認識の齟齬と自由観の対立:(・_・)

http://www.rpgjapan.com/kagami/2008/06/post-146.html
http://blog.livedoor.jp/gensoyugi/archives/51434176.html
http://blog.livedoor.jp/gensoyugi/archives/51436675.html

えー。面白いんで突っ込んでおきますが。



1.イメージしている「システム」が違う
 たぶん鏡氏はクトゥルフ親和TRPGをイメージしていると思われ、一方水無月氏は自作の魔獣戦線をイメージしていると思われる。システムによる束縛範囲が違ってて例示がもろにその差異部分にぶつかっているため、認識が合わない。

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2.イメージしている「ミステリ」が違う
 水無月氏のイメージする「ミステリ」観では、少年探偵団とかシャーロックホームズおよびその後継のいわゆる「探偵小説」系のミステリをイメージされているように思われる。これって大正時代~昭和初期ごろのミステリ観である。80年前くらいですかね。鏡氏のイメージする「ミステリ」観では「そして誰もいなくなった」「陰獣」「鏡地獄」みたいなミステリも網羅されているように思われる。どちらかというと巻き込まれ型を主にイメージされているような。
 ミステリ観はサイクルしてて、

本格(探偵小説系)→当事者的(「そして誰もいなくなった」とか犯罪小説とか)→社会派

というのが周期的にブームが回ってて最近は社会派寄りが多いかも。

で、ミステリはTRPGと相性が悪い悪い言われてますが、個人的にTRPGで相性の良いミステリの形態は

「そして誰もいなくなった」

がベストではなかろうか→「人狼」に結実、と思ってるんで、これってまあTRPG的には「常に」犯人当て調査をやるよりも「とにかく生き延びればいい」が優先されるので、誰も推理しないし調査すらせず、各人好き勝手趣味に走るのが普通の展開だと思うんですがね~。で、閉鎖環境を維持するためにPCが無力な一般人であるほうがより望ましいしっていう。

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3.自由観の対立
 とっても不自由に感じるんだというと、いやそこは気にならない、こういう細部が自由に自分は感じられてそれで十分だと思う、というような、自由観の水掛け論はよく起こりますが、「自由観」のキーポイントとして下記の4点があると思う。

<1>自分は何の不自由さが引っかかるか?
<2>自分は何の不自由さが気にならないか?
<3>自分は何の自由さが欲しいか?
<4>自分は何の自由さが要らないか?

これは人それぞれ違う。違うことが当たり前だと思うんだけど、

「自分はここの不自由さが気になるんだが」
「俺は気にならないな。それよりここが自由に遊べていいじゃん」

という感じに自分の自由観(価値観)を押し付けて歩み寄る姿勢がないのでいつもいつも水掛け論に終わるかと。

 例えば、

・魔獣戦線のルールだとPCは世界最強の能力者で、最強であるから何でも出来て自由

ということになってるらしいのだが、僕の場合には不自由に感じられてしょうがない。

 西欧の「自由観」として有名な考え方として「道化は理想的に完璧に自由に近い」という認識があると思うのだが、なぜ「道化」は自由なのかというと

・道化は一切何も所持しない
・道化は最弱である。気に入らないから踏み潰そうと思えば、誰でもいつでも踏み潰せる
・どうせ最弱で何をしても笑われるか一撃で踏み潰されるなら何やっても同じだ。ならばなんでも好き勝手やろう

という感じに何物にもとらわれず開き直ることでほとんど完璧な自由を得ている(仏教的な悟りにも近い)、のだが、この「自由観」は上のシステムでの自由さとは程遠い価値観である。

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 だからと言ってその自由観が悪いというわけじゃなくて、例えば日本的な自由観の例として、江戸時代に贅沢を禁ずる法令が出て「かんざしは贅沢品ではないか?」という嫌疑が出てきたときに「これは耳掻きである」と言い訳して逃れた話があるそうな。で、かんざしには耳掻きの機能も付随させなくてはならないという「制約」が設けられたところで却ってその制約を生かした制限内でのデザインの自由さが生まれたという事象もあり、それはそれで一つの自由観だと思う。

 大枠は制約されるが細部に自由がある、というのは実に日本的な自由観ではないかと。


 で、「自由観」とは唯一絶対の真理ではなくて人それぞれ上記に書いた4点の境界が微妙に違うので、重要なのは、それを認め合うことではないかと。

「自分が自由と感じるからそれが絶対に正しい」

と、ついつい思い込みがちな人が多いと思うのだが、それは相対的なものでしかなくて絶対でも何でもない。

 で、不満が出たらそれはそれとして尊重し、譲り合えるようになるといいんじゃないかなあと。


まあ、そんなところで
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by namizusi | 2008-06-24 21:15 | TRPG


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