2005年 01月 10日 ( 2 )

ハウダニットシナリオとホヮイダニットシナリオ(1)

 ミステリの世界で、「事件」に対してどういう観点で話を書くか?という分類で主に以下の3つの分類があります。

・フーダニット(Who done it?)
 犯人は誰か?普通の犯人当てミステリ。
・ハウダニット(How done it?)
 手口は何か?密室ものとか。
・ホヮイダニット(Why done it?)
 動機は何か?ミッシングリンクとか。

(本当は5W1HなのでWhereとWhenもありますが、ここが主眼になるのはまれなので割愛)

 さて、TRPGでもセッション中に発生する「障害」に対するアプローチとして 前記の「個別導入シナリオにリサーチフェイズは必要ない」で触れましたが、以下の2つがあると思います。

・どのようにして解決するかという「手段」を考えるシナリオ
・何故解決しようとするかという「動機」を考えるシナリオ

 以後この辺の論をわかりやすくするために言葉の定義をしておきます。まあ、ミステリの命名を真似して

・どのようにして解決するかという「手段」を考えるシナリオ
 →ハウダニットシナリオ
・何故解決しようとするかという「動機」を考えるシナリオ
 →ホヮイダニットシナリオ

ということにします。(フーダニットはよっぽど特異なシナリオじゃないとないでしょう(笑))

 どちらかだけという極端な例は少ないと思うのですが、傾向として昔のダンジョンシナリオとかは「ハウダニット」が主流だったと思います。最近は物語志向になってきているので「ホヮイダニット」が重視されてきているかと。前回の論で書きましたが、個別導入シナリオのように各キャラクターの物語を引き立たせるシナリオでは後者の「ホヮイダニットシナリオ」の方が向いていると思いますね。

 この辺の問題がきっちり整理出来たら以前から言及している「個別導入群像物語志向シナリオ分析パターン」(毎回用語が変わってる気がするが(笑))の懸案事項がすべて解決できて、あと実装するだけになると思ってるんですけど、実装にあたっての細かい問題も洗い出したいと思います。シナリオを抽象化する辺で問題が発生しそうな気がw。「ホヮイダニットシナリオ」はかなり閉じた世界で抽象化できると思いますが、「ハウダニットシナリオ」は結局実際のシナリオ設定に「解決方法」が依存してしまうため、抽象化は不可能かなあと思っています。

 まあ、そんな感じで(つづく)。
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by namizusi | 2005-01-10 05:25 | TRPG

補足:個別導入シナリオにリサーチフェイズは必要ない

・氷川TRPG研究室「情報収集」
http://www.trpg-labo.com/modules/wordpress/index.php?p=213

の方でコメントがあったので補足を書いておきます(考えの整理をする助けになりましてありがとうございます)。あちらの記事で書かれているように観点が全然違いますね。(そもそも「個別導入シナリオって何?」という辺もあまり説明してないのでわからんだろうなあとは思っていたのですが。)

>氷川氏wrote
>セッションが始まって5分で最終目的地まで行けるような構造のシナリオが良いのです。ただし,行こうと思えば行けるけど負けるか被害が大きいようなシナリオです。

 こういうシナリオだと被害が大きいのでどう対処しようか?という「方法」をみんなで考えて議論をしたりするのが一般的だと思いますが、まずこれが要らない、と言っていますw。

・問題に対して「どんな手段を採って」解決しようとするか(HOW)は不要である

 そして、「個別導入シナリオ」ではキャラクターの設定を見せて、その物語や内部的意志の変化と展開を追うのが主眼になるので、

・問題に対して「何故」解決しようとするかという「動機付け」(WHY)が必要かつ重要である

ということです。で、その動機付けが噛み合わず、敵対してしまうとか、挫折してしまうとかいう問題が発生し(葛藤によるドラマ)、「説得」などによって問題を解消する(あるいは解消されない)。

 繰り返しになりますが「個別導入シナリオ」ではそういったキャラクターの動機付けにまつわる駆け引きがゲームの主眼になる(と考えている)ため、極論を言うと

・「個別導入シナリオ」では「いかにして問題を解決するか」という手段を考える部分はまったく必要ない

と、唱えているわけです。

 で、その理論を元に突き詰めてセッションを行うと

・問題を提示する
・問題の解決方法の選択肢をさっさと提示する
・問題の解決方法に対する「感情的な」障害を明示する
 問題を解決するには君が死ぬしかないとか、PCの一人を見捨てないといけないとか、家族を犠牲にしなくてはならないとか、君の好きな萌え絵を焼却しなくてはいけないとか(笑)
・実際プレイするセッションは、そういう「感情的障害」と対峙する場面しかプレイしない。回想シーンとか、日常シーンとか、夢とか。
・PCにとっての現実の行動のプレイは極端な話3秒で終わってもいい。それで十分だ

というようなセッションになると思います。

 実際そんなセッションをやったことがあるかと言うと「深淵」はそんなシナリオばっかりですかねえw。他には、「スクラップドプリンセスTRPG」でまじめにシナリオを組んでプレイしようとすると、そういうシナリオを作るしかなくなると思います。あと、ストーリーメディア作品で言えば映画版「サイレントメビウス」とか映画「めぐりあう時間たち」なんかがそういう話ですかね。

それでは
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by namizusi | 2005-01-10 02:45 | TRPG