日常のプレイの仕方(1):(・_・)

気が向いたので続きを。
今回は「シーンを裏返す」ことによって日常をプレイするという、単純かつとても効果的なテクニックの解説をします。



1.「シーンを裏返す」の基礎
「シーンを裏返す」というのは表舞台(PCとしてプレイするところ)/舞台裏(PLとしてメタにプレイするところ)をひっくり返してプレイするテクニックです、と僕が決めました(笑)。
例えば初期の地道なD&Dのプレイの仕方で、

・酒場で依頼を受けてダンジョンに潜り、死ぬ前に脱出して報酬&経験値を得、また再度潜ってさらに奥を目指す……

というようなプレイをすることがありましたが、この場合

・表:ダンジョン攻略
・裏:酒場等での情報収集や装備の調整など

という感じに主にプレイする部分と、従としてプレイする部分の比重がありましたが、「シーンを裏返す」テクニックではこれを逆転させます。
つまり、

・毎日毎日PCたちは酒場で顔を合わせ、ダンジョンの話をする

を主に持ってきて

・ダンジョン攻略

はダイス判定1発とかで裏で処理してしまうわけです。
こういうプレイをすると何が面白いのかというと、例えば

1日目:PCはみんな貧乏で食事も装備もさびしいものばかりで栄養が足りてなくて顔色が悪かった
2日目:PCは傷を負った者もいるが、顔色も元気になり、食事も豪勢だ。装備も幾分良くなったようだ
3日目:食事も豪勢だ。装備も充実してきたようであるが、メンツが一人足りない

というような変化を楽しむわけです。前回の記事(http://simizuna.exblog.jp/6656261/)で挙げた項目の「5.繰り返し効果による日常表現」に該当します。つまり

・毎日同じ酒場で朝食を摂るという繰り返しによって日常性を高める
・PCの様子が日ごとにちょっとずつ変わっていくという「漸次的変化」によって、外での事件を暗示する

という緩やかな変化によってドラマをゆっくり盛り上げるわけです(で、3日目で解散するというカタストロフが起きるかもしれない)。

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2.情報収集の「シーンを裏返す」
 さて、「シーンを裏返す」手法が最も劇的に効果を挙げる事例のひとつは「情報収集」です。情報収集というのはTRPG上多くの矛盾をはらんだ非効率的な処理で、よくありがちな矛盾というのは

1)PCが個別の情報収集した方が、世界観的に効率が良い
2)しかしGMは一人で基本はシングルタスクのため、マルチタスクで情報収集してもそのメリットは得られない。むしろ下記のようなデメリットが発生。
 ・リアル時間が膨大に消費されていく
 ・しかもPCが個別に動くことが多いのでPLのセッション時間を大幅に削ってしまう
3)最終的に「世界観的にリアリティがふっとんでしまうが」、バスツアーのごとくPCが全員揃いも揃ってぞろぞろと情報発生箇所を詣で参りすることになる
4)そうやって情報を集めて疲れきったところでやっと情報交換。2度同じ説明をするのはめんどいので「かくかくしかじか」という気のないコミュニケーションがなされて盛り下がる

……とかいう事態ですね。「シーンを裏返す」テクニックを使うと状況が一変します。

1)情報収集は1発判定で、得られた情報は文書で渡す(公開するやり方と隠蔽するやり方がある)
2)情報交換する場面を主に持ってくる。(毎回同じような場所で繰り返すと日常/非日常の対比が出て良い。カラオケボックスとかファミレスとか)ここでPLは、どのように情報を渡すかという演出や、情報を集めた上での分析でまたろくでもない事実が浮かび上がってくることに、まだ疲れてない頭で一喜一憂できる

こんな感じになるわけです。
ただ、このテクニックを使うにあたっては

・PLが、情報公開の仕方をセッションの進行を見て冷静に行えるくらい“大人”である(隠蔽プレイをする場合)
・PC同士を情報を打ち明けられるくらい親しい関係にしておく
・公開される情報が劇的で面白い(例えば、ラスボスが誰かわかった。それはPC1の父親だったのだ!とか(ベタですが))

という点に留意する必要があります。

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3.さらに突き詰めると
 さて、この手法をさらに突き詰めていくと、

・実はPCにとって何か重大な事件なり何なりが外で起こっていればいいのであって、それが1連のつながりのある1つの事件である必要はまったくない
・シーンとシーンの間は1日間隔とかの短い間隔でなくても、1週間後、1年後、10年後……という長い間隔が開いても一向に構わない

と、考えることもできます。こうやって突き詰めた結果できたのがAの魔方陣リプレイの10年後の帰り道、20年後の帰り道の話になるというわけですな。

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4.表/裏どちらの方がPCが活躍できるか?
 上記の情報収集の場面のように、事件が起きたり話を追っていく展開よりも、情報共有報告や情報分析のための話し合いの方が、PC/PLの参加機会が増えてより活躍できるようになる局面というのはしばしばあります。NPC対NPCの最後の対決とか、NPC対NPCの感動の再会とか、実際にセッションでプレイするよりも結果だけ知らせてPLに想像してもらった方がコンパクトに印象に残ることもあるのです。描かない方がむしろ印象に残る。

 ということで、たまには「この場面はわざと表で描かずに、その舞台裏や結果が出た後をプレイしてみる」というのをやってみると面白いと思います。


んじゃ
気が向いたらまた
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by namizusi | 2007-03-28 12:55 | TRPG


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