Zap!)、いえ、PARANOIAのルールに正式も不正式もありません。完璧ですから。まあとにかく、フェーザー銃を持ったPCのPLが誰か特定のPCを指して「Zap!Zap!Zap!」と連呼すれば自動的に相手は死亡し、勝利できます。重要なのは各PCは6人のクローンがいるため6回殺されるまではリトライ可能であるという点です。さすが、完璧ですね。

 なので6人パーティーで他のPCを全滅させて勝利しようと思えば、30回も早口で「Zap!Zap!Zap!」を連呼しなくてはなりません。大変ですね。そして30回も早口で「Zap!Zap!Zap!」なんて言おうとする危険なPCは、真っ先に他のメンバーから「危険分子」と判断されて、クローンを何体か削られて不用意に「Zap!Zap!Zap!」を連呼できなくなるよう自然にバランスが取られます。ここで自分が完全に息の根を止められるまで付け狙われないよう生き延びるための外交能力が問われます。コミュニケーション能力の一つですな。

 じゃあ、そのままお互い馴れ合いモードになって殺し合わなければいいじゃん、というとそこでもバランス機構が働いて「多くの場合コンピュータ様のミッションは成功しな(Zap!Zap!Zap!)、反逆者が紛れ込んでいたためミッション失敗したのだ!反逆者が誰か明らかにせねば!」の理論によって、PCが他のPCを処刑することが正当化されます。その際「何故彼が反逆者なのか?」をきちんと説明することで「彼は私利私欲のため他のPCを殺す危険人物ではなく、反逆者という『悪』を倒す立派なトラブルシューターなのだ」と証明するコミュニケーション能力を試されます。

 まさに完璧ですね(笑)。

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2.じゃんけん
 ジャンケンほど公平かつスリリングで、戦略性に富んだルールは他にありません(誇張誇張)。嘘だと思う方は以下参照。

・じゃんけんに勝つための7つのテクニック
 http://atashi.com/webarchives/2006/12/30/19/27/37/gigazine.net/index.php%3F%252Fnews%252Fcomments%252F20061001_rock_paper_scissors.html

 私は実際友人に試してみましたが、驚くほど術中にはまりました。うひひ。

 まあそれはさておき、ジャンケンおよび何かランダム要素によって公平に勝敗が決まってしまうシステムというのは

ステップ1)最初はやはり有利さを追及する。すると相手と話し合って妥協点を探る、相手の論点の矛盾をついて自分の正当性を認めさせる、脅す、などのコミュニケーションによって優位性の確保に努める
ステップ2)ステップ1で自分が不利になり、かつその結果にどうしても納得できないのであれば「公平なルール処理」に逃げ込むことで5分5分の勝負に引き戻すことができる
ステップ3)かつ、自分側勝利をより確実にするためには、自分の味方となる者を一人でも多く増やせばその勝利は堅いものとなる。1vs1はジャンケンで5分5分の勝利だとしても、2vs1で自分側が2人のうち1人勝てばいい、という条件にすれば75%の確率で自分側が勝利可能となる。しかし、あくまで1vs1は5分の勝負となるのでいくらかの犠牲を払う覚悟は必要だ。場合によっては自分が踏み石となることで気概を見せ付ける必要も。

……という感じにPLの戦略性、コミュニケーション能力を問われる熱い勝負となるわけです。そして何より一発で結末が決まる潔さが良い(私見)。

 PARANOIAのような完璧さのない多くのシステムではPCvsPCで先手必勝で殺し合いなどしてしまうと1撃で勝負が決まって大変なことになりますが、常に5分5分で勝敗が決まるジャンケンであれば「相手に勝つには50%で自分が殺されるというリスクを負わなければならない」という高リスクが判定に踏み出す抑止力として働きます。そしてやっぱり納得行かなかったら50%勝負に引き戻せるし、最終的に50%勝負に踏み切らざるを得ない!と決意した頃にはお互いの覚悟も決まっているでしょう。
 そんな感じで他のTRPGシステム(ノン-システムも含めて)で使える汎用的判定方法だと思います。

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2-2.成功率は変わらないが結果に彩りを添える判定処理
 「CLAMP学園RPG」なんかが好例なのですが

・成功判定は常に50%で成否が決まる。キャラクターの能力は考慮されない(正確にはトランプを引いてその色で成否が決まる)
・引いたカードの種類によって結果の描写が変わる

という処理をしてます。「モンスターホラーショー」の場合なんかも

・ダイスを振って表で結果を求め、その表には能力値など何も反映されない

という「各PCの能力を反映しない」判定方式を持っています。この手のシステムは「PCをいかに強くしよう」というところに注力する必要がなくなり、代わりに結果として出た演出素材を生かしていかに面白おかしく描写して見せるか?とか、事前にどれだけPCに演出できる素材を潜ませておくか?という部分に集中することができるようになります。

 PCの能力に格差がないとキャラクターの差が出ないのでは?と懸念する人がきっと現れると思うのですが、そんなことはないと思いますね。

 それは「TRPGの最終戦はかつかまけるかの勝負である」→「勝つことは決まってるので、どうやってかっこよく勝つかを考えるかの勝負である」という転換と同種の転換だと思います。

 また、ゲーム性や戦術製についても最初から成功確率はこれ、と決まっているのであれば「失敗してもかまわない判定可能なチャンス(回数)を増やす」という戦略的行動によって成功確率を上げることができます。1回判定で成功しなければならない、だと50%成功のシビアな判定が、3つのチャンスがあってどれか1つが成功すればOKの状態にすれば87.5%の確率で成功する、というように成功率を上げられます。むしろそういう戦略ゲームに注力できるようになりますな。

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3.多数決
 多数決で結果を決めるという手もあります。プレゼンテーション能力(コミュニケーション力)がすべての世界ですな。

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まとめ
上記のような公平さを強調するシステムは

・最終的にルール処理に逃げ込むことで最低限の公平さは保障される
・PC強化に頭を悩ませる必要がなくなり、演出に注力できる
・PC強化に頭を悩ませる必要がなくなり、コミュニケーションに注力できる
・PC強化に頭を悩ませる必要がなくなり、戦略的ゲーム性に注力できる

というメリットがあると思います。
こちらの方向性でTRPGシステムを考えるのであれば、上記のメリットに彩りを添える方向でのゲーム性を出せると思います。

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 あと、ここまで書いた「公平さ」とかの話はあくまで「PC vs PC」について限定した話であって、「PC vs NPC」「PC vs 外敵」の場合には何の関係もありませんので誤解なきよう。「PC vs 外敵」の場合には、別にPC同士の力関係が不公平であっても

「それぞれフォローし合い、それぞれの居場所が仲間関係の中で存在する」

ということの方がより重要となるので、それさえ満たしていれば十分と考えます。こちらの方向性ではルール運用の上手さで差別化する競争原理を入れた方がゲーム的に面白くなるし、多くのシステムはそれを実現していると思います。

以上
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by namizusi | 2007-03-01 22:58 | TRPG


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